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2019年4月19日 (金)

曽田本その2を読み解く11英信流大小詰11の1抱詰

曽田本その2を読み解く
11、英信流大小詰
11の1抱詰
参考
曽田本その1
古伝神傳流秘書
大小詰
(是は業にあらざる故に前後も無く変化極りなし始終詰合▢居合膝に坐す気のり如何様ともすべし先大むね此順にする)重信流
1本目
抱詰:楽々居合膝に詰合たる時相手両の手にて我刀の柄を留る時我両の手を相手の両のひぢに懸けて体を浮上り引て其侭左の後の方へ投捨る
英信流大小詰
業附口伝
朱書きは故五藤せんせいの手記ゟ写(五藤先生手記、曽田虎彦蔵す)
1本目
抱詰:互に対座、打は仕の柄を両手にて取らんとす、すぐに仕は両手にて打の二の腕を下より差し上ぐる様に掴み我左脇に引き倒す也
五藤先生手記:向て居る敵我刀の柄を両手にて押付る時、敵の両肘へ手をかけ「うすみ」上げ左へ振り倒す。
 古伝の大小詰について重信流から伝来と云う意味でしょう。
 この土佐の居合は指導者が変わるたびに動作が変化する習性を持っている様ですから、大小詰でなくともどんどん変わっています。
 時代の要請により変化するのは納得ですが、指導者の思い付きで変わるのは困ったものです。
 業を替えるよりもひどいのは大江先生の様に捨ててしまうのはひどすぎます。この大小詰も大江先生に捨てられた業です。というより大江先生、第14代下村茂市より習っていなかったから知らなかったと思えます.
 その上中学生に指導するには、居合だけで充分だったかも知れませんから丁度良かった。そんな事を思ってしまいます。
 古伝は、業では無いから変化極りなしと云っています。「業にあらざる故」居合では無いがその延長上にあるもので居合抜きではない事は云えますが、心得が無いと厄介です。
 大小詰ですから、仕は太刀を帯て居合膝に坐す、打は小太刀若しくは短刀を帯びると何処にも書かれていませんが、その様にやっています。業のやり取りから判断できそうです。
 仕は太刀を帯び、打は短刀を差し双方居合膝に坐す。
 居合膝は古来からの座し方として、護衛などの武士が事有れば即座に応じられる右膝を立て左膝を床について左足先を爪先立った「体構え」だろうと思います。河野先生は甲冑を着ては正座できないのでこのように座すと云っていた様です。
 わざわざ甲冑を着て立膝をやって見たらしっくりきた、などと云っていた人も居ました。
 東北地方に残された林崎甚助重信の居合など見ていますと、大太刀を帯した仕は立膝、短刀を帯びた打は正座などと云う変わった組み合わせの様でした。
 相対して居合膝に坐し、双方の間合いは右足先と右足先の間隔は2尺以内でしょう。それでも双方の体軸の間隔は4尺位になります。
 古伝は、打が腰を上げ少しせり出して、両手で我が柄を上から掴んで抜かさない様に留めて来る。
 業附口伝は「両手にて取らんとす」ですから、まだ柄に触っていない進行形です。その場合の対処法は相手の手を打つとか、払うとか、手首を取って引き倒すとか別の事を思い描いてしまいます。
 ここは、柄を握らせ居付かせて、我は打の左右の二の腕(両肘上辺り)を掌で我が右手で相手の左手、左手で相手の右手を下から差し上げる様に締め込み同時に腰を浮かしながら右足を軸にして、と古伝は「左の後の方へ投げ捨てる」、業附口伝は「左脇に引き倒す」、五藤先生の手記は「左へ振り倒す」、とそれぞれです。
*
 手附けはここまでですが、古伝は「左の後の方へ投げ捨てる」。
 業附口伝は「左脇に引き倒す」、五藤先生の手記は「左へ振り倒す」とやや異なります。仕が相手の二の腕を締めあげて立ち上がって左へ投げるのではなく、腰を浮かした状況で左へ投げるわけで、相手次第で打つなり、突なり出来る状況であるべきでしょう。相手をはるか向こうに投げ飛ばすのは理に合わないでしょう。
 五藤先生の手記の「うすみ上げ」土佐の方言に「うずむ」と云うのがあります、意味は「無造作に抱きかかえる」と云う事です。業に置き換えれば、柄を留めている相手の両肘を両手で抱きかかえ腰を浮かして左へ振り捨てるでしょう。この抱きかかえは、政岡先生の無双直傳英信流居合兵法地之巻の大小詰一本目抱詰に見られます。
 投げるに当たって、手で投げようとするのを見ますが。此処は、体軸をしっかりさせて腰で投げる。その後の処理は手附には無いので、投げた相手を起し元の位置に双方座すで良いのでしょう。実戦では投げた状況により様々な方法があるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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