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2019年3月 3日 (日)

曽田本その2を読み解く5長谷川流奥居合座業抜方5の10両詰

曽田本その2を読み解く
5、長谷川流奥居合座業抜方
5の10両詰
参考
古伝神傳流秘書
抜刀心持之事
4本目
両詰:抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る(右脇を抜打に切り付け左を斬る)
5本目
向詰:抜て諸手を懸け向を突打込也
行宗先生
長谷川流奥居合座業抜方
両詰:存在せず
大江先生
長谷川流奥居合座業抜方
7番目
両詰(向詰の誤りならむ 曽田メモ):抜放し諸手にて真向を突き斬る)座したる処より右足を少し出して刀を抜き、柄元を臍下にあて、右足を踏み出して前方を諸手にて突き、其姿勢の儘上段にて前面を真向に斬る。
 行宗先生の手附には両詰も向詰も記載されていません。にもかかわらず、大江先生の両詰は、向詰でしょうと曽田先生はコメントをしています。
 確かに、古伝神傳流秘書の抜刀心持では、大江先生の業手付では向詰になります。
 向こうは正面ですから、正面から詰め寄られた場合、抜いて諸手突きして真向に斬り下ろすのだと云う業に相当します。
 古伝の両詰は、左右から詰寄られた時の攻防です。
 大江先生の奥居合座業では、戸脇(左を突き右を切る)・戸詰(右を斬り左を斬る)業に変えられてしまっているのです。
 ここでは、曽田先生は、「大江先生、業名が違いますよ」と云っている様です。
参考
細川義昌先生系統の梅本三男先生(居合兵法無雙神傳英信流抜刀術より)
5本目
両詰:(左右に座して居る者を斬る)省略します。
3本目
向詰:(対座して居る者を斬る)右手を柄に掛け、両膝を立つなり右足を少し右前へ踏み出し、其方向へ刀を引抜き、右足を引き戻すと共に、刀尖を向ふへ、柄頭を腹部へ引付け諸手となり(刀を水平に構へ)体を少し前へ進め、対手の胸部を突き、更に左足を進ませつつ諸手上段に引冠り、右足を踏込んで斬込み、刀を開き納め終る。
 細川先生も古伝の向詰でした、大江先生は何故、両詰の業名を此の業に付けたのでしょう。
 何もその辺のことを記述したものがありません。
 大江先生の監修があったかどうかですが、共著者の堀田捨次郎の誤記か誤植かも知れませんが、大江先生の改変という相場に随います。
 向詰が両詰になったため現代居合では、その由来も知ってか知らずか「我が両側に障害ありて、刀を普通の如く自由に抜き得ざる場合に、刀を前方に抜き取りて前の敵を刺突して勝つ意也」(第21代池田聖昂先生無雙直伝英信流居合道解説より)となって狭い場所での業を演じています。此の理合いは、文章共に既に昭和18年の第20代河野百錬先生から引き継がれたものです。

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