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2019年4月17日 (水)

曽田本その2を読み解く10英信流太刀打之位10の9心明剱

曽田本その2を読み解く
10、英信流太刀打之位
10の9心明剱
参考
曽田本その1
古伝神傳流秘書
太刀打之事
9本目
心妙剱:相懸也打太刀打込を指なりに請て打込み勝也(打込む時相手の刀をおしのける業あるべし 曽田メモ)
曽田本その2
業付口伝
英信流太刀打之位
9本目
心明剱:(仕納刀、打上段)心妙剱ともあり山川先生秘書( 曽田メモ)是も相掛りにても相手待ちかけても不苦、敵は真向へかむり我鞘に納てスカスカと行也其時片手にて十文字に請るなり、其侭に敵引也すぐに我打込み勝也気合大事云々
 最後に打込む時は敵の刀を押し除ける様にして左足を踏み込み敵の首根に打込む也
 この業名は古伝は心妙剱です、業付口伝は心明剱となっています。
 古伝は7本目独妙剱・8本目絶妙剱・9本目心妙剱として「妙」の文字をもってきています。
 業附口伝7本目絶妙剱・8本目独妙剱・9本目心明剱で、9本目だけ「明」となっています。
 業附口伝は,曽田先生が実兄の師匠16代五藤正亮、谷村樵夫自庸の口伝を土居亀江によって聞き伝えられたものを書き留めたものです。
 古伝神傳流秘書が五藤先生に伝わって居れば古伝の侭であったでしょうが、聞き伝えで学んだものでしょうから思い違いがあるかもしれません。この7本の業名称は如何にも武術らしい名付けですが、業名と業技法は関連が無さそうです。こじつければ幾らでも思い浮かぶかもしれませんが、私には連想できるものがありません。
 古伝神妙剣の短い文章からこの業を思う時、抜けがあり過ぎてどうしたらいいのか、呆然としてしまうならば、曽田先生のメモに目をやって誤魔化してしまいそうになります。
 太刀打之事に至るまでに、大森流・英信流を稽古して来ています。其の中で相手が打ち込んで来るのをどの様にして応じて来たでしょう。大森流だけでも陽進陰退(八重垣)・流刀(受流)・順刀(介錯)・逆刀(附込)・勢中刀(月影)・抜打(抜打)の業は相手に打ち込まれ応じてきた業です。
 英英信流でも虎一足・稲妻・抜打(真向)是等もそうでしょう。中でも逆刀や勢中刀、抜打・稲妻・抜打(真向)は心妙剣の良いお手本です。是等は居業ですから此処では立業で相懸りです。
 相手も刀を腰に差して抜き打って来るでも、上段に構待でも充分応じられる筈です。心妙剣の「打太刀打込を指すなりに請て打込み」の「指すなりに請」ればいいのでしょう。「請て」は力任せにガチンと十文字受する事を頭に描く必要な無いでしょう。
 相手の打込みを、請けた業は、流刀・抜打でしょう。請けずに外して打込んだのは逆刀・順刀、断って置きますが順刀を介錯としたのは大江先生でしょう、古伝は首きりの業と特定して居ません。
 相手の打込みの先を取ったのは月影と稲妻です。従って相手が上段から打ち下ろさんとする其の機に相手の小手を取る程の業を身に着けているわけです。
 ここでは、私は抜打の立業を使いたいと思います。相手の打込みが早く、外す余裕が無い柄に手を掛けるや右手を正中線上に添って刀の刃を外に向け上に抜き上げ、相手真向に打込むや抜き放ち相手刀を摺落し手を返して相手の真向に打込み勝。是が出来なければ抜打と真向振り出しに戻るべきです。太刀打之事は初心者向けの組太刀では無いでしょう。
 従って、曽田先生のメモ書きの「相手の刀を押しのけるの」など 無用のことです。
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 と云う事で業附口伝を稽古して見れば、相手が真向に打ち込んできたのを、片手で抜き請けに十文字受けしています。
 相手が再度打たんと右足を退いて振り冠る隙に、左足を踏み込んで打ち込み勝と云う、相手任せの業手附になりました。
 十文字受は相手の刀と我が刀をどの角度で請けるかがポイントで、十文字だから我が刀を刃を上に向け頭上で水平に受ける、などすれば忽ち刀と共に打ち砕かれそうです。
 私など、非力ですから、そんな十文字は思い描きません。稲妻の様に抜き請けします。抜き請け出来るならば柄口六寸の極意は出来てしまいますが、手附に添って請けるや右肩から刀を廻し受け流し、廻し打ちに足を踏み変えて相手の右面に打ち込みます。
 左手を添えて押し退けるなど、武術とは思っていません。此の心妙剣はいい業です。古伝は書いて無い処は自分で工夫して稽古するものです。だからと云って書いてあるところを替えてはならないと思います。
 業附口伝は大江先生の英信流居合の型よりましですが疑問です。
第19代福井春政直伝
嶋専吉先生無雙直傳英信流居合術形乾
太刀打之位
9本目
心明剱:姿勢及び構へ、仕太刀納刀の儘、打太刀上段、共に立姿
業、打太刀は真向に冠り、仕太刀は帯刀のまゝ相掛りに前進し間合に至り打太刀上段より仕太刀の面に打下すを、仕太刀間髪を容れず抜刀、隻手(ひとつて、せきて、片手)にて頭上十文字に請け止め、打太刀の引き際に(打太刀は足を替へずに体を僅に退く)右片手にて打太刀に刀を押し除くるが如く右下に払ひ、左足を左方に踏込み打太刀の首根を断つ。
 この業特に「気合大事なり」とあり充分こころすべし。
尚この形に於て仕太刀隻手刀を払ふ業、及び左足の踏込みと共に相手の頭べを撃つ動作には特に工夫あるべし。
 次に刀を合せ五歩後退。
 仕は抜き請けに右片手で相手の打ち込みを「十文字に請け止め、打の引き際に右片手にて打の刀を押し除くるが如く右下に払ひ」ですが、打の引き際は(打は足を替へずに体を僅かに退く)のだそうです。元々形は申し合わせを免れないとしてもこんな事をしていてもいつまで経っても上手に成れそうも有りません。 

 

 

 

 

 

 

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