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2019年6月11日 (火)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の5居合術業書立膝ノ部4浮雲

曾田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の5居合術業書
立膝ノ部4浮雲

 正面より左向に立膝に座し左手を鯉口に取りて立上り、左手にて柄を左に逃し(右方の敵が吾が柄を取らんとするを此時左足は左に開く)右向になりつゝ柄を鞘共胸迄上げ、(右手をかけ)同時に左足を右足先前に接する様進ませ少し腰をおとし鞘を突込み足をもぢらして、(左足の甲を下に向くやうに)刀を抜きつゝ其抜放れ際の處にて腰を左に十分ひねり、左足の裏を上に向けたまゝ尚腰を下げ敵の胸元に抜付け、後ち体を右に廻し刀の腰棟に左手の四指を当て右足を後に退き此時右膝をつく敵の体を横に押倒す、次に柄を引き上げ刀の物打の棟へ左手の全指をあてたるまゝ引構へ、夫より刀を左手にて後にはね返し雙手にて柄をとり、更に雙手上段に振冠りて左膝の外へ切り込みて後納め終る事同じ。

 大江先生の剣道手ほどき長谷川流居合(抜方と順序)右身の部「浮雲」:左向き静に立ち、中腰となりて左足を後へ少し引き、刀を左手にて左横に開き、右手を頭上に乗せて力を入れる、其開きたる状態より左足を右足前方へ一文字となし刀は柄を右手に握り、胸に当て右の下へ抜きつゝ体を右へ廻し、刀尖の三寸残りし時、刀を一文字の儘体は中腰となり右横より左へひねり正面に向け抜付け、折り返して打ち、左手の内にて刀峯を押へ伸ばし右手は弓張とし、右左を右斜へ引き、其膝をつき、敵を引き倒し、直に刀を肩上にてかざし、上段にて正面に直り左斜を斬る、この時膝頭外にて両手を止む、血拭ひ刀を納む。(敵三人並び一人の敵を置き先の敵を斬る時)

古伝神傳流秘書英信流居合之事浮雲:右へ振り向き足を踏みもぢ彳(ちゃく)腰をひねる抜付左の手を添へて敵を突倒す心にて右の足上拍子に刀をすねへ引切先を後へはね扨上へ冠り膝の外へ打込み後同前又刀を引て切先を後へはねずして取りて打込事も有。

 河野先生の浮雲には、大江先生の(敵三人並び一人の敵を置き先の敵を斬る時)の条件がありません。(右方の敵が吾が柄を取らんとするを・・)外して抜付け引き倒すのです。
 引き倒しは「敵の体を横に押倒す」ですが大江先生は「正面に向け抜付け、折り返して打ち」と二度斬りしてから敵を「右斜へ・・引き倒し」で様子が違います。古伝の場合は「敵を突倒す心にて右の足上拍子に刀をすねへ引」と右足の方へ引き倒す、」大江先生の右斜へ引き倒すと同じです。
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 河野先生の昭和13年1938年の無雙直伝英信流居合道の浮雲では、「横列に並びて座し居る場合、右側の(二人目の位の處より)敵が吾が刀の柄を取らんとするを・・」と大江先生の添え書きを何となく取り込んでいます。稽古会などでは我の右側二人目の敵が柄を取りに来る想定で実演されますが、別に我が右脇の者が柄を取りに来てもおかしくはない手附です。次の業颪と被ってしまうのを避けたような意味不明の敵の配置です。昭和17年19472年の大日本居合道図譜では「横に座す右側の二人目の敵が我が刀の柄を取らんとするを、外して・・」と想定をされています。二人目でも隣でも良さそうな手附ですから、古伝を知って居れば大江居合を訂正できたでしょう。

 大江先生の先輩細川義昌先生の系統の居合兵法無雙神伝抜刀術梅本三男先生の浮雲:(右側に座して居る者を斬る)の添え書きで敵は右隣です。大江居合は何を原本としたのか疑問です。大森流も英信流も敵は一人が原則でしょう。

 河野先生は昭和30年1955年発行の無双直伝英信流居合兵法叢書で、これらの土佐の居合の誤った伝承を正す意図もあって発行されたと思います。一つ習い覚えると、新たに習い直すことに臆病な事では修行しているなどと云うわけにはいきません。稽古の度に新たな発見があるものです。
  

 

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