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2019年3月18日 (月)

曽田本その2を読み解く8英信流居合の形8初めに

曽田本その2を読み解く
8、英信流居合の形
8初めに
 この英信流居合の形は、大江先生、堀田先生による共著「剣道手ほどき」にある組太刀で土佐では仕組などと云うものです。
 古伝の稽古の順番は、大森流居合之事、英信流居合之事、と居合抜の稽古を進め、仮想敵相手の一人稽古から相手を設けて打ち合う太刀打之事(鞘木刀也 立合之事也)と進んで行きます。
 居合では得られない、相手との間と間合いを知ることが出来るものとして剣術の基本を学ぶものであったと思われます。
 防具を付けた竹刀剣道が江戸時代後半から盛んになって、形は本来の姿を隠してしまい形骸化した打ち合いの形に終わっています。
 第20代河野百錬先生は、大日本居合道図譜に於いて「形は之に依りて姿勢を正確にし、眼を明かにし、技癖を去り、太刀筋を正しくし、動作を機敏軽捷にし、剣撃を正確にし、間合をしり、気位を高め、気合を錬るなど甚だ重要なるものなり。
 形を演ずるに当たりては十分に真剣対敵の気を罩(こ)め、寸毫の油断なく、一呼吸と雖も苟(いやしく)もせず、居合の法則に従ひ確実に演錬すべし。
 形に最も重んずべきは単に其の動作のみならず実に其の精神にして、気合充実せず、精神慎重を欠かば、如何に軽妙に之を演ずるとも一の舞踊と択ぶ所なし。学者の心すべきところなり」と大上段に振り冠って斬り込んできます。
 大江先生の「英信流居合の形」では術と云えるほどのものはありませんが、本来江戸時代前期までに完成していた各流派の形は、形ばかり真似ができても、その流の「術」が全うできなければ唯の、チャンバラごっこに過ぎないものです。
 打太刀が打たせてくれたので其処を打ったでは術にならないのです。まして力強く素早く打ってみたところで、軽く往なされてしまうのが落ちでもあり、意味不明の打ち合いに終始して無駄な時間を過ごす事にもなります。
 居合から始めた者も、竹刀剣道から始めた者も、古流剣術の妙は奥深いものです。
 大江先生の、英信流居合の形を、河野先生が「太刀打の位」との括弧書きしてしまいましたので、古伝「太刀打之位」と同程度に思われる、無双直伝英信流の連盟や道場も有る様です。
 曽田本その2を読み解きながら、大江先生の中学生向きに改変された「英信流居合之形」を稽古して見ます。
 曽田先生は「自分昔中学時代に三四指導を大江先生より受けたる際に単に長谷川流の形と云て居たり 明治37年頃)」と添え書きされています。なお「無雙直伝英信流伝書の業付とは全部これ合わず 大江先生の独創ならん」と書かれています。
 近年ミツヒラブログによって誰でも、古伝に触れて読むことが出来るようになってきました。
 現代居合や大江先生の組太刀が何とか打てれば古伝の簡単な解説によっても出来そうなことに触発され、ミツヒラブログの実証を木村栄寿先生の林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流や、河野先生の無双直伝英信流叢書によって確認されて、土佐の居合の組太刀や棒、和(やわら)などの古伝が顧みられる様になってきました。
 居合も表と裏を修業した上で武術の領域に入って行かれるものです。曽田本その1が本命ですが、曽田本その2も多くの気付きを与えてくれました。 読み進んで行きます。
 
 

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