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2019年4月 1日 (月)

曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の4八重垣

曽田本その2を読み解く
9、英信流詰合之位
9の4八重垣
参考
古伝神傳流秘書
詰合
4本目
八重垣:如前抜合たる時相手打込を我切先に手を懸けて請又敵より八相に打を切先を上にして留又上より打を請け相手打たむと冠(我切先に手を懸けて請け敵右より八相に打を切先を下げて留又敵左より八相に打を上にして留又上より打を頭上にて十文字に請け次に冠るを従て突込むもある 曽田メモ)を直に切先を敵の面へ突詰める
業附口伝
英信流詰合之位
4本目
八重垣:是も同じく詰合て坐し前の如く左足一足引てさかさまに抜合也、敵其侭我面を打つを我又太刀の切先へ左手を添へて面を請くる也、夫れより立て敵すぐに我右脇を打つを我其侭刀を右脇にさかさまに取りて此の時右足を一足引き請け留る也、敵又立ちて左の脇を打ち来るを我又左足を一足引きて左脇を刀を直にして請け止むる也、敵又上段より面へ打ち来るを我又右足を引きて上を請て敵かむる所を我右足より附込み勝也、刀を合せ原位置に帰り血振納刀。
八重垣
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 古伝神傳流秘書の八重垣は、双方抜き合わせ、打が左膝を着き仕の真向に打ち込んで来るのを、仕も左足を着き、左手を切先に添えて頭上に十文字に請ける、打が左足を踏み込み八相から左脇に切り込んで来る、仕も右足を退いて切先を上にして左脇で之を請け、打が又上段から右足を踏み込み真向を打って来るのでこれも、切先に左手を添え左足を引いて十文字に請ける、打は再び打たんと右足を引いて上段に振り冠る処、仕は追い足で切先を打の面に着けて詰める。
 打込むたびに立ち上がって足を踏み込もうと、其の場で踏み変えようと、立ち上らずに切り込もうと特に指定されない処が、古伝のおおらかな処です。最後の打が上段に振り冠る処を仕が付入って刺突するのは、この業は打の隙をつく事を教える良い業です。
 演舞では、ぴょこたんぴょこたん双方でやって居ればいいでしょうが、一刀目下で抜き合わせ、二刀目真向を請ける時から、打の動作が相手を圧するものでなければ付け入る事は出来るものです。
 従って、業附口伝の一刀目抜き合わせ、二刀目頭上、三刀目右脇、四刀目左脇、五刀目頭上、六刀目相手冠るを付け入っているのは、切れるか稽古としては楽しい体操になりそうです。
 この、詰合の業名は「八重垣」です。最も居合らしい組太刀であって、相手を意識した良い業です。にもかかわらず大江先生は、この業名を盗用して、大森流の4本目陰陽進退の古伝名を変えて八重垣にしています。
 どの様な謂れがあって、その様な暴挙を行ったのか、土佐の居合をどの様に理解されていたのか疑問だらけです。
 前回も紹介した第19代福井春政先生直伝の嶋専吉先生の無雙直傳英信流居合術乾
から八重垣を紹介します。
八重垣
姿勢及構へ:仕太刀、打太刀双方帯刀の儘詰合ひて右立膝対坐
業:是も同じく詰合ひ対坐より左足を一歩退きて倒か様に抜合はせたる後、打太刀は右より進み左跪にて仕太刀の正面に打込み来るを仕太刀左より体を少しく退き左跪にて剣尖を左方に左手を棟に添へて頭上十文字に請止む。
 続て打太刀、左足を一歩進め(打太刀は一応立ち上り左足を一歩進め右膝を跪きて)仕太刀の右脇に打込むを仕太刀右足を一歩退き刀を倒か様にとりて(左手を棟に添へたるまゝ刀を体に近く剣尖を下方に略々垂直にして)右跪にて請止む。
 打太刀更に立ちて一歩右足を進め左跪にて仕太刀の左脇に打込み来るを仕太刀左足を一歩退き刀を直にとりて(左手を棟に添へ剣尖を上に刀を垂直にし)脇近くに之を請留む(左跪)。
 打太刀更に右足より進みて上段より正面へ打ち込むを仕太刀は右足を一歩退け左手を棟に添へて再び頭上十文字に請け止め次で打太刀右足を退き振冠るところを仕太刀右足を一歩進め附込み打太刀の喉を突く。(この際打太刀の左膝と仕太刀の右膝とは相接する如く向ひ相ふ)で刀を合せ原位に復し血振ひ納刀す。
 第19代福井春政先生の詰合之位八重垣は曽田先生の業附口伝に他なりません。第19代も古伝を知らなかったのでしょう。
 剣術流派の秘伝も門外不出として秘して居ても、同じ様に様変わりして本来の形も心持ちも失われ、日本武道文化の正しい伝承は失われ形骸だけが権威として権力を奮って見ても意味の無いものになりそうです。

 

 

 

 

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