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2019年5月 2日 (木)

曾田本その2を読み解く11英信流大小立詰11の6乱曲

曾田本その2を読み解く
11、英信流大小立詰
11の6乱曲
参考
曾田本その1
古伝神傳流秘書
大小立詰
6本目
乱曲:如前後より来り鐺を取り頻りにねぢ廻し刀を抜かせじとする時後へ見返り左の手か右の手にて取りたるかを見定め相手左の手ならば我も左にて鯉口を押へ相手右ならば我も右にて取る後へ引付んとするを幸しさり中に入り倒す。
曾田本その2
業附口伝
大小立詰
6本目
乱曲:(左右あり)我と敵とは前後に立ちて行く也、敵後より右手にて鐺をくるくる廻す也、我此の時直に後向きて左右何れの手なるやを見定め右手なる時は我左足にて敵右足を掬ひ中に入る也、若し左手なる時は我は右足にて敵の左足を掬ひ中に入る也。
五藤先生の教示:後ろより鐺を取りくるくる廻し引時左右を見合せ中に入る。
 古伝の場合振り向いて見て、相手が左手で我が鐺を取っていれば、我も左手で鯉口を押さえ、右手ならば右にて(鯉口を)取る。此処までは業附口伝にも引き継がれています。
 そして古伝は相手が後ろ(背中)に引き付けようとする。それを幸いとして「しさり中に入る」のですが業付口伝は鐺を取った相手の手が左右どちらかなのか見定め直に「右手なる時は我左足にて敵右足を掬ひ、左手なる時は右足にて敵の左足を掬ひ」中に入る、のです。
 外見上の動作は同じ様に見えるでしょうが、状況をしっかりとらえて相手の動作に即座に反応する稽古も大切な処で、一方的に形動作を進めてしまうと、上手に見えても役立たない事は多いものです。
 この乱曲は、英信流の瀧落の時の鐺を取られた時の想定と考えられます。
 瀧落では「刀の鞘と共に左の足を一拍子に出して抜て後を突きすぐ右の足を踏込み打込み開き納る。此事は後よりこじりをおっ取りたる処也故に抜時こじりを以て当心持有り。」でした。相手に握られた鐺を振りもいで振り返って刺突し打込むのでした。
 乱曲では振りもぐとは言っていませんが、鐺を取った相手の左右の手を見定めるや、刀を握る手は相手と同じ様に右ならば右、左ならば左で取り、相手が背中に押付て来るや其の拍子に左手の時は左足から下るや左回りに振り向き、右手の場合は右足から後ろに下がって右廻りに振り向き相手に附け入り、相手の出足を掬って倒す。
 古伝は、「しさり中に入り倒す」だけですが、「しさる」だけで中に入れますが、倒すには向かい合わせになった方が倒しやすく、振り向く拍子に握られた鐺も外せると考えます。
 業附口伝は古伝の言い足りない部分を補ったとも見られるのですが、先ず文章の順番通りに動作を付けて見ましょう。
 乱曲と瀧落の動作に関連性が感じられます。
 政岡先生は地之巻で瀧落(滝落)で「・・振り返って左右何れの手で鐺を取っ居るかみきわめて・・」とされて右手で鐺を取られた時の動作は「左足を出し腰を押し出しつつ右手を柄にかけ、右胸に引き、鐺を左腿に添え、強く左前に出してふりもぐ。若し左手で握っておれば左右とつぎ足で出て腰を右前に出す気持ちで、柄は左前に引きよせて敵の手をふりもぐべきである。」として乱曲で行われている事を示唆されています。

 

 

 

 

 

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