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2019年5月31日 (金)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の4居合術業書正座之部4後

曾田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の4居合術業書
正座之部4後

 正面より真後向に正座し、右膝を中心として左廻りにて正面に向きて、動作する事右の場合と同様。

 4番目は敵を背後にして我は後ろ向きに座して居るわけです、左廻りに後ろに振り向いて斬るのですが、すでに正座之部2本目右で左廻りを稽古しています。
 2本目右は90度の左廻り、4本目後ろは180度の左廻りです。此の動作ならば右廻りがあってもおかしくないのですが、稽古は右廻りだけです。
 第15代谷村亀之丞自雄に依る英信流目録に依って古伝神傳流秘書の大森流居合之事二本目の動作を変えてしまったにもかかわらず同じような動作を繰り返させる意味は何処にあるのでしょう。
 古伝神傳流秘書大森流居合之事の二本目は左刀「左の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震して立時足を前に左の足へ踏み揃へ左足を引きて納る以下血震する事は足を立替え先踏出したる足を引て納る也」でした。一本目が前に座す敵に対し、右足を踏出して抜付け打込んでいるので、2本目は同じ正面に座す敵に左足を踏み込み抜き付け打込むのです、それで左刀と名付けた。15代谷村先生は二本目は左刀なんだから対敵は我の左脇に座さなければおかしい、として業を変えてしまったのでしょう。古伝の意図する処は、抜き付けは右足を踏出しても左足を踏み出しても出来る様にする体裁きを稽古させようとしたのでしょう。
 それでは、谷村先生の大森流2本目が左廻りに90度回転、4本目が同じ左廻りに180度回転は回転角度が大きくなっても同じ様に出来る様に稽古しなさい、と云うのでしょうか。ついでに一本追加して右廻りの180度も有ったらよかったのにと思ってしまいます。それは自分で研究しなさいと云う事なのか、右廻りは後ろの敵には不利だからやるなと云うのでしょうか。それとも右廻りは簡単だから左廻りを稽古しなさいと云うのでしょうか。
 古伝神傳流秘書の後の敵への業名は「當刀」です。読み方すらよくわかりません、あたりとう、とうとう。「左廻りに後へ振り向き左の足を踏み出し如前」、古伝は同じ動作を要求して居ません、2本目と4本目は異なる足捌き体裁きなのです。谷村居合では2本目と4本目は回転角度は違っても同じ動作に過ぎません。何も考えずに無双直伝英信流の業は古来からのもので云われた通りやっていればいい人はそれでいいでしょう。本物を求める人はとことんやってあらゆる状況を考え稽古すべきでしょう。

 この業の意義は、河野先生の無雙直傳英信流居合道昭和13年1938年では、「吾が後方に吾と同方向に向ひて坐せる敵に対して行ふ業にして、其1前と同意義なり」とされています。今度は敵は我が背中を見て座して居るわけで、最も不利な状況です、我を切ろうと思えば即座に切られてしまうのです。後ろの敵を如何にすれば倒せるでしょう。形ばかり何万回と稽古しても此の業で我が背中を見ている敵を倒す事はできません。
 敵も我と同様後向きで座って居て呉れたらどれだけ楽に倒せるでしょう。今までやった谷村居合(大江居合)の右、左の様に河野先生の意義では我と同様の方向を向いて右か左脇に座して居る相手ならば、お互いに向き合う時間があったのです。
 當刀は後では無く、初発刀(前)と同様の抜き付けの心構えが必要でしょう。流派の極意業は最初に習う業に在りとも云われます。初発刀で修錬した腕を「當刀」で確かめることになりそうです。
 
 

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