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2019年4月 8日 (月)

曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の11討込

曽田本その2を読み解く
9、英信流詰合之位
9の11討込
参考
古伝神傳流秘書
詰合
11本目
討込:伝書に無し
業附口伝
英信流詰合之位
11本目
討込:(仕打中段)(伝書にはなし、留の打なり、右真之詰合11本気合極大事有口伝 曽田メモ)
双方真向に打込み物打を合わすなり。
参考
第19代福井春政先生直伝嶋専吉先生覚書
無雙直伝英信流居合術形乾より
詰合之位
11本目
打込(傳書になし、留の打なり)
姿勢及構へ、仕太刀打太刀共に中段
業、互に進み間合にて真向に打込み物打を合せて双方青眼となる。
 業終って其場にて左膝を跪き血振ひ納刀をなし一旦立ちて更めて正坐し帯刀を解き左腰に堤刀にて後退し相互に立礼、更に神前の敬礼を行ひて退場す。
 古伝神傳流秘書詰合は11本目霞剣で終わっています。
 江戸末期から明治にかけて17代五藤正亮先生、谷村樵夫自庸先生から伝授された実兄土居亀江先生口伝による曽田先生記述の業附口伝には詰合之位として11本目打込が記述されています。
 「伝書にはなし」ですから、後に加えられたものか、曽田先生の独創か判りません。この打込は双方中段に構え間境で上段に振り冠右足を踏出し相手の真向に斬り下すもので、業附口伝ではこの業が新陰流の「合し打」、一刀流の「切り落とし」を意味する事を知らずに双方の中間で手の内を締めて物打ち辺りで打ち止める事で「留の打」としたのでしょう。
 この様な打込みは、古伝でも、業附口伝でも8本目霞剣で実施済みの業になります。特に業付口伝の双方拝み打ちして双方の中間で物打を合わせて、意味不明な稽古を要求しています。
 土佐へ居合を持ち込んだ第9代林六太夫守政は真陰流(新陰流?)を学び、大森六郎左衛門の居合を大森流之事として組入れています。当然の事として「合し打」は知っていたでしょう。然しそれを意識しても表面には出してはいません。
 業附口伝は意味も解らず「合し打」のかたちを持ち込んでしまったとしか思えません。誰が見ても「変な打ち合い」では無く本物を学ぶか、前回の読み解くで示した、双方拝み撃ちに際し打の気勢が上回るならば仕は僅かに刃を傾けて受け太刀となり、青眼に戻しつつ機を伺い新たな手で勝つべきでしょう。
 何としても「合し打」で締めたいならば、他流を学ぶ心掛けが必要でしょう。居合人であれば、拝み打ちで相手の頭上で寸止めが出来なければ今まで何をしてきたのでしょう。
 少なくとも、双方の中間で打ち止めるならば、その先の軌跡は当然相手の頭上に至るべきです。
 現在、土佐の居合の古伝と称する太刀打之位、詰合之位共に、曽田先生が実兄から口伝されたものを書き留めた「業附口伝」がまかり通っている事は、このブログでご納得いただけたと思います。
 「業附口伝で何が悪い」と云われても、何も悪い事はありません、「土佐の居合の古伝ではありませんよ、神傳流秘書がその前に在ったのですよ」としか言いようはありません。しかし形を「かたち」ばかりの武的踊りである事は否めません。
 大江先生の「英信流之形」も大江先生が組み立てられたもので江戸末期に行われていた業附口伝の「太刀打之位」ではありません。古伝とは云い難いものです。
 古伝は業技法とそれを打つ心構や秘められた奥義がある事を忘れて打ってもそれは只の棒振り踊りです。「形だからそれでいい」と仰る人もおられます。「形だから秘儀を学ぶことが出来るのに心得違いでしょう、順番通り「かたち」は出来ても剣術の「術」が決まらなければ、演武会の「演舞」です。
 次回から曽田本その2の英信流太刀打之位となります。曽田先生の記述通りの順番ですから是は本来古伝では英信流居合之事(現在の立膝の部)の後に稽古する様に組み込まれているものです。
 曽田先生は、この太刀打之位の各業の後に「詰合の発早の立業」と補足しています。
 底本は業附口伝となります。古伝と対比しながら稽古して行きます。

 

 

 

 

 

 

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