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2019年2月18日 (月)

曽田本その2を読み解く4長谷川流居合抜方4の7鱗返

曽田本その2を読み解く
4、長谷川流居合抜方
4の7鱗返
参考
古伝神傳流秘書
長谷川流居合之事
鱗返:左脇へ廻り抜付打込み開き納る(秘書には岩波と同じ事を記しあり 口伝口授の時写し違へたるならん 曽田メモ)
行宗先生
左身
鱗返し:右向ゟ正面へ中身の構へにて抜付け冠り切る也
参考
大江先生(剣道手ほどきより)
左身の部
鱗返し:右に向き、左より廻りて正面に向ひ、中腰にて左足を引きて抜付け、此抜付けは水平とする事、上段に取り、坐しながら斬り落すなり。血拭ひ刀納は前と同じ。
 中腰は両膝を浮めて抜きつけるなり。(敵の甲手を斬る)
 古伝は「抜付打込み」とばかりで、何処に抜き付けるかも、右足を踏み込んで抜き付けるのか、左足を退いて抜き付けるのかの方法すらありません。
 行宗先生も「中身の構へにて抜付け冠り切る」ばかりで「中身」とは何かも判りません。
 恐らく中腰で低く構えて抜きつけるのでしょう。何故なら、我が左に座す敵に、座したる我は中腰に立ち上がって左に廻り抜きつける、何故中腰かは長谷川流居合の座し方は居合膝(立膝の座し方)で左廻りは、左膝が邪魔で廻りにくい、従って中腰に左膝を床から離し両足爪先で左に廻る方がスムースに運用できます。
 敵が腰を上げて仕かけようとする顔の位置を考慮すれば低い中腰(中身)がベターかも知れません。
 この際、敵との間合いは相対する間合いより近い筈です。左足を後方に退いて抜き付けるべきものでしょう。
 大江先生の動作の解説通りとなります。立膝の座し方で左廻りは、刀に手を掛けるや腰を上げ左膝を軸に左廻り正面に向くや右足を出して抜付けるのは当初違和感はあっても、左足爪先を軽くすれば容易に出来ます。但し右足を踏み込めば左脇の敵とは間が近すぎて抜付けに手心が必要です。
 そこで左足を退いて間を考慮すれば、中腰になってしまいます。そうであれば中腰で両脚先で廻るのは良いのかも知れません。
 更に、大江先生は括弧書きにこの業は「敵の甲手を斬る」と云っています。現代居合では、第22代池田先生の解説では首に抜き付けています。大江先生からですら、現代に引き継がれていない技になります。
参考
中山博道先生(居合読本より)
鱗返し:意義、大森流の左刀に同じ。動作、正面に対し右向に箕坐す。
 上体を少しく前に傾け右膝の外より右手を以て、刀柄を握り右足蹠骨部(しょこつ・せきこつ、中足骨の旧称)を軸として約90度左向きをすると同時に左足を後方に約二足長半乃至三足長踏み開き、初発刀の如く抜刀す、此際左膝は地に着かざるものとす、以下横雲に同じである。
 右足の足裏中足骨の有る所を軸として中腰になり、左足先も立て左回転する。正面位抜付ける際左足を大きく後方に退いて敵との高さを計る様です。
参考
細川義昌先生の系統梅本三男先生(居合兵法無雙神傳抜刀術より)
鱗返:(左側に座して居る者を斬る)腰を伸ばしつつ左へ廻り、正面を向くなり立上り、左足を大きく後へ退き腰を低く下げ(対手の右側面へ)抜付け、左足を右横に跪きつつ、刀尖を左後ろへ突込み右上段に引冠り更に右足を踏込んで斬込み、刀を開き納め終る。
 どの様な足捌きで正面に廻るのかは文章上見られません。文章上の「正面を向くなり立ち上がり」は、正面に向く時には腰をしっかり立てると読むべきなのでしょうか。口伝口授でしょうから其の妙は計り知れません。
 「腰を伸ばしつつ左へ廻り、正面に向くなりに立ち上り、左足を大きく後ろへ退き腰を低く下げ抜付け」の腰のアップダウンが気になります。一連の流れの中での動作として何処まで意識すべきなのでしょう。ご指導いただきたい処です。

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コメント

ミツヒラ様

ご無沙汰しております。本当に久しぶりにコメント致します。お元気でしょうか?長い間コメントがなくてすみませんでした。何か月前もコメントしようと書きましたが、エーラーがあって全然コメント残るのが出来なかったんです。修練中の失策のせいで怪我もありましたが、怪我を直し、元気に相変わらず先生のご指導をされており、修練も続いてしております。

今、新しい生活を始めました。約2週前に日本に来ました。埼玉の川口(川口駅と西川口駅間)に住んでいます。今後も宜しくお願い致します。

日本に来る前に、岩田憲一先生の「土佐の英信流 旦慕芥考」の韓国語翻訳が終わりました。印刷して先生と大先生にお伝えしました。この本の内容についていろいろミツヒラ様に質問しましたが、ご親切な答えにありがとうございました。翻訳をする時に本当に役に立ちました。翻訳本の最初にはミツヒラ様のお助けを受けたと書きました。

Leeさま
コメントありがとうございます。
韓国で居合をされていたのですね、思い出しました。
何回か、お話しさせていただきましたね。
あの頃のブログを修正したりして新たに書き込んでいますのでよろしくお願いいたします。
岩田先生の旦慕芥考ですか、曽田本の幾つかが抜粋されていますね。
曽田本をお持ちだった故太田吉次先生の御弟子さんからコピーが渡った様です。
現代居合を元に古伝の心を取り入れ、居合を新たに考え直すことが必要とも仰っていました。
残念ながら、お手に渡ったのが遅かった様で想い半ばで御他界されてしまいました。
残念ながら、日本人でも岩田先生の旦慕芥考すら読んだ事の無い居合人が多々おります。
お時間が許される様でしたら、ぜひ古伝研究会にも足をお運びください。
    ミツヒラこと松原昭夫

投稿: Lee | 2019年2月18日 (月) 18時23分

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