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2019年7月30日 (火)

曽田本その2を読み解く23スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形23の3業書7真方

曽田本その2を読み解く
23、スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形
23の3業書
7、真方

 打太刀は其儘にて左足を出して八相となり、仕太刀は青眼の儘左足より小さく五歩退き上段となり、右足より交叉的に五歩十分に踏み込みて打太刀の真面を物打にて斬り込む、打太刀は其儘の体勢にありて仕太刀の斬り込むと同時に左足より右足と追足にて退き其刀を受け留める。互に青眼となり打太刀は、一歩出で仕太刀は一歩退く、青眼の儘残心を示し互に五歩退き元の位置に戻り血振りし刀を納む。

 河野先生の真方と大江先生の真方は、打太刀の動作が異なります。:「打太刀は其儘にて左足を出して八相となり、仕太刀は青眼のまゝ左足より小さく五歩退き上段となり、右足より交叉的に五歩充分踏み込みて、打太刀の真面を物打にて斬り込む、打太刀は右足より五歩出で仕太刀を斬り込むと同時に左足より右足と追足にて退り、其刀を請留める、互に青眼となり打太刀は一歩出で仕太刀は一歩退り、青眼のまゝ残心を示し互に五歩引き元の位置に戻り血拭い刀を納む。

 河野先生は、前回の請流で「仕太刀は左足より斜に踏み、打太刀は左足より後へ踏み退きて青眼になり次に移る」の文章から真方の打太刀を「打太刀は其儘にて左足を出して八相となり、仕太刀は青眼の儘左足より小さく五歩退き上段となり」とされています。その原因は受け流しの初動に河野先生は打太刀が「刀を差したるまゝ静かに出で、打太刀は刀を抜きつゝ左足右足を踏み出し上段より正面を斬り体を前に流す」と云う事で鍔留で互に五歩退き血振り刀を納めた事を忘れているのです。ですから受け流しの際の双方の間合いは一足一刀の間から五歩離れているのです。当然受け流しの間に至るには五歩の双方の前進が必要です。そして受流しから元の位置に戻るにも五歩の後退が必要なのです。
 大江先生は受け流しの終了の際青眼に双方構えて刀を合わせ五歩退き、河野先生は打太刀をその場に立たせて置いたと云う事になります。

 河野先生の真方は八相に構えて立ったままの打太刀に仕太刀は上段に構えて歩み寄り一方的に打の真向に打込み、打は左足を退き右足を追足に仕の打込みを受けるのです。
 大江先生は双方歩み寄り打は仕を打たんと斬り込む瞬間、仕の斬り込みが早く左足右足と追足に下がり受け留めるわけです。どの様に受け留めるのかは、大江先生の一本目出合の「打太刀は左足より右足と追足にて退き、刀を左斜にして受ける」のですが、左斜めにの意味が文章からは読み取れず、習慣的に見る形は、柄を左に切先を右上に向けた左傾斜の受け太刀です。

 河野先生の大日本居合道図譜ではこの真方の業名は「討込」と変えられ:「打太刀八相仕太刀中段より互に前進す。間に接するや、打太刀は仕太刀に斬込まんとするを、仕太刀は機先を制して右足を踏込み上段より打太刀の真向に敵刀諸共其の真向より斬下して勝つ。打太刀は左足を一歩退き第一本目の要領にて受ける。次に打太刀は左足より追足にて二歩退き中段となり刀を合はせ、打は三歩出て仕は三歩退りて元の位置に戻り、互に五歩後退して血振り納刀す。」

 此処では双方互に前進するのですが、打は八相、仕は中段に変えてしまっています。大江先生の心持ちを組み込み「打太刀は仕太刀に斬込まんとするを」が、追加されています。
 「一本目の要領にて受ける」形は「打太刀は左足より追足にて一歩退き剣先を右に刃を上に柄を左に出し刀を水平に前額上に把る」とされ。がっちり刃で受け止める様にされています。大江先生の「刀を左斜にして受ける」の心持および武的配慮が見られません

 古伝神傳流秘書の太刀打之事11本目打込:「相懸又は打太刀待処へ遣方より請て打込み勝也」
 古伝の打込は、文章不十分で動作が出て来ません。打は相がかりでもその場に待ってもいい、“遣方より請て打込み勝”ですから間境でだが打込んで来るので、仕は請けて打込んで勝、を打の打込みを請けてしまってから打ち込むのか、請けると同時に打ち込むのか、ここは業呼称が打込ですから、打の真向打ち込みに仕も真向打ちで合わせ打込む「合し打ち」を研究したいと頃です。打は仕に打ち込まれて請け止めて完了では稽古不要です。

 曽田先生の附口伝太刀打之位打込一本:「双方真向に物打にて刀を合はし青眼に直り退く」

 曽田先生の業附口伝は打込で双方真向に斬り付けます。新陰流の「合し打ち」を思わせるもので、打太刀が仕太刀の真向に斬り下ろすのを仕太刀は同様に打太刀の真向に斬り下ろし勝。土佐の居合に組み込まれた柳生新陰流の影が垣間見れる処でしょう。

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