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2019年3月 2日 (土)

曽田本その2を読み解く5長谷川流奥居合座業抜方5の9棚下

曽田本その2を読み解く
5、長谷川流奥居合座業抜方
5の9棚下
古伝神傳流秘書
抜刀心持之事
7本目
棚下:大森流逆刀の如く立って上へ抜打込む時体をうつむき打込是は二階下様の上へ打込ぬ心持也
行宗先生
長谷川流奥居合居業抜方
棚下:なし
大江先生
長谷川流奥居合座業抜方
6番
棚下:(頭を下げて斬る)坐したる処より前方へ頭を下げ稍腰を屈め右足を少し出しつゝ刀を抜き上体を上に起すと同時に上段となり右足を踏出して真直に斬り下す
 棚下の業が行宗先生の手附に在りません。なぜ、行宗居合に棚下が無いのか解りません。
 古伝は「大森流逆刀の様に立って上へ抜」ですから、相手が正面から切って来るので、刀を上に抜き上げ相手刀を摺り落す様にするのでしょう。そして前に体を屈めて相手を斬る。切先が二階や棚に当たらない様に打込む心持ちだと云います。
 曽田本その1の英信流居合目録秘訣の上意之大事9番目に棚下が解説されています。
 棚下:「二階下、天上の下抔に於て仕合ふには上へ切あてゝ毎度不覚を取物也、故に打込む拍子に膝を突いて打込むべし、此習を心得るときはすねをつかずとも上へに当てざる心持有」
 居合の業と云うより天井などが低い所での攻防における心得であり、刀を抜き上げるや膝或いは脛を床について打込むわけです。奥居合居業では更に上体を屈めて打込むと云うのです。
 大江先生の棚下は、逆に棚下で上体を前に屈め右足を滑り出しながら刀を抜き、棚下を抜け出すや上体を起こすと同時に上段になって更に右足を踏み込んで真直ぐに斬り下ろす。
 相手は同じ棚下に居るのではなく、棚下の外に居る想定です。古伝の動作と二階下、棚下を抜け出す、相手も棚下にいないというものなのです。この様な状況もあるかもしれませんが、稽古としては、棚下での抜刀の仕方と打ち下す運剣法を身に着け、相手に勝てよと云う古伝の教えが消えてしまったものになりました。現代居合も大江先生の可笑しな棚下の想定で稽古しています。
参考
細川義昌先生系統の梅本三男先生(居合兵法無雙神伝英神龍抜刀術より)
英信流 奥居合之部
8本目
棚下:(上の閊へる所にて前の者を斬る)右手を柄に掛け体を前へ俯け腰を少し浮かせ左足を後へ退き伸し其膝頭をつかへ、刀を背負ふ様に左頭上へ引抜き、諸手を懸け前者へ斬込み、其まま刀を右へ開き納めつつ体を引起し右脛を引付けるなり、左踵上へ臀部を下し納め終る。
 「左足を後へ退き伸し其膝頭をつかへ」の所で右足を前にせり出すのではなく、左足を後ろに引いて其膝頭がそれ以上行かない処で、刀を抜いて諸手を懸けて斬り込むのだと云うのでしょう。この動作は古伝の教えの上に刀が閊える場所での抜刀法と斬撃の方法を示しています。
 細川先生は奥居合を下村派14代下村茂市より習ったが、行宗先生、大江先生は習っていないように思える部分の一つなのかもしれません。
 
 
 

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