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2019年2月 6日 (水)

曾田本その2を読み解く3大森流居合抜方3の7介錯

曾田本その2を読み解く
3、大森流居合抜方
3の7介錯
古伝神傳流秘書
順刀:右足を立左足を引と一処に立抜打也又は八相に切跡は前に同じ
行宗先生
介錯(順刀):正面に座し右足を踏み出し抜き離れざる内に右足を左足に引き付け右肩より(左肩より 曽田メモ)右足を踏み出し踏み出して斜に切る
大江先生
介錯:正面に向きて正座、右足を少しく前へ出しつゝ、刀を静に上に抜き、刀尖が鞘と離るゝや右足を後へ充分引き、中腰となり、刀を右手の一手に支へ、右肩上にて刀尖を下し、斜の形状とす、右足を再び前方に出し上体を稍前方に屈し刀を肩上より斜方向に真直に打下して、前の首を斬る。血拭は足踏の儘6番と同じ様に刀を納む。
 古伝神傳流秘書の動作を、敵に応じる居合術としてやってみると至極自然に抜打ちが可能です。
 普段は介錯と教わっているのでそれらしく演じて当たり前でした。然し古伝には介錯らしい文言がありません。
 大森流11本の中心部に位置する7番目に介錯の仕方を持って来る理由も見当たりません。
 正面に向いて正座し、敵が斬り込んで来るので刀に手を掛け腰を上げ右足を踏み出し刀を物打ちまで抜き出し、敵が上段より真向に斬り付ける寸前に立ち上がりながら、柄を上方に引き上げ、左足を引いて敵刀を外すや同時に刀を抜き放って、その足踏みのままか、間が遠ければ右足を踏み込み上段から打ち込む。或は八相に斬り下す。
 順刀の意味は何なのでしょう、大森流居合の6本目流刀、7本目順刀、8本目逆刀と一連の刀法の流れを暗示する様な業名であり業技法が示されていたと思えるのです。いくつかの替え業が横行するうちに「介錯に使える」としてそうなった様に思えて仕方がありません。
 全剣連の制定居合12本目抜き打ちが立業ですがそっくりです。
抜き打ち:「要義、相対して直立している前方の敵が、突然、切りかかってくるのを、刀を抜き上げながら退いて敵の刀に空を切らせ、さらに真っ向から切り下ろして勝つ。
 動作、直立したまますばやく刀に両手をかけ、左足を後方に引き、右足を左足近くに引きよせながら刀をすばやく頭上に抜き上げると同時に左手を柄にかけ、間を置く事無く右足を踏み込むと同時に真向から切り下ろす。」
 この土佐の居合の古伝や解説が、下村派から出ていて谷村派からは何も出て来ないので、これ以上の詮索は不可能です。
 無双神傳英信流居合兵法を学ぶ方は順刀を抜き打ちの一つとして自らの業に加えていただきたいものです。習ったことも碌に出来ず、習って居ない事も発見できなければ学び修行する意味はないでしょう。
参考:曽田本その1に谷村派第15代谷村亀之丞自雄による英信流目録の大森流居合之位7本目順刀
 「是は座してる前の者を切る心持ちなり、我其の侭右より立、すっと引抜肩より筋違いに切る也、是も同じく跡は脛へ置き逆手にとり納るなり。」是は、習い覚えた首を切る業の様な雰囲気と捉えればそうかもしれませんが、「肩より筋違いに切る也」ですから首を斬るのではない様です。谷村派の伝書は是しかありません。
 曾田本その1の「居合兵法極意巻秘訣」で「介錯口伝」があったのを記憶されておられるでしょう。
介錯口伝:古代には介錯をこのまず其故は介錯を武士の役と心得べからず死人を切るに異ならず故に介錯申付らるゝ時に請に秘事有り介錯に於ては無調法に御座候但し放打ならば望所に御座候と申すべし、何分介錯仕れと有らば此上は介錯すべし作法に掛るべからず譬え切損じたりとも初めにことわり置たる故それに非ず秘事也能く覚悟すべし。
他流にて紐皮を掛ると云事:仰向に倒るゝを嫌てひも皮を残すと云説を設けたる見えたり、当流にては前に云所の伝有故に譬え如何様に倒るゝとも失に非ず、其上紐皮をのこすの手心何として覚らるべきや、当流にては若し紐皮かゝりたらば其の侭はね切るべしサッパリと両断になし少しも疑の心残らざる様にする事古伝也

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