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2019年3月19日 (火)

曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8作法

曽田本その2を読み解く
8、英信流居合の形
8作法
大江先生
英信流居合の形
(元来居合術は敵を斬る形なり故に居合には形と云うものあるべからず伝書に示さるゝ詰合之位、太刀打之位と云うべきなり  曽田メモ)
 古伝は、太刀打之事、詰合、大小詰、大小立詰、大剣取という様な呼称の呼び方をしており、曽田先生の言われる様な、太刀打之位、詰合之位という云い方は、曽田先生が谷村派第16代五藤正亮先生、谷村亀之丞自雄先生の「業附口伝書」を演じるに当たり自ら詳述した業附口傳に・・・位と付けられています。
 この五藤正亮先生の業付口傳書は実在せず、曽田本では曽田先生の業附口伝となります。
 江戸時代後期の組太刀(土佐では仕組)は、古伝を基に手を加えられ、古伝の趣は失われ始め、形となってしまい、武的感覚に乏しい様です。
 たとえば、太刀打之事と太刀打之位の手附を読んでみます。
古伝1本目出合:相懸りにかゝり相手より下へ抜付るを抜合せ留て打込相手請る右足也
業附口伝1本目出合:是は互に刀を鞘に納めて相懸りにてスカスカと行、場合にて右の足を出しさかさまに抜き合わせ敵引く処を付込みて左足にてかむり右足にて討也此の時敵一歩退き頭上にて十文字に請け止むる也、互に中段となり我二歩退き、敵二歩進み改めて5歩づつ退く也納刀。
 古伝と江戸末期の文章の違いは大きく、動作の順番は確かに業附口伝が判りやすい。然し何を目的にこの業を稽古するかは古伝の「相手より下へ抜付けるを抜合せ留て打込」であって、業附口伝は「相懸りにすかすかと行、場合にて右の足を出しさかさまに抜き合わせ敵引く・・」是では、双方の中間で刀を合わせている、相打ちです。
 古伝は相手が先に打ち込んで来るのを受け止めています。そこから勝負に出ます。
 抜き合せただけの相打ちで無い処が読めたかどうかでしょう。
 ・・之位という呼び名は何処かの流派の借り物だろうと思います。古伝は「形」と云う送りすら用いていない事にこの流の素晴らしさが秘められていると思います。作法に戻ります。
作法:刀は左手にて鞘を持ち親指にて鍔を支へ其の握りを腰部につけ45度の傾斜に下げ、右手は横腹につけ不動の姿勢となり、互に十尺ほどの距離を取り対向し一礼を行ひ、更に五尺の距離に進み神殿に向ひ黙礼をなす。
 更に向ひ合ひ静に正座す、刀を右手に持ち代へ前に五寸程離して置き互に両手をつき礼を行う(之は刀に対する礼ならん 曽田メモ)、一応両手を膝の上に置き右手に刀を持ち腰に差し、再び両手を膝の上に置き、更に左手にて鞘を握り拇指を鍔に添へ、右手は其侭右足を前に出し其の足を左足に引き揃へ直立す。
 次に左足より互に五歩退り、止まる時は右足を前に左足は約五寸程引踏む、此の構にて互に進み出でて第一本目を行う。
第20代河野百錬先生
無雙直伝英信流居合道形(太刀打の位)
作法:
1)相互の礼、道場の末座にて約5尺を隔てゝ対座す。註、正座の姿勢と同様に端坐して刀は右脇に刃を内に向け鍔を膝の線に置く。
2)次にお互いに礼をなす。
3)神殿に礼、居合と同要領にて刀を左手に提げて立ち、静かに道場の中央に進み互に10尺を隔てゝ神前に向ひ右手に刀を取替へて神座に最敬礼を行ふ。
4)坐礼、立礼のところにて向ひ合ひて黙礼し静かに進み約5尺を隔てゝ対座す。刀を前に置き居合の要領にて坐礼をなす。
5)帯刀、帯刀す。次に左手の拇指を鍔にかけて鞘を握り右足を踏込みて立上り其足を左足に退きつけて直立し、互に左足より5歩後進して対向す。之より業に移る。
 良く整理された作法です。是もどこかの借り物でしょう。古伝にはこの様な作法は何処にも記述されていません。
 古伝を学ぶとは対敵相手の武術を学ぶのであって、演武会のかっこいい演舞をするためでは無かったはずです。

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