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2019年3月13日 (水)

曽田本その2を読み解く6長谷川流奥居合立業抜方6の9壁添

曽田本その2を読み解く
6、長谷川流奥居合立業抜方
6の9壁添
古伝神傳流秘書
抜刀心持之事
8本目
人中:足を揃へ立って居る身にそへて上へ抜き手をのべて打込む納るも躰の中にて納る
行宗先生
長谷川流奥居合立業抜方
17本目(9本目立業)
壁添へ(人中のこと):四囲狭き所にて切る
大江先生
長谷川流奥居合立業抜打
17番目(9本目立業)壁添(人中の事):(進行中立止り両足を揃へ上に抜き直下に斬下し竪立に刀を納む)中央に出て体を直立とし両足を揃へ刀を上に抜き上段となりて趾先を立てゝ直立に刀尖を下とし斬り下し其の体の侭刀尖を下としたる侭血拭ひ刀を竪立として納む。
 行宗先生、大江先生は同じとしておきましょう。
 但し行宗先生は「四囲狭き所にて切る」と云うので、左右は当然の事、前後も狭い所ではこの運剣も、上段から振り下す際切先が背後の障害物に当たり、切り下ろす時は手元斬りしなければ是又切先が前の障害物に当たってしまいます。
 それより敵は目の前に居る事になり、爪先だって不安定な立ち方による斬り下しでは手元切りでも難しそうです。
 この業は古伝の「人中」の業を両側壁で狭い所での攻防を意図して、前方の敵を真向に斬る業に仕立てています。
 古伝は、前方に敵を見て、四囲に人が居るような場所で敵以外に疵を追わせない様に、刀を上に抜き上げ、左肩から体に添わせながら上段に冠って前方の敵に打ち込み、納めるのも、切先を上に上げ、体の巾を出ないようにして、鯉口に執り納刀するのです。
 爪先立つ事は古伝は強調して居ませんが、切り下ろす際斬撃力が増すならば在り得るものでしょうが、現代居合では爪先立ったまま抜いてその姿勢で上段に冠其の爪立ったまま斬り下して居ますから意味の無い動作でしょう。
 爪先立ちは、切り下ろす際踵を下ろすか、切り下ろす際に踵を上げるかでしょう。それよりも腰、膝をえます方が遥かに有効です。
細川昌義先生の系統の梅本三男先生の居合兵法無雙神傳英信流抜刀術
英信流 奥居合之部
十本目人中:(群衆中にて前の者を斬る)正面に向ひ直立の儘(刀は落差に)鯉口を切り、右手を柄に掛けるなり、刀を真上へ引抜き(左より背部へ廻し)素早く諸手となり、前者へ斬込み(両足の間へ斬下す)、其儘刀を開き、柄を上へ引上げ(刀尖を真下に釣下げる様にして)納め終る(体は直立の儘動かさぬ事)
 細川先生の人中は古伝の教えの通りでしょう。何故大江先生にはこれも伝わらず、おかしな業にしてしまったのでしょう。
 前々回の15本目袖摺返という是も群衆をかき分ける業にしてしまいましたから、この人中は壁添とせざるをえなかったのでしょうか。
 土佐の居合は大森流の順刀を介錯としたり、行違を袖摺返としたり、人中を壁添としたり大江先生以降はおかしすぎます。
 そろそろ本物の武術の伝承を考える時期でしょう。
 曽田本その1の英信流居合目録秘訣の上意之大事8項目に壁添があります。
壁添:壁に限らず総じて壁に添たる如の不自由の所にては、抜くには猶以って腰を開きひねりて体の内にて抜き突くべし、切らんとする故に毎度壁に切りあてかもいに切あてゝ仕損じるなり、突くに越したる事なし、就中体の振り廻し不自由の所にては突事肝要。
 狭い所では突く事と云っています。そのくせ古伝の人中は真向斬り下しですから、矛盾しています。
 人中の攻防では上段から切る方に分があるのでしょうか。そんな事はあり得ません、研究課題です。
 

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