« 曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の9水月刀 | トップページ | 曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の11討込 »

2019年4月 7日 (日)

曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の10霞剱

曽田本その2を読み解く
9、英信流詰合之位
9の10霞剱
参考
曽田本その1
古伝神傳流秘書
詰合
10本目
霞剱:眼関落しの如く打合せたる時相手引かんとするを裏よりはり込み真甲へ打込み勝亦打込まずして冠りて跡を勝もあり
 眼関落の如く:古伝神傳流秘書詰合には眼関落の業名は無く8本目の「柄砕」が眼関落であろうと曽田先生は補足されています。
 柄砕:両方高山後は弛し木刀に同じ。と云うわけで、眼関落を捜しても太刀打之事には見当たりません。
 実は、曽田先生は「太刀打之位独妙剱がそれであろう」と更に補足しています
太刀打之事独妙剱:相懸なり打太刀高山遣方切先を下げ前に構へ行場合にて上へ冠り互に打合尤も打太刀をつく心持有柄を面へかへし突込み勝。
 10本目の霞剱の「眼関落しの如く打合せ」は、打太刀上段、仕太刀下段で相掛りにかかり、間境で打は拝み打ちに打ち込んで来る、仕は下段から打の喉を突き上げるようにして刀を合わす。打が刀を合わせ中段になり乍ら退こうとするところを裏より張り込むや上段に振り冠り打の真向に斬り込み勝。
業附口伝
英信流詰合之位
10本目
霞剱:(相中段)是も互に立合也、敵待かけても不苦、互に青眼の侭スカスカと行場合にて互に拝み打に討也、互に太刀の物打ちのあたり合たる所を中段に直る、我其侭左の足を踏み込み裏より払ひかむり勝也、五歩退り相中段に次に移る。
 古伝の解説を先にしていますので業附口伝の霞剱:双方中段(青眼)に構え行き、双方間境で上段に振り冠って拝み打ちに討つのですから新陰流の合し打ちでしょう。
 相手の真向に打込みます、其の侭正しく打ち込めれば理に叶ったものが相手の刀を打ち外して真向に斬り込んでこの10本目は勝負完了です。
 ところが、打ち込む途中で双方物打の辺りで打ち込みを止めて刀を合わせているのです、是では拝み打ちとは言えないでしょう。
 真直ぐに打ち下したが物打が交差する辺りで、仕か打が刃を返して受け太刀になったことになります。
 だったら「はっきり書いて置け」と云いたい処です。古伝は仕が打の拝み打ちを同時に下段から突き上げ刺突する所、摺り落ちて来る打の刀を鍔で受けたのでしょう。
 古伝も似た様なものですが、「尤打太刀を突く心持ち有」と断っています。この辺は新陰流の奥義を思わせる所で明らかにしていないのかも知れません。
 形を演舞にしてしまった原因も、伝書の不充分(秘儀を隠す)な部分は伏せられたために可笑しな運剣ばかりが形に残ったものかも知れません。
 ひいき目に言えば、相手が上回る力量ならば、合し打ちを受け太刀に変えて次の勝ち道を作れと云う事かも知れません。
 その勝ち道が双方中段になり放れ際に裏より払い冠り勝でしょう。
曽田本その2英信流詰合之位10本目霞剱
Img_0455
参考
第19代福井春政先生直伝による嶋専吉先生の詰合之位10本目霞剱
無雙直傳英信流居合術形乾より
霞剱:姿勢及構へ仕太刀打太刀共に立姿勢、相中段
業:互に青眼のまゝ(但し剣尖を幾分高目に且つ腕を稍々前方に伸ばす心地にて)スカスカと進み間合にて双方拝み撃に物打のあたりにて刀を合せ中段に直るところを仕太刀素早く左足を一歩進め瞬間裏より打太刀の刀を払ひ直に上段に冠り勝つなり。
 刀を合せ五歩退り(但し次の「留めの打」を演ずる場合は納刀はせず)相中段にて次に移る。
 現在見る詰合之位は嶋専吉先生の覚書の動作がほとんどで、双方拝み撃ちで「相打となる」と云う意味不明な形を得々と演舞されています。
 お聞きすると「形だから」だそうです「???」流派の業を伝承する事の難しさ、というより「秘儀」として隠したために、伝承不能になり「形だから神社や演武会の奉納演舞に」となってしまうのでしょう。
 柳生新陰流の始終不捨書の冒頭に円相が描かれ等分に三点が打たれています。三摩の位と云い、習い・稽古・工夫であると云います。
 この円相を思い返しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

|

« 曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の9水月刀 | トップページ | 曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の11討込 »

曾田本その2を読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の9水月刀 | トップページ | 曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の11討込 »