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2019年5月27日 (月)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の3居合之諸作法

曾田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の3居合之諸作法

1、神殿又は(玉)座上座に向ひて刀を抜かざる事出来得れば玉座を左にして行ふ事

 どこぞの10段は鶴岡八幡の奉納居合で舞殿で神殿を右側にして演武をしていました。この流の教えでは無く昔からの作法として通っているものです。老子の偃武第31「夫れ佳兵は不詳の器なり、物つねに之をにくむ、故に有道者はおらざるなり、君子居りては則ち左を貴ぶ、兵を用ちうるときは則ち右を貴ぶ・・」辺りから来ているのかも知れません。
 大江先生の「剣道手ほどき」大正7年1918年発行でも「神殿又は玉座に向て刀を抜いてはならぬ。刀を抜くときは神殿玉座に向って右の方に体を向く即ち体の左鞘の處を向けて正座す」と明記されています。

2、場に入る時は、鍔元を左手に持ちて拇指にて鍔を抑へ刃を上にして刀を下げ、下座より玉座に向ひ直立体の儘刀を右手に持替へ此時刃を後方に向け右側に軽く接し立礼をなす。

 此の礼法では玉座に向かっての刀の扱いの様ですが、河野先生の大日本居合道図譜では、「刀を右手に持ち替え、刃を下に向け小指が栗形に触る部を握り食指は伸して刀の棟に添へ、刀は45度に保っー上座に対し奉り最敬礼を行ふ」としています。

 全剣連居合の場合も神座への礼は、「右手で「栗形」の下部を下げ緒とともに握って刃が下、「柄頭」が後ろになるように刀を右手に持ちかえる。左手は鞘からはなし手自然に下ろし、右手は「鐺」が前下がりになるように刀を体側にそって自然に提げる。上体を前に約30度傾けてうやうやしく礼を行う」
 全居連も同様ですが、「頭を45度位に下げる」とされています。 

3、刀を左手に復して適当の位置に至りて正座す。

 大江先生の「剣道手ほどき」では「適当の位置に至りて座す」は「直立体の儘道場の中央に出で神殿を左に見て体を右に向け体を前に屈め右手を股に入れ袴を左右に払ひ左手の刀を股に載せて正座す」と克明です。

4、正座したる時は、刀は恰も左腰に差したる状態にあるを以て、右食指を鍔の下拇指を上にかけて刀を腰より抜き取る気持にて右前方に抜き取り、膝の前方中央約一尺位の處に鐺を右柄を左に刃を後方に向けて置き、双手を八文字につきて礼を行ふ。すべて正座の巾は自己の肩巾と同様なる事、足は拇指を重ね両踵の間に臀部を下す。

 大江先生は、「膝の前方中央約一尺位の處に・・」は「体前に出したる刀は左へ返し膝頭より五寸も離し・・」です。五寸では窮屈すぎますから約一尺が程よい位置でしょう。但し体格に応じて其の位置を決めませんと150cmの背丈の人も180cmの背丈の人も同じであるのはおかしい。
 第22代池田先生は「抜き取りたる刀の鐺を、右膝より右45度位斜め前方に、右上肢を一杯伸ばしたる処に置き、刀を左に両膝前一尺余り前に倒して置く」と遠慮がちに直されています。

5、次に右食指を鍔にかけて鍔口を握り、刀を起し膝の前方中央に鞘を軽く突き鞘の下方約三分の一の處に左手を添へて鐺に至りて刀を持ち上げ、刃を上方にして腰に差す。刀を腰に差したる場合は、すべて鍔は両膝の中央線上にあてる注意すべき事。

 大江先生は「鞘の下方約三分の一の處に左手を添へ」のところは「体前に刀を竪て左手先にて鞘の中央より下へ下し鐺を指に掛けて・・」としています。大日本居合道図譜では「・・左手を鞘の下方より運びて鐺を軽く握りて持ち上げ乍ら腰部に運ぶ」とあいまいな動作に変えています。
 次に河野先生「刀を腰に差したる場合は、すべて鍔は両膝の中央線上にあてる」ですが、大日本居合道図譜では「柄頭がほゞ体の中央にある様に帯刀す」と変わっています。

6、終りたる時の作法は大体右に逆行す。
7、座したる時の体勢は、胸をハラズ総て自然体なるを要とし、腰に十分気力を注ぐ事。腰を折らず下腹を前に出す。
8、着眼は目の高さに於ける前方にして、遠山を望む気持ちたるべし。

 着眼については「眼の高さに於ける前方」とされますが、大日本居合道図譜では「正座の着眼は一定の箇所に固着する事無く所謂る八方正面の気を以て、眼の高さに於ける前方に遠山を望む心なる事」と変わって居ません。大江先生の剣道手ほどきでは「眼の視線は正座前方七尺の處を凝視」遠山の目付けを古来から武術では言いますが、大江先生は「凝視しろ」と云います。稍下方に目線があるほうが遠山の目付けになれるものですが、眼の高さで凝視したり、前方七尺の處を凝視では疑問です。
 
 

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