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2019年4月12日 (金)

曽田本その2を読み解く10英信流太刀打之位10の4請込

曽田本その2を読み解く
10、英信流太刀打之位
10の4請込
参考
曽田本その1
古伝神傳流秘書
太刀打之事
4本目
請入:(請込共云う)前の如く打合相手八相に打を前の如くに留又相手より真甲を打を体を右へ開きひぢを切先にて留勝
「前の如く打合」
3本目
請流し:遣方も高山相手も高山或は肩へかまへるかの中也待処へ遣方歩行右の足にて出合ふ打込を打太刀請扨打太刀の方より少し引て裏を八相に打つを左足にて出合ふて留相手又打たんと冠るを・・
此処から4本目請入:・・(相手より真甲を打つを)体を右に開きひぢを切先にて留勝
曽田本その2
英信流太刀打之位
4本目
請込:(請入)(仕打相八相)是も同じく相掛りにても敵待かけても不苦、請流の如く八相にかたきスカスカと行て真向へ打込也、敵十文字に請て請流の如く裏より八相に打其処を我も左の足を出し請流の如く止むる也、敵其時かむりて表より討たんとする所を其侭左の肘へ太刀をスケル也
(体を右に開き下より二の腕を掬ひ上げる也)
 業附口伝は、足裁きが語られていませんが、仕は一刀目右足を踏み込み真向に打ち、打も右足を出してこれを十文字に請ける、二刀目は打が右足を引いて裏八相に仕に切り込む、仕は之を左足を踏み込み裏八相に請ける。
 打は上段に振りかぶらんと左足を引いて下る處、仕は右足を右斜め前に踏込み体を右に開き、左足を右足の後方に摺り込み低い八相から下から掬い上げる様に打の左肘に斬り付ける。
 この動作は古伝と同じです。この業は大江先生の英信流居合の型三本目絶妙剣に稍々近いものです。
参考
大江先生
英信流居合の型
3本目
絶妙剣:・・・仕ハ、八相のまゝ右足より五歩交互に進み出て、同体にて右足を踏み出して、右面を斬る、打は八相より左足を引きて仕の太刀と打合す、仕は左足を出し打は右足を引きて、前の如く打合せ、打は左足を引きて上段構へとなりて斬撃の意を示す、之と同時に仕は右足を出して体を右半身とし、中腰となりて、左甲手を斬る・・・。
 文章表現の違いで、古伝と同じだろうと云われる方もおられるかもしれません。此の場合打は退きながら先を取ろうとしている、それを仕に止められている事が表現から読み取れないでしょう。
 古伝は先に攻めて、次に後に請けて、終いは後の先なのです。
参考
第19代福井春政先生直伝
嶋専吉先生無雙直伝英信流居合形乾
太刀打之事
4本目
請込:(請入)姿勢及び構へ、仕打共に立姿勢、八相
業、相ひ八相より相掛りにてスカスカと進み仕太刀表より打太刀の面を撃つ、打太刀は之を表十文字に請く。
 仕太刀更に左足を一歩進め八相より裏に打込むを打太刀右足を退き裏にて請け更に左足を退きて上段に振り冠るところを仕太刀素早く右足を大きく一歩斜右前に踏込み体を右に開打太刀の左上膊部を下より掬ひ切に打つなり。
 静かに刀を合せ正位に復し互に五歩退きて血振ひ納刀をなす。
 第19代は、大江先生より二刀目の攻防がおかしい、一方的に攻められてしまい受け太刀になってしまいました。
 大江先生は、まだ相打ちでした。古伝はここは打が退きながら仕に切り込むのです、それを仕に受け留められたので、再び先を取らんと振り冠ると同時に「請込まれ」左肘に切り込まれるのです。
 攻防の妙に筋が通らないめちゃくちゃなのはこの流の指導者の力量に問題ありかも知れません。
 細かいところですが、仕は請込む時の切りつける部位もそれぞれです。
 古伝   :肘
 業附口伝:左肘
 大江先生:左甲手
 第19代 :左上膊部
 下からの掬い切りは、斬撃力を増す為の隠れた動作が膝・腰に無ければなりません、恐らく指導出来る先生は少ないでしょう。其の為に左甲手や左上膊部に当てる振りでお茶をにごしているようです。
 演武会などで見ていますと、下から掬い切りにするのを、上から打ち込んでいたり、右に筋を替らずに下から掬いきりしたり、どの様な考えで指導されたのか疑問です。あらゆる変化をやって見るのは良しとしても、演武会では流の形をしっかりすべきでしょう。
 一刀目の仕の斬り込みは大江先生は左面ですから、その請けは表八相で請ければよいのです。
 業附口伝の様に真向に打込まれた場合、打も真向に打込み双方の真中で物打で刀を合わせるなどおかしいでしょう。此処は十文字受とするもので、打の切先は右上で刃で請けるべきしょう。
 私が前に所属していたところでは、真向打ちに真向打ちで双方の中間で物打を合わせていました。何故の問いに「一刀流の切り落し」と同じと嘘ばっかりです。切り落とされてしまえば一刀目で勝負がついてこの請込は成立しません。一刀流の切り落としを学ぶ方便として真向打ち合いを入れたのならば、切り落としを別に指導すべきです。其の上で真向打ち合いを演舞上では双方の中間で合わせるならば理解しますが、正中線を真直ぐに打ち込む事も出来ず、手の内も不十分で寸止めも出来ない者が何をしているやら。

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