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2019年2月 2日 (土)

曾田本その2を読み解く2大森流居合抜方3の3右刀

曾田本その2を読み解く
2、大森流居合抜方
3の3右刀
古伝神傳流秘書
右刀:右足を踏出し右へ振り向抜付打込血震納る
行宗先生
右身:左向ゟ正面に抜き付け冠りて切る也
大江先生
左:左に向きて正座し、左足膝にて右へ廻り右足を出して首に抜付け上段に取り、直に頭上に斬り下す、血拭ひは右足を後方に引き刀を納む。
 古伝の右刀の文章は「右へ振り向き右足を向へ踏出し打込」でしょう。「右足を踏出し右へ振り向」でも可能ですが、左向きに座して、右足を踏出したのでは、右に廻るのに右足が邪魔になります。
 ここは大江先生の手ほどきが判りやすい。そんな事は十分承知している様でも初心者には何だか解らないものです。行宗先生の抜けだらけの文言では、現代居合の動作を引合いに出さなければ演じられません。
 大江先生は敢えて右、左を古伝や吉村先生と逆に捕え、演武する者が道場の正面に対し右向きを右、左向きを左とされて対敵意識を無くしてしまいました。現代居合の無双直伝英信流が是を引き継いでいます。
 夢想神傳流は、我に対する敵の位置を優先しています。武術ですから、大江先生の業呼称は演武会向けのものと思われ違和感を覚えます。稽古するにも対敵意識の乏しい考え方は疑問です。大江先生が明治から大正にかけて平和への願いを込めて居合を、武術から武的踊りに昇華しようと意図したとの話は聞いたことがありません。古来からの業名を改変した意図が判りません。
 細川義昌系統の梅本三男先生の右刀では「右側に座して居る者を斬る」とされ、下村茂市定の教えは細川義昌にも行宗貞義にも大江正路にも同様であったと思われます。
 参考に中山博道先生の右刀の手附を読んでみましょう。
「三本目右刀:右側面に対座せる敵に対し、初発刀と同意義に於いて行ふ業なり。」と意義を述べています。動作は「左膝を軸として90度右に旋回すると同時に・・。」
当然の事、二本目左刀は「左側面に対座せる敵に対し、初発刀と同意義に於いて行ふ業なり」です。
 業名についてはとやかく言わず「おおらかに」何でもいいよと、云うのもありかも知れませんが、武術流派にはそれなりの伝書があって、目録も明示されるのですから守るべきものは守る姿勢も武術文化伝承の一つとして大切にしたいものです。それでなければ伝統文化などと云う事がおこがましいと考えます。

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