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2019年7月13日 (土)

曽田本その2を読み解く22スクラップ居合の疑義につきての解説22の2抜付けの右拳の位置

曽田本その2を読み解く
22、スクラップ居合の疑義につきての解説
22の2抜付けの場合の右拳の位置に就いて

 第18代穂岐山波雄先生の解答
 「右拳の位置は、左右の肩を結ぶ線上より拳の位置に於て約六七寸位ひ前方に出づるを可と致し候、拳を其線上に置く時は所謂引き切りの気味と相成り面白からず、拳を少し前方に出し従て腕と刀との角度は九十度よりも約三十度位ひ鈍角に広く開きて握りしめると同時に、少し刀を前に出す心持肝要に御座候、此時の気持は抜きつけに限らず真向其他の切り付けと同一に御座候、剣道に於て面に打込みたる時手を握り締めると共に前に出す気持ちと同様に御座候。」

画像は、曽田本その2曽田先生の手書きによる抜き付けの絵。

Photo

「右拳の位置は左右の肩を結ぶ線上より拳の位置に於て約六七寸位ひ前方に出づるを可」ですが、右は不可、左は可と言う絵なのでしょう。
 やや右半身のため是では右拳は左右の肩を結ぶ線上になってしまいます。左右の肩を結ぶ線上は正対し右拳は六七前方とは云えそうにありません。

この写真は大江先生の剣道手ほどきに載っている抜き付けの正面からのものです。

Img_0669

 「抜き付けたる時は胸部を充分左右に開帳し丹田に力を入れる」と有りますが、左右の肩の延長線上に右拳がある様に見えてしまいます。「腕と刀との角度は九十度よりも三十度よりも鈍角」と穂岐山先生は述べておられますが、どう見ても九十度でしょう。
 穂岐山先生は曽田本その2にある曽田先生の左側の絵を指摘されているのでしょう。

 「少し刀を前に出す心持ち」は河野先生の大日本居合道図譜の抜き付け(斬付け):「抜付けたる時は剣先にて敵を逃がさじと追込む気勢にてグット小指無銘指を握り締め、拇指の基部にて押し、拳を折らずに十分に握り、鎺元が右膝の線上にある程に剣先を前に出す。」と云う事で河野先生は、大江先生、穂岐山先生の教えとは違います。22代の教本では「上体を正面に正対し、右拳は正中線に対し右45度位の位置にある様に実施する」と河野先生の抜き付けに補足されています。

 「此時の気持ちは抜きつけに限らず真向其他の切り付けと同一・・剣道に於て面に打込みたる時手を握り締めると共に前に出す気持ちと同様」と有りますが、ここは大日本居合道図譜では雰囲気が異なる様です。穂岐山先生の書簡による真向打ち込みの雰囲気は面に打ち込み更に押し込む様な言い回しです。河野先生の打下し(斬り下し):「(敵の水月の辺りまで斬下す。)1、左右の肘は胖か(ゆたか)に伸すも、極度に延び切りては自由なり難し工夫すべし。
 2、頭上にて円形を切る心持にて敵の頭部より胸部を斬り下す時刀の速度最も速烈、刀の留まる辺りは柔らかなる事」
 3、右拳の上部は膝の高さ、鍔は膝の線迄出し剣先部は低く床上八寸位迄斬下す。」

 穂岐山先生の抜き付け、打ち込みの雰囲気は竹刀剣道の打込みが丸出しの様です。河野先生はこの部分は穂岐山居合を取り込まなかったと云えるでしょう。22代の教本では「斬り下す時、身体固着したままで実施せず前進する心地にて斬り下ろす気持ちが大事である。正座の部前の場合、体諸共前進しながら(対敵との間合いにより)斬り下ろすも可なり。」とされています。(対敵との間合いにより)と但し書きが施されています。前進する心持ちと、間合いにより前進するのとは違います。

 

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