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2019年5月10日 (金)

曾田本その2を読み解く16居合術の意義並修業の目的

曾田本その2を読み解く
16、居合術の意義並修業の目的
 剣を学ぶは道を学ぶであって凶器を弄ぶでないとは古哲の言である。居合術は真剣を以て行ふ正真正銘の剣道であるから、其の目的とする所は実にここにある、然らば吾人は居合に因て如何なる道を学ぶか。
 身心の鍛錬をするのである、(人として 中不明 曽田メモ)忠孝、礼儀、廉恥、質実、剛健、諸徳を養成するのである。身心の鍛錬は之を調身・調心・調息の三つに分類することが出来る。
 調身とは姿勢を調へることである。
 居合には始終礼儀、座る、立つ、抜き付、打ち下、皆夫々の作法姿勢があり而して全身の元気を気海丹田に収ることになって居る、之れが調身である。
 健康上より云ふも錬謄上より云ふも気海丹田に力を入ることの肝要なることは敢て喋々する迄もなく禅学等皆然り。
 調息とは呼吸を調へることである。
 呼吸には風、喘、息、気の四種あり。息が調相余り乱相であるけれども正気は武道の重んずる處である。
 調心とは精神を調へることである。
 大敵を見て懼れず小敵を見て侮らず、無念無想万物一如の域に達するのを究極するので、此處に達するには慎独克己から始まるのである、古来より我が日本武士道に於ては正義を貴ぶ。
 居合術の意義並びに修行の目的を述べています。どこかで聞き及んだことの様ですが、心身の鍛錬の域を出ていません。
 曽田本その1の巻末に「神妙剣」として以下の事を古伝は伝えています。
 「正義を貴ぶ」と云いつつ正しいと信ずることも無く、ただ安住の地を求めるだけの者には無用かもしれません。
神妙剣
 深き習に至ては実は事(業 曽田メモ)で無し常に住座臥に有之事にして二六時中忘れて不叶事なり、彼れ怒の色見ゆるときは直に是を知って怒りを抑へしむるの叡智あり、唯々気を見て治むる事肝要中の肝要也、是戦に至らしめずして勝を得る也、去りながら我臆して誤(謝の誤字か)り居る事と心得は大に相違する也、兎角して彼れに負けさるの道也、止む事を得ざる時は彼を殺さぬ内は我も不死の道也、亦我が誤をも曲げて勝には非ず、誤るべき筋なれば直ぐに誤(謝か)るも勝也。
 彼が気を先に知てすぐに応ずるの道を神妙剣と名付けたる也、委しきは書面にあらわし尽し難し、心をぼえの為に其の端を記置く也。

 

 

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