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2019年6月 8日 (土)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の5居合術業書立膝ノ部1横雲

曾田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の5居合術業書立膝ノ部
1.横雲

 正面に立膝に座し、気充れば左手を鯉口に取りて拇指鯉口を切り、右手を柄に掛けるや腰を少し浮かし刀を抜きつゝ右足を踏み出して右一文字に抜き払ひ雙手上段に振り冠りて真向に割付け直ちに刀を右に開きて血振し、同時に左手を左腰に取り鯉口を握りて納めつゝ右足を左足に引付け、爪立てたる左足の踵の上に臀部をおろすと同時に納め終りて立上り次の業に移る。

 大江先生の「剣道手ほどき」では長谷川流居合(抜き方と順序)向身の部1.横雲の業名となります。
 横雲:正面に座して刀を右へ静かに抜きつゝ、三寸残りし時右足を出し、刀尖を抜付け、其姿勢にて上段にて真向に前方を斬る。血拭ひ刀を納む(敵の首を斬る)

 余談ですが、中山博道先生の居合を太田龍峰先生が昭和9年1934年に「居合読本」として発行されています。その長谷川英信流居合横雲では:正面に向ひ箕坐す、右足を僅か前方に踏み出し大森流の初発刀と同様に抜刀して直ちに頭上に振りかぶり、敵を斬り下ろし、直ちに陰陽進退の最初の血振りをなし、刀を納めつゝ右足を左足に引き付けて蹲踞し、後、徐かに立ち上がる。

 ここでの抜き付けは、大森流の初発刀と同じ様に抜き付けで右足を踏み込んでいます。但し踏み込みは「右足踵が左膝頭附近に来る如く 踏み著くると同時に刀を抜く」ですが、写真は右足膝頭より一足長は踏み込まれています。
 何処で何時変わったのか夢想神傳流の事ですから研究して居ませんが、第9代林六太夫守政がもたらした土佐の居合「夢想神傳英神信流居合兵法」である事は間違いないものなので、現代の夢想神傳流ではこの横雲の抜き付けで「夢想神伝流居合道」山蔦重吉先生著述昭和47年1972年のものでは横雲:「初伝では一歩踏み出すのに反し、左足を後ろに引くと同時に抜付ける。」と有ります。
 変化業が如何様であろうともいいのでしょうが「長谷川英信流」とするならば、変えてしまった理由を明記しておくべきと思います。現代居合だから古伝は関係ないと云うのは如何なものでしょう。ならば立膝の座し方を、正座に直す程の気魄が欲しいものです。それは無双直伝英信流でも然りでしょう。
 大村唯次先生の幽芳禄平成元年1989年では横雲:「大森流初発刀に同じである。正面に向い箕坐す。右足を僅かに前方に踏み出し大森流の初発刀と同様に抜刀して・・」であって左足を引いて抜き付けろとは有りません。
 大森流の初発刀の抜付けは「・・右足踵が左膝附近にくるまで踏みつけると同時に刀を抜き踏み込まんとする時は、刀は半ば抜きつゝ一歩直角に抜きつく・・」と解説されていて納得です。「居合読本」の初発刀の抜き付けの右足捌きは説明不足です。

 古伝神傳流秘書英信流居合之事横雲:「右足を向へ踏出し抜付打込み開き足を引て先に坐したる通りにして納る」
 英信流の前書きに「是は重信翁より段々相伝の居合然者を最初にすべき筈なれ共先大森流は初心の者覚易き故に是を先にすると言へり」と有ります。

 立膝の業は大方、抜き付けは左足を引いて抜き付けますので、一本目の横雲のみ右足を踏出す事に疑問を持つのも当然でしょう。居合は前に踏み出すも後に引くも、間合い次第で自由自在であるべきものです。
 演武会や昇段審査向けの稽古に終始する方は、所属したところで決められた事だけやって居ればいいだけです。審査は解るが演武会では自由だろうと思いがちですが、これは人前で自流の業を披露するわけですから決められた事だけを演ずるべきで変化業や自分勝手な動きはすべきではないでしょう。

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