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2019年6月27日 (木)

曽田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の5居合術業書奥居合立業之部2連達

曽田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の5居合術業書
奥居合立業之部2連達

 正面に向ひて前方に歩み行きつつ例に依りて静かに鯉口をきり右手を柄に掛けると同時に右足を右斜前に踏出し左後に振り向き右斜に刀を抜き取りて左肩先に刀を水平に刀の鍔元迄突込みて左後の敵を斃し、更に右斜前に振り向きつゝ双手上段に冠りて切下し納刀する事前に同じ。

 大江先生の剣道手ほどきによる連達:「(進行中左を突き右を斬る)右横へ右足を踏み、体を右に避け、刀を斜に抜き、左横を顧み乍ながら刀を水平として左を突き、右へ体を変じて上段にて斬る。

 大江先生の連達と河野先生の連達とは敵の立位置が違います。河野先生は敵は右前と左後、大江先生は右脇と左脇です。連れ立って歩む我と敵とはどの様に連れ達のでしょう。
 左右の敵と横一線で並んで同一方向に歩み行のでは、我が抜刀するために歩を留めたのでは、左右の敵は右前、左前になる。状況を察した敵が我と同じ様に立ち止まるのであれば左右に並ぶ。大江先生の手附になります。河野先生の場合は左の敵が先に抜刀しようと足を止めて遅れなければ成立しない。此の業を演じる際、仮想敵をどの様にしたらいいのでしょう。
 一本前の行連ならば左右に敵を伴って歩み行き一歩盗んでやり過ごせばいいのですが、河野先生の場合は左の敵が左前にならない為には河野先生は大日本居合道図譜では意義に:「敵が我を中間にして雁行の場合左敵一歩後れたる場合、左敵を刺突して右敵の振向く所に斬下して勝つの意也」されています。
 この意義は河野先生の無雙直傳英信流居合道の奥居合之部立業之部では:「・・吾れ右斜に一歩かわしたるを(敵をやりすごす)左方の敵、事前にそれとさとりて一歩後れたるを、其の機先を制し之を刺突して仆し、更に右方の敵の振向く所を斬り付けて、勝つの意なり。吾を中にして三人雁行の時も又同意なり。」

 22代は更にこの連達について、意義は河野先生と同様ですが、「右足を右斜前に踏出し・・」の所に「刀刃を上にして抜くが、この時、刀を出来得る限り床面と平行に抜き懸け、柄頭を以って(気力を籠めて、対敵の腰車の高さに目掛けて当て込む気を以って)右敵に殺気を感じせしめ、立ち止まりて振り向き返る様に気力を籠めて行う捌き必要なり」と無雙直伝英信流居合道解説に示されています。

 古伝神傳流秘書抜刀心持之事では、連達は:「歩み行内前を右之拳にて突其儘に左廻りに振返り後を切り又前へ振向て打込也」と有りますから、之は現代居合では行違に大江先生が改変してしまいました。
 この大江先生の連達は古伝神傳流秘書では行連に括られています:「立って歩み行内に抜て左を突き右を切る両詰に同事也」となります。座業の両詰です。:「抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る(番外-右脇へ抜打に切り附け左を斬る)」
 古伝は素っ気ないほどにおおらかです。後は自分で考えろと云うのでしょう、それとも師匠の口伝、口授、看取稽古、に依るのでしょうか。業手附はその人の哲学が加えられて狭い路に踏み込んで行き、武的演舞の世界に躍り出るものです。
 習い・稽古・工夫によって守破離と云うのですが、昇段審査や演武競技会では、試験問題は正しく清書すべきなのでしょう、其処に留まるのもいいかもしれません。

 この両詰は英信流居合目録秘訣上意之大事で詳細な説明があります。:「是又仕物抔言付けられ又は乱世の時分抔には使者抔に行左右より詰かけられたる事間々之有也、ケ様の時の心得也、尤其外とても入用也、左右に詰かけられたる時一人宛切らんとするときはおくれを取るなり故に抜や否左わきの者を切先にて突すぐに右を切るべし、其のわざ唯手早きに有り。亦右脇の者に抜手を留らるべきと思ふ時は右を片手打に切りすぐに左をきるべし」。現代居合の行連の業は古伝の連達の番外業でした。

 

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