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2019年5月 3日 (金)

曾田本その2を読み解く11英信流大小立詰11の7移り

曾田本その2を読み解く
11、英信流大小立詰
11の7移り
参考
曾田本その1
古伝神傳流秘書
大小立詰
7本目
電光石火:如前後より来り組付を体を下り相手の右の手を取り前に倒す。
曾田本その2
業附口伝
英信流大小立詰
7本目
移り:(口伝 山川先生の伝書には「電光石火」とあり)敵後より組付きたるを我体を落して敵を前に投ぐる也(真揚流の投業の如 曽田メモ)
五藤先生教示:後より組付体を下り前へ投る。
 業附口伝の業名は「移り」、古伝は「電光石火」です。何処でどうなったのでしょう。
 江戸末期から明治の土佐の居合は消えそうになっていたのでしょう。伝書も伝わらず正しい指導も受けられずいたのでしょう。
 もう一つは、下村派には古伝が伝わっていたが、谷村派には伝わらず口伝口授が唯一の伝承法だったかもしれません。
 谷村派からの伝書は見た事も聞いたこともありません。従って何処かおかしいものになったのではと思う次第です。確証はありません。出来るだけ早いうちに事実を手に入れたいものです。
 業附口伝は曽田先生の書き記したもので、実兄土居亀江からの口伝、田口先生(不明)の指導によるものです。
 古伝の電光石火は「体を下り相手の右の手を取り前に倒す」ですから、柔道の一本背負を彷彿とさせます。
 業附口伝は「我体を落して敵を前に投ぐる」で、相手の右手を取れとは言っていません。体を落とす事によって投げる、やり方は自分で工夫しろというのでしょうか。
 大小立詰を以て曽田先生の業附口伝は終わっています。古伝神傳流秘書の大剣取は曽田先生に実兄からの口伝は無かったのでしょう。
 以上を以て古伝神傳流秘書以前に河野百錬先生が無雙直伝英信流居合道(昭和13年発行)によって居合人に公にされてしまった、曽田先生が実兄土居亀江からの口伝を記録した業附口伝を終ります。
 業附口伝が戦前に先行して出てしまったので、その業名や動作もそれを研究して古伝の組太刀を学んでしまったと云うのが事実の様です。
 曽田先生は古伝を出版したかったと弟子の山本俊夫に戦時中に語っています。出版できずに亡くなられ、その意志は河野百錬先生によって無双直伝英信流居合兵法叢書によって昭和30年に初版が出版され、昭和38年に再版されています。
 手に入れられた方も有った様ですが、書棚の隅に仕舞われたままそれを学ぶ人も無く眠ってしまった様です。
 同じような事は、夢想神傳流の木村栄寿先生による、細川家から借用して読み下しを出版された林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流も古伝神傳流秘書が搭載されているにもかかわらず、夢想神傳流の方々の研究は聞く事も無いのが実態でしょう。
 大江正路・中山博道両先師の居合を見直す資料がありながら、「英信流はこうだった」などの見て来たような嘘をついても意味のない事です。
 少なくとも、奥居合や組太刀は古伝に戻さない限り武的踊りに終わってしまうと思います。

 

 

 

 

 

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コメント

ミツヒラ先生

只の憶測ですが、「電光石火」から「移り」と名称が変わっていったのは、神傳流秘書 抜刀心持引歌の
「間二不加豪末を雷電石火の如くちらりと我が心に移時無二無三に打込事」のくだりから発生した符丁が、口伝故に本来の業名を置去りに伝わったのかも知れませんね。

玄さま
コメントありがとうございます。

この場合の「移時」は、敵と相対する時に、我が身を土壇となして敵の仕掛けが我が心に電光石火の如く「写る」或は「映る」を「移る」の文字を当てたと思われます。
その際、「敵と気分の喰い合わぬ様に我は敵と別々と成る心也、敵は〆合せようとするを此方は其れに移らずふわりと出合う好し」という事が老父物語に始まる「居合兵法極意秘訣」にもあります。同じ抜刀心持引き歌に「敵太刀打ちがたき切って掛る時沈成躰に勝事の位にて教ゆべし、工夫あるべし、古語に「寸の虫かがむは身を伸びんが為」と言って身を沈める工夫を語ってもいます。
この「電光石火」や「移り」の業は之等の総まとめみたいな感じですね。
玄様の様に原文から読みこなしませんと土佐の居合の本質が見えて来ませんね。よい移り(発想)をされたと思います。

        ミツヒラこと松原昭夫

投稿: 玄 | 2019年5月 3日 (金) 08時29分

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