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2019年6月 9日 (日)

曾田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の5居合業書立膝ノ部2虎一足

曾田本その2を読み解く
20、スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の5居合業書立膝ノ部
2.虎一足

 正面に向ひ立膝に座し、例に依り抜きかけ立上り左足を一歩後に引きつゝ右斜前に殆ど刀を抜、左腰を左方にひねると同時に刀を抜きはなち刀の差表にて受け留め向脛に切りつけ来るを右足を圍ひ左膝を跪くと同時に双手上段に振り冠り真向に割付け、右に開き納め終る。

 大江先生の剣道手ほどきより長谷川流居合(抜方と順序)向身の部2本目虎一足:「正面に座す、静かに立ちながら左足を引きて刀を抜付くと同時に膝を囲ふ、此囲は体を左向き中腰となり、横構にて受止める事、此体形にて刀を上段に冠り正面に向き座しながら斬り下すなり。血拭ひ刀を納めは一番と同じ(膝を受け頭上を斬る)」

 大江先生と河野先生の違いは、敵の脛への斬り込みを囲ってからの状況です。
 河野先生は「左膝を跪くと同時に双手上段に振り冠り真向に割り付ける」。河野先生はその後の無雙直傳英信流居合道昭和13年1938年ではその意義を「吾が正面に対座する敵が、吾が右足に薙ぎ付け来るを受け留め(敵刀を払ふ気持)敵の退かんとするを上段より斬りつけて勝つの意なり。」としています。

 双方向かい合って居合膝に座し、敵が吾が立膝の右足に薙ぎ付けるのです。この意義と大江先生の「静かに立ちながら左足を引きて刀を抜付くと同時に膝を囲ふ」我の動作は、実際に設対者を置いて抜き付けられての応じ方を稽古すべきで「静かに」をどの様に動作に反映させるか厳しい処です。
 大江先生は「横構にて受留め、此の体形にて刀を上段に冠り正面に向き座しながら斬り下す」。大江先生は敵は既に抜刀して膝に斬り付けて来るのか、座して膝に斬り付けて来るのか不明ですが、「我は静かに立ちながら・・・受止める」、そして「此体形にて」ですから右半身の体形で立ったまま上段に振り冠っています。敵は無疵ですからもたもたして居れば、突いて来るなり、反撃の態勢を退きながら作ろうとするでしょう。敵は立って切り込んで来る想定を思い浮かべます。

 中山博道先生は大田龍峰先生の居合読本昭和9年1934年ではその意義「敵が前方から我が右臂(みぎひじ 膝の誤植?)を斬って来るのを抜刀して之を受け、敵の退くに乗じ正面に向ひ斬る業である」とされています。是も立って来るのか、座したまま斬り付けて来るのか不明です。「・・敵の斬りつける刀を払ひ受け、刀を頭上に振り被りつゝ左足を右足に引きつけ、右足を僅かに前方に踏みつけ正面を・・」と立ったまま斬り込んでいます。
 山蔦先生は、写真付きですから敵も我も座して向かい合い、「敵が自分の右足に切り込んでくるのを・・急速に抜刀し、右脛を囲うように敵刀を鎬で受け止める」、山蔦先生の立膝は右足膝は稍々浮かせた程度ですから、座したままでは抜き打つ対象にはなりにくいものです。右膝上で床からせいぜい20cm有るかどうかでしょう。我が右足に斬り付けるとすれば、敵が抜刀せんと刀に手を掛けるや我も刀に手を掛け、立ち上りつつ刀を抜き出す所を敵は、立てた右足膝辺りに抜き付けて来るのでしょう。受け止めるや左膝を右踵に折敷き刀を振りかむり、右足を一歩直角に踏み出し、斬り下ろす。相手はどうやら座したままのようです。
 
 想定も充分理解しないまま形動作を習うために、疑問に思っても、約束事の形だからと、其の儘やり過ごしてしまうのですが、それぞれの先生方の手附を読みながら空想では無く設対者に応じてこの形を稽古すべきでしょう。演武会の踊りや、昇段審査は決められたことをしていればいいだけです。

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