« 曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の2拳取 | トップページ | 曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の4独妙剣 »

2019年3月23日 (土)

曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の3絶妙剣

曽田本その2を読み解く
8、英信流居合の形
8の3絶妙剣
大江先生
剣道手ほどきより
英信流居合の型
三本目
絶妙剣:(相八相)(伝書による請込也 是は請込のことを記せり 曽田メモ)
打太刀は其のままにて左足を出して體を斜向きに八相となり、仕太刀は青眼より左足を出して八相となる、仕太刀は八相のまま右足より五歩交互に進み出て、同体にて右足を踏み出して、右面を斬る、打太刀は八相より左足を引きて仕太刀の太刀と打合す、仕太刀は左足を出し打太刀は右足を引きて、前の如く打合せ、打太刀は左足を引きて上段構えとなりて斬撃の意を示す、之と同時に仕太刀は右足を出して體を右半身とし、中腰となりて、左甲手を斬る、静かに青眼になりつつ打太刀は、三歩出で、仕太刀は三歩退る。
 是は古伝の4本目請込(請入)だろうと云っています。チョット違いますが参考にして作られた業だろうと推測できます。
 この大江先生の絶妙剣は、折角八相に双方構えて、仕は右・左・右・左と進み出て、八相から上段に振り冠って右足を踏み込み、打の右面に斬り込んでいます。
 この八相から上段への振り冠は打の右面に斬り込むため行う動作ですが、打も八相ですから其の侭打の左面に斬り込めます。恐らく竹刀剣道の形を意識した打込みでしょう。
 一刀目、打は打ち込まれるので左足を退いて、仕の真向打込みを八相に受けています。
 二刀目、仕は打に受け止められ、上段に振り冠って左足を踏み出し打の左面に斬り込みます、ここは仕は上段ですから真向打ちでもいいでしょう。打は八相に受けた体制で右足を引いて逆八相に仕の斬り込みを請け留る。
 三刀目、打は請け留めるや左足を退いて上段に構える、同時に仕は右足を踏込み右半身になって中腰から打の左甲手を斬る。
 大江先生の手附も抜けがあって、抜けた部分を補修しながら演じなければなりません。
 大江先生は仕の打込みは上段から打ち込ませていますが、八相の儘古流剣術は運剣していると思います。仕が八相から上段に振り冠る際、私なら、仕の上段になろうとする隙に八相から打ち込みこの業を不成立にしてしまいます。
 もう一つ、仕の一方的な斬り込みに打は退きながら受けに回っています、中学生向きの組太刀ですからそれも有りかとも思いますが、打は退きながら仕の隙に打込む事は容易です。
 古伝を知らず、古流剣術も知らない現代居合人では明治の中学生と同等なのでしょう。
参考
古伝神傳流秘書
太刀打之事
4本目
請入(請込):前の如く打合相手は八相に打を前の如くに留又相手より真甲を打を体を右へ開きひじを切先にて留勝。
前の如くとは、3本目請流になります。やって見ましょう。
参考
請流:遣方も高山相手も高山或は肩へかまへるかの中也、待処へ遣方歩行、右の足にて出合ふ、打込を打太刀請、扨、打太刀の方より少し引て裏を八相に打を左足にて出合ふて留め、(相手又打たんと冠るを直ぐに其侭面へ突込み相手八相に払うをしたがって上へ取り右の足にて真向へ勝・・( )は請流の部分)」
*
 高山は上段ノ構えです、肩へかまえるは八相の構えですからどちらでもよいと云っています。但し打込みは上段から八相に打ち込むか、八相から其の侭打込みます。
 古伝のポイントは、仕は前へ出ていますが、打は退きながら仕に攻め込んでいます。大江先生と違う所でしょう。
参考
業附口伝
4本目
請込(請入):(仕打八相)之も同じく相懸りにても敵待かけても不苦、請流の如く八相にかたきスカスカト行て真向へ討込也、敵十文字に請て請流の如く裏より八相に打、其処を我も左の足を出し、請流の如く止むる也、敵其時かむりて表より討たんとする所を其侭左の肘へ太刀をすけるなり。
参考
請流:是は敵も我も八相の構にて行真向へ討込也、(敵は待ちて居ても相懸りにても不苦)敵十文字に請て又八相にかけて打込也、我其の時左の足を一足踏み込て裏を止ると(敵又引きてかむる処を我其侭面へ突込也、敵其時横に腹払ふ也、其処を我体を開きかむり後を勝也(又最後に首根に討込勝もあり 曽田メモ))・・( )内は請流の部分。
*
 仕打八相の構えで相懸りか、打が待つ所へ仕はスカスカト行き八相の構えから上段に振り冠って真向へ打込みます、打は其れを右足を踏み込んで十文字に請け留める。
  打は右足を退きながら逆八相から仕の左面に打ち込んできます、仕は左足を踏み込んで逆八相に受け留める。
 打は左足を退いて上段に構えるところ、仕は右足を稍々右に踏み込み、左足を右足後ろに摺り込み半身になって体を低くして打の左肘へ下から掬う様に斬り込む。
 大江先生と異なる処は、古伝と同様仕は、前に出て、打は退きながら攻めてきます。
 古伝と略同じ動作と読めるだろうと思います。大江先生は何故仕の攻撃を打は請けるばかりにしたのでしょう。中学生向きとして手心を加えたのでしょうか。打の下がり乍ら斬り込むのは多少難しく、仕の攻める姿勢で防禦するのは難しいとされたのでしょうか。
 業名の絶妙剣も古伝は請入で、相手の攻撃に退かずに攻める姿勢である「請入・請込」の当を得た業名を変えています。古伝太刀打之事には8本目に絶妙剣の業名を持つ組太刀があります。
 太刀打之事絶妙剣
「高山に構へ行て打込み、打太刀より亦打込を請て、相手の面へ摺り込み、相手肩へ取る(請くる時は切先に手をそへ頭の上にて十文字に請け留るあり)」
 大江先生は古伝を知らなかったか抹殺してしまう意図があったのでしょうか、心あれば元の組太刀の業名を盗用しなかったでしょう。

|

« 曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の2拳取 | トップページ | 曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の4独妙剣 »

曾田本その2を読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の2拳取 | トップページ | 曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8の4独妙剣 »