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2019年3月10日 (日)

曽田本その2を読み解く6長谷川流奥居合立業抜方6の6行違

曽田本その2を読み解く
6、長谷川流奥居合立業抜方
6の6行違
参考
古伝神傳流秘書
抜刀心持之事
10本目
行違:行違に左の脇に添へて拂ひ捨て冠って打込也
9本目
連達:歩行内前を右の拳にて突其侭に左廻りに振返り後を切り又前へ振向て打込也
行宗先生
長谷川流奥居合立業抜方
13本目
行違:柄頭にて前をつき振り返りて切る
大江先生
長谷川流奥居合立業抜方
14番目
行違:(進行中正面を柄頭にて打ち后を斬り又前を斬る)右足の出たる時(敵の面を柄頭にて)左手の鞘と鍔を拇指にて押へ右手は柄を握りたるまゝ前方に伸はし柄當てをなしその足踏みの侭体を左へ廻して後方に向ひつゝ抜付右手にて斬り(片手斬り可?)直に前方の右へ振り向き上段にて切る。

大江先生、行宗先生の行違は、古伝の9本目連達の業の様です。この業も大江先生は業名を改変してしまった様です。
 古伝は、連達ですから前後に敵に挟まれ、同じ方向に歩み行く時、我は機を見て、前の敵を右拳で打突き、左回りに振り返って後ろの敵を抜き打ちし、右廻りに元に戻って前の敵を斬る。
 敵と我は我を挟んで同一方向に歩み行のです。前の敵を拳で打ち付けていますが、ここは柄で打ち付けても良い所でしょう。
 大江先生は「右足出たる時(敵の面を柄頭にて)」柄当てしています。是では敵は我が進行方向から二人が歩いて来て、前の一人が我と行き違う時、我から二人目の者に柄当てする事になります。
 我を避けて通る為、右側を通過するならば、我は右足を右に踏込み柄当てする。左側を通過するならば左に踏み出し柄当てするのでなければ理に合わない。
 稽古では、筋を替らず其の侭相手の顔面に柄当てしています。柄当てと、左回りに振り向きざま抜き打つ、右廻りで斬り込む体裁き足捌きによる運剣の稽古であれば、おおらかに稽古し、上手に成ったら変化に応じる想定を独創すればいい事でしょう。
 業名をいじると動作に影響が出てしまうのはやむおえないでしょう。大江居合の可笑しなところです。行宗先生は自叙としての業手附けを曽田先生に示さなかったのでしょうか、それとも大江先生に右へ習いでしょうか。
 細川義昌先生系統の梅本三男先生の居合兵法無雙神傳英信流抜刀術
英信流 奥居合之部
12本目
連達(前後の者を斬る):正面へ歩み往きつつ、鯉口を切り右手を柄に掛けるなり抜打に(前の者へ)斬付け、直ぐ(左廻りに)後へ振帰りつつ諸手上段に振冠り、右足を踏込んで(後ろの者へ)斬込み刀を開き納め終る。
 是では、敵の立ち位置が前後に代っただけの古伝の両詰の変化業を立って行っただけです。
 この前の業は12本目行違(左右の者を斬る)で右の者へ抜打、左へ振返へり諸手上段に振冠り右足踏み込んで(左の者へ)斬込み・・。
13本目
行違(摺違ひに左側の者を斬る):正面へ歩み往きつつ(右側を通り)鯉口を切り左足踏出しながら右手を柄に掛け、右足踏出すなり刀を向ふへ引抜き、左足踏出しつつ(刃部を外へ向け)左腕外へ突込み、更に右足踏出すと共に摺違ひに刀を向ふへ摺抜き(対手の左側を軽く斬り)直ぐ左斜に振返へりつつ、諸手上段に振冠り、右足踏込んで斬込み、刀を開き納め終る。
 是は、古伝の「行違」でしょう。細川先生は古伝を14代下村茂市から伝授されていた様で、江戸末期の変化はあっても、行宗先生、大江先生ほどの違いは認められません。この違いは、何なのでしょう。
 想像ですが、行宗先生、大江先生の武士としての身分の違いによる稽古の内容の違いがあった、そんな事は無く平等であったとすれば、入門時期が遅かった為下村茂市先生の直伝では無く兄弟子から習った為正規のものにならなかった。
 江戸末期から明治初期には下村茂市先生も指導出来る環境ではなくなってしまった。など憶測しますがどうでしょう。興味の有る方に真実の追及をお任せします。

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コメント

ミツヒラ様

日本に来て1か月ぐらいになりました。色々見物して勉強になった時間でした。
以前に話した岩田先生の「居合道集義」は先生に聞いたんですが、大先生がお持ちしていると聞きました。確実じゃないんですが、「師伝芥考」と同じような内容だったと聞きました。後、余裕がある時に大先生と交流している柳田邦治先生の東京蘆州会にもお挨拶を兼ねて見学しようと思います。
いつかミツヒラ様主催の研究会に参加する日を期待しております。ただ、その時まで真剣を備えられるかどうか分かりませんね。今はヤフオクで落札して購入した(9000円でした)刃長73cm、鞘払って930gの模造刀を使っております。

Lee(李)


Leeさま
コメントありがとうございます。
お勉強進まれている様で楽しみですね。自分から垣根を超えて行きますと、広い異世界が見えて来ると同時に、狭い処で甘んじている人が、とやかく邪魔しますが伸び伸びやってください。
日本には、現代居合や竹刀剣道以外に素晴らしい古流剣術がまだ残っています、ぜひその門も叩いてみてください。
ご参考に宮本武蔵の五輪書の原形かとも思える兵道鏡・円明35箇条の解説「武蔵無敗の技法(赤羽根龍夫著)がBABJYPANから今日発売されています。
   ミツヒラこと松原昭夫

投稿: Lee | 2019年3月10日 (日) 13時14分

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