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2019年6月 6日 (木)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の4居合術業書正座之部10追風

曾田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の4居合術業書
正座之部10、追風

 正面に向ひて立ち居合腰となり、左手は鯉口にとり拇指にて鯉口を切り、柄に右手をかけ小足にて追進みて、右足を踏み込みて抜払ふや左足を踏み込みつゝ雙手上段に振り冠り、右足踏み込みて切り込み左手を鯉口にとり刀は右外に廻して振りかつぎ血振して納刀する事月影に同じ。

 居合腰とは何でしょう、そんな腰つきが特定されていたのでしょうか。飽くまでも自然体であるべきものです。居合膝などと特定した云い方もある様ですが、剣術の構えは宮本武蔵の兵法35箇条「身のかゝりの事:身のなり、顔はうつむかず、余りあおのかず、肩はさゝず、ひづまず、胸を出さずして、腹を出し、腰をかゞめず、ひざをかためず、身を真向にして、はたばり広く見する物也。常住兵法の身、兵法常の身と云事、能々吟味在るべし。」
 大江先生の剣道手ほどきから「追風」:直立体にて正面に向ひ、上体を稍前に屈し、刀の柄を右手に持ち、敵を追ひ懸ける心持にて髄意前方に走り出で、右足の出でたる時、刀を首に抜付け、直に左足を摺り込み出して上段に冠り、右足を摺り込み左足は追い足にて前面を頭上直立体にて斬り、刀尖を敵の頭上にて止める、血拭ひは右足を引き中腰のまゝ刀を納む。

 河野先生の「居合腰」は、「腰を下げ、前に体を屈める気見合いにて」と無雙直傳英信流居合道では言っています。その後の大日本居合道図譜では「直立の姿勢より少し体を沈め乍ら追い掛ける」と変わっています。大江先生の「上体を稍前に屈し」は無くなっています。第22代の教本では「やや腰を沈め上体やや前傾し」となりです。膝を屈め全屈して追い懸けるなど徒競走しているわけでは無いでしょう。敵にも周囲にも気付かれない体勢が相応しい筈です。
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 大江先生の兄弟子細川義昌系の梅本三男先生による居合兵法無雙神傳抜刀術「虎乱刀」:正面へ向ひ、立歩みつつ右足を踏出しながら鯉口を切り、左足踏出しつつ右手を柄に掛け、更に右足踏込んで(対手の左側面へ)抜付けたるも剣先が届かぬため、直ぐ左足を踏込みつつ諸手上段に引冠り、更に又右足踏込んで斬込み血振ひして(立身のまま)刀を納め終る。

 古伝神傳流秘書大森流居合之事「虎乱刀」:是は立事也幾足も走り行く内に右足にて打込み血震し納るなり。
 古伝は「虎乱刀」で追い懸けて打込むのであって、抜打なのか抜刀して追い懸けるのか指定されていません。しかも一刀のもとに切り捨てています。

 第15代谷村亀之丞自雄による英信流目録大森流之位「虎乱刀」:是は立てスカスカト幾足も行て右の足にて一文字に抜付(払ふてもよし)かむる時左の足一足ふみ込右の足にて打込む血ぶるひの時左を右の足に揃納る時右の足を引納其時すねをつかぬ也。


 追懸切の心得は古伝英信流居合目録秘訣外之物ノ大事「追懸切」:刀を抜我が左の目に付け走り行て打込但敵の右の方に付くは悪しし急にふり廻り又ぬきはろをが故也左の方に付て追かくる心得宜し。
 もう一つ上意之大事に「虎走」:仕物抔云付られたる時は殊に此心得入用也其外とても此心得肝要也、敵二間も三間も隔てゝ坐して居る時は直に切事不能其上同坐し人々居並ぶ時は色々見せては仕損る也、さわらぬ躰に向ふへつかつかと腰をかゞめ歩行内に抜口の外へ見えぬ様に体の内にて刀を逆さまに抜きつくべし虎の一足の事の如しと知るべし、大事とする所は歩みにありはこび滞り無く取合する事不能の位と知るべし。

 さて、追風はどのような時に行われる業でしょう。あれやこれや想定して見ると同じ業の動作が描けてきます。


 

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