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2019年4月 4日 (木)

曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の7燕返

曽田本その2を読み解く
9、英信流詰合之位
9の7燕返
参考
古伝神傳流秘書
詰合
7本目
燕返:相手高山我は抜かずして立合たる時、相手より打込むを我抜受に請る、相手引くを付込み打込,相手右より払ふを随って上へ又打込払ふを上へ取り打込、扨切先を下げて前へかまへ場合を取り切居處へ相手打込を受流し体を替し打込勝、又打込まず冠りて跡を勝もあり。
英信流詰合之位
業附口伝
7本目
燕返:(仕坐打左上段)是は敵も我も立つ也、敵は刀を抜てかむる我は鞘に納めて相掛りにて行く也、場合にて敵我面へ打込む也、我其時右片手にて抜き頭上にて請けすぐに左手を柄に添へ打ち込む也、敵又表よりはっそうに払ふ也、我又すぐにかむりて打込む也、敵又すぐに裏より八相に払ふ也、我又すぐにかむりて敵の面へ打込也(左足を一足踏み込)其時敵後へ引我空を打つ也、其時我切尖を下げ待也、敵踏み込みて我真向へ打込也、我其時左足より一足退り空を打たせ同時にかむりて一足踏込み敵の面へ勝也、互に五歩退り納刀後再び刀を抜き相上段にて次に移る。
 古伝は、相手より右足を踏み込み上段から真向に打ち込んで来るのを、仕は右足を踏出し抜き請けに請ける。
 請けられて打が上段に振り冠って右足を退くところを、仕は左足を踏み込み付け込んで、左手を柄に添え真向に打込む、打は上段から逆八相に払って来る。
 仕は払われるに従って上段に振り冠り、又上段から右足を踏み込んで真向に打込む、打は左足を退いて八相に払って来る。
 仕は打の払うに従って上段に振り冠り左足を踏み込んで打の真向に打込む、打は右足を大きく退いて仕の打込みを外す。
 仕は外されて、切先を下げたまま待つ、打は仕の頭上に右足を踏み込み上段から打ち込む、仕は右足を斜め前に踏込み受け流しに体を躱して打の面に打ち込み勝つ。又、打ち込まずに上段に構えて位を示す。
 古伝は、相手の切り込みを請けるや相手が下がるのに間を置かずに付け込んで斬り込み、相手に外されるや、反撃せずに、相手の打込みを待って受け流しに躱して勝つものです。
 相手高山ですから上段からの真向打ち込みですから、ここでは仕も上段から真向としました。
 業附口伝ですと、打の真向打ち込みを、仕は右足を踏み込んで抜き請けに請け即座に左手を添えて左足を右足に引き付け右足を退いて真向に打込みます。打も左足を右足に引き付け右足を退いて之を八相に払う。
 払われて仕は右足を左足に引き付け左足を退いて打の真向に打込む、打も右足を左足に引き付け左足を退き裏八相に払う。此処までは双方その場を維持し、足の踏み変えによって仕は打込み、打は受け払っています。
 仕は「我又すぐに冠りて敵の面へ打込也(左足を一足踏み込)」ですから此処で左足を踏み込んで打の面に打ち込む、打は「後へ引我空を打つ也」ですから右足を大きく後ろに引いて仕の打ちを外します。此処で仕は前進、打は後退しているのです。仕の踏み込みより打の退きが大きく仕は空を斬る。
 仕は切先を下げて打の打込みを誘うわけで、打が右足を踏み込んで仕の真向に打込んで来るのを、仕は左足を一足退き、打に空を打たせ同時に振り冠って打の面に打ち込み勝。
 古伝と業附口伝との足捌き、体裁きは両方共稽古するのが良さそうです。
 最初に打が打込むのを、仕は抜き請けに受け、打が古伝は下りながら上段それに付け込んで上段です。
 業附口伝は請けるや上段に振り冠っていますから、ここは、右足で抜き請けに受けていますから、即座に左手を柄に添え、左足を右足に引き付け、打を圧する気勢が先行しなければ逆に圧せられてしまいそうです。
 最後の所は、受け流すか、外すか間と間合いの面白い処です。
 古伝を稽古しているうちに、足捌きの違いや、打ち込みの違いなど、熟達していけば幾つもあり得るものでしょう。
 この燕返しは、返し業の研究が楽しい処です。
 抜き請けに受けて、相手に切り込むに当たり、相手の刀を押し退ける様にして、左手を柄に添え力任せに右下に押しやり上段に振り冠るヤクザのチャンバラの様な演舞をしばしば拝見する事があります。
 或いは、抜き請けに受けるや仕は稍々右足を退いて上段に冠り左手を添え、左足を踏み込んで真向に打込む、とされる教本もあります。
曽田本その2のツバメ返し
Img_0453
第19代福井春政先生直伝の詰合之位燕返
嶋専吉先生 無雙直伝英信流居合術形
詰合之位
7本目
燕返:姿勢及構へ、仕太刀立姿帯刀、打太刀立姿帯刀より左上段
業:打太刀は上段、仕太刀は刀を鞘に納めたるまゝ相掛りにて前進、間合にて打太刀は仕太刀の正面に打込む、仕太刀は素早く抜刀剣尖を左方に右隻手(みぎせきて、みぎかたて)にて頭上に十文字に請け直に雙手上段となり左足を一歩進め相手の裏ら面に打ち込むを打太刀は右足を一歩退き裏より之を八相に払ふ。
 仕太刀更に右足を一歩進め表て面に打込むを打太刀亦左足を一歩退き表より八相に払ふ。
 仕太刀は直に振冠りて左足を一歩進め打太刀の正面に打込む、この時打太刀は左足より大きく退きて仕太刀に空を打たせ。次で打太刀は右足を一歩踏込み仕太刀の真向に打下す、仕太刀は之に応じて左足を大きく引き体を後方に退きて打太刀に空を撃たせ(此際拳は充分に手許にとるを要す)振冠りざま右より踏込み打太刀の正面を打つ。
 刀を合せ原位に復し互に五歩退きて血振ひ納刀をなす。

 

 

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