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2019年3月20日 (水)

曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8発声

曽田本その2を読み解く
8、英信流居合の形
8発声
大江先生
英信流居合の型
発声:発生は相互の打合せ、或は受け又は打ち込みたるとき、其業毎にイーエーと長く引きて声を掛け合ふなり。
 発声について、大江先生、堀田先生の「剣道手ほどき」では「イーエー」と掛ける様に書かれています。
 大江先生の独創による「英信流居合の型」ですからこの型を打つ場合は、この「イーエー」と掛けるのは当然です。
 英信流の仕組(組太刀)はすべてこの「イーエー」の掛け声を掛けるものと思われている方もおられる様です。
 古伝神傳流秘書には太刀による型(形)は太刀打之事・詰合・大小詰・大小立詰・大剣取の5種の形があります。
 古伝の形で掛け声を出せと云っているのは一つもありません。大江先生の7本の英信流居合の型で「イーエー」と言ってその方達は学んで来たのでしょう。太刀打之事や詰合でもイーエーとやっています。
 中学生に指導したり、徴兵にとられて兵士として統一的に訓練される場合は、掛け声も有りかと思いますが、古伝は無言です。
 武術は相手に起こりを見せない、まして相対するものを威嚇する様な発声は不要です。打ち込む際、呼気と同時に声が出てしまうのすら心すべきものでしょう。
 発生を奨励するならば居合抜其のものでは何故発声しないのですか。その上、鞘鳴りも嫌い、足音も立てない、対敵相手の勝負は、静かな中に始まり終わるものです。気は修行により発せられるもので、それも相手にも、まして周囲の者に感じさせないものです。
 江戸末期に古伝が変形されてきた一つに、五藤先生、谷村先生による「業附口伝書」なるものを、曽田先生の実兄土居亀江及び田口先生(不明)から曽田虎彦先生と竹村静夫先生が指導を受けられたと曽田メモが残されています。
 古伝の簡潔な文章では不明な部分があって余程武術を修錬した者でないと読みこなせませんが、この「業附口伝」は古伝の書かれていない部分を想定した手附ですから、学び易いものになります。
 この「業附口伝」は原書は、不明です。恐らく高知の空襲などによって焼失したか、実兄土居亀江が五藤先生、谷村先生から口伝で受けものを、曽田先生に口伝され、曽田先生が書き留めたものであろうと思われます。
 この「業附口伝」が最初に世に出たのは曽田先生から、写しを譲られた河野百錬先生が昭和13年1938年に発行した「無雙直傳英信流居合道」の第五節居合形之部第二太刀打之位から第三詰合之位、第四大小詰、第五大小立詰にそっくり載せられ、「以下記す所は當流古傳の略述にして文責筆者に在り」とされています。河野先生40歳大日本武徳会居合道錬士の頃のことです。
 この「無雙直伝英信流居合道」の業附口伝が広まって古伝の形が稽古されたと思われ、古伝の形は神傳流秘書の形を忘れっぱなしにしてしまったと思われます。
 土佐の居合の形である古伝神傳流秘書太刀打之事及び曽田先生記述の業附口伝太刀打之位何れも、発声については記載されていません。
 次回から、英信流居合之型を一本ずつ読み解いていきます。
 参考とする資料
曽田本その2より英信流の形
大江先生の剣道手ほどきより英信流居合の型
曽田本その1より古伝神傳流秘書の太刀打之事
曽田本その1より業附口伝太刀打之位
嶋 専吉先生無雙直伝英信流居合術形乾より太刀打之位
河野先生の大日本居合道図譜無雙直伝英信流居合道形
福井聖山先生の無雙直伝英信流之形太刀打之位
山本宅治先生の英信流居合之形
政岡壱實先生の無雙直傳英信流居合兵法地之巻より太刀打之位
野村條吉先生の無双直伝英信流居合道の参考より英信流居合形
その他

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