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2019年4月 2日 (火)

曽田本その2を読み解く9英信流詰合之位9の5鱗形

曽田本その2を読み解く
9、英信流詰合之位
9の5鱗形
参考
古伝神傳流秘書
詰合
5本目
鱗形:如前抜合せ相手打込むを八重垣の如く切先に手を添へ請留直に敵の太刀を摺落し胸をさす也。
英信流詰合之位
業附口伝
5本目
鱗形:座り方同前、左足を一足引きて抜合す也、其時敵すぐに我面へ上より打つ也、我もすぐに太刀の切先へ左の手を添へて十文字に請て左の足を踏み込み摺込み勝也、刀を合せ血振ひ納刀。
曽田本その2
英信流詰合之位鱗型
Img_0452
 古伝の詰合の鱗形も、曽田先生の詰合之位の鱗形も特に違う所は無さそうです。
 双方立ち上がって刀を抜き、左足を一足後方に退くや相手の膝に抜き付ける。
 此処は打太刀が先んじて仕の膝に抜き付けるのが古伝の心持ちです。
 業附口伝では、同時に抜き付け、双方の中間で刀を合わせ、双方の切先は相手の膝横で請け留められる。
 受け留められるや打は、左膝を右足に引き付け、上段となるや右足を踏み込んで仕の真向に打込む。
 仕は打ち込まれて、即座に左手を物打ち付近の刀の棟に添え、左足を着くや十文字に受け留め、即座に左足を踏み込み左手を上げ右手を下げる様に打のこめかみを切先でひっかく様に摺り込み摺落とし詰める。是が業付口伝の運剣でしょう。
 仕がもたついていれば、打が再び仕の右脇に切り込んで来るのが八重垣です。十文字受けするや摺り落して詰めるのです。
 古伝は、打が立ち上がりつつ刀を抜き出し、仕の膝に抜き付けて来るのを虎一足の如く受け留め、打は即座に左膝を右足に引き付け上段に振り冠、右足を踏み込んで真向に斬り込んできます。仕は切先に手を添え左足を右足に引き付け右足を退き十文字に打の斬り込みを請けるや否や体を左に披き、打の刀を右に摺り落し同時に打の顔面に突き込む。打は右足前、仕は左足前となります。
 タイミング的には業附口伝は打の刀を受けてから受けた交点を維持しながら左手の切先で攻めながら打の刀を押し落すのでしょう。
 古伝の場合は、打之太刀を受けた瞬間に正対していた体を左入り身に変じ摺り落し同時に切先で打を詰めるものでしょう。古伝の大らかな手附は技を拡げてくれます。
第19代福井春政先生の鱗形を嶋専吉先生の覚書から稽古して見ます。
無雙直伝英信流居合術形乾
5本目
鱗型:姿勢及構へ 仕太刀、打太刀共に納刀のまゝ
業:前同様に抜合せ打太刀は右より進み仕太刀の面上に打下すを仕太刀左足より体を退き左手を棟に添へて頭上十文字に請け止め続いて左足を一歩踏込み(この時右跪となり)左手を刀に添へたるまゝ対手の刀を己が右方に摺り落しながら咽を刺突の姿勢となる。
 此の時打太刀は左足より体を退き刀を左方に撥ね除けられたるまゝ上体を稍々後方に退く。
 次いで刀を合せ血振ひ(若し続て次の「位弛」を演ずる場合は打太刀は五歩後方に退きて血振ひ))納刀す。
 この、嶋先生の覚書では、打太刀は十文字請けされて、仕に左足を踏み込まれ、左足を退いて摺り落しやすい態勢を作ってくれています。従って己が刀は左方に撥ね除けられています。

 

 

 

 

 

 

 

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