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2019年6月15日 (土)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の5居合術業書立膝ノ部8浪返

曽田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の5居合術業書
立膝ノ部8浪返

 正面より後向きに立膝に座し、例に依りて鯉口を切り右手をかけて立上り左廻りに正面に向きて作すること鱗返に同じ。

 鱗返の後半を付け加えて浪返の手附を完成させておきます。
 「正面より後向きに立膝に座し、例に依りて鯉口を切り右手をかけて立上り正面に向き。同時に左足を後に引き腰を延しきりて抜払ひ右一文字に切りつけ、左膝を跪き、双手上段に振冠り真向を割りつけ刀を開き終わる。

 河野先生の浪返は前の業鱗返しと回転角度が90度から180度になっただけで何ら稽古を繰返す意味など無いものになってしまいました。なぜでしょう。左脇に座す敵と、後に座す敵とは全く状況が違う事が示されていないのです。
 そこまで気が回らないならば、左廻りを右廻りにすれば足捌き体裁きを含め稽古ぐらいにはなりそうです。18代穂岐山先生の教示をメモされて書かれたものですから、穂岐山先生は大江先生からどの様に教えられたのでしょう。気になります。

 大江先生の剣道手ほどきより長谷川流居合 後身の部 
 浪返:後へ向き左より正面へ両足先にて廻り、中腰となる、左足を引き、水平に抜付け上段に取り、座しながら前面を斬るなり。仕拭ひ刀納は前と同じ。

 ついでに前の鱗返を復習
   :右に向き、左より廻りて正面に向ひ、中腰にて左足を引きて抜付け、此抜付けは水平とする事、上段に取り、座しながら斬り落とすなり。血拭い刀納めは前と同じ。中腰は両膝を浮めて抜付けるなり。(敵の甲手を斬る)

 回転角度は違います90度から180度、鱗返しは「左より廻りて正面に向ひ」ですが浪返は「左より正面へ両足先にて廻り」と浪返では足先で廻れと云っています。此の事は浪返しの方が中腰でも高く執れと云っている様です。
 鱗返も浪返も左足を引いて抜き付けろと云うのは、敵との間合いを外して敵が切損じて我が斬り間に入った瞬間に抜き付ける事でその効果は発揮されそうです。
 鱗返の場合の敵は、吾が左に正面右向きに座すならば、敵も正面右向きで我の左に座して居る。そうであれば敵は右廻りに抜き付けて来ます。我は左廻りに抜き付けます。敵が我が方に向いて座して居れば敵は回転せずに抜き付けてきます。
 浪返では吾は正面後向き、その後ろに敵は普通は吾が背中を見て座して居るはずでしょう。その優劣は自ずから見えるはずです。にもかかわらず我は中腰に足先で左廻りに向き直って抜き付ける、其の際左足を退くのでしょう。この二つの業は是非設対者を得て稽古したい業です。

 古伝神傳流秘書英神信流居合之事波返:鱗返に同じ後へ抜付打込み開き納る 後へ廻ると脇へ廻ると計相違也
  鱗返:左脇へ廻り抜附け打込み開き納る(曽田先生 想定の手附)

 古伝では左足を引いて抜付ける事が要求されていません。英信流(大江居合の立膝の部)の左足を退く業は2本目虎一足、3本目稲妻、6本目岩浪では「左足を引き」と明記されています。1本目横雲は「右足を向へ踏出し抜付」ですから夢想神傳流の横雲は古伝の教えではなく中山博道先生のお弟子さん方による独創でしょう。それでも引き足で抜き付ける稽古業としては素晴らしいものです。

 河野先生の「無雙直傳英信流居合道」昭和13年1938年の鱗返し:「正面より右向に座し、刀を抜きかけつつ右足先を軸として中腰にて廻り(正座右の要領に同じ)正面に向くと同時に左足を後に退くや、腰を延ばしきりて刀を抜き払ひ・・・。首に抜き付けています。
 浪返:正面より後向きに立膝に座し、刀を抜き懸けつつ、右足先を軸として中腰にて左に廻り、正面に向くと同時に左足を後に退くや、腰を延ばしきりて刀を抜き払ひ・・・。首に抜き付けています。鱗返と浪返は回転角度の違いばかりの稽古なのでしょうか、古伝の抜けだらけの手附を元に現代居合を考え直したい業です。

   

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