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2019年7月28日 (日)

曽田本その2を読み解く23スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形23の3業書5鍔留

曽田本その2を読み解く
23、スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形
23の3業書
5、鍔留

 互に青眼のまゝ小さく五歩を左足より退き、打太刀は中段となり仕太刀は其まゝ下段となる、互に右足より三歩出合ひ乍ら双方上段となり、間合に至りて相打ちとなりて刀を合はす、仕太刀、打太刀、鍔元を押し合ひ双方右足を後へ退き左半身となり、刀は脇構として刀尖を低くす、打太刀は直ちに上段より右足を踏み込み仕太刀の肩口より切り下す、仕太刀は左足を十分退き体を後方に引きて刀をかわし上段となり、空を打たせ上段より頭を斬る、打太刀は二歩出で、仕太刀は二歩退き、青眼となり互に小さく五歩退き血振り刀を納む。(打太刀は仕太刀を打つ時は中腰となり上体を前に流す)

大江先生の剣道手ほどきの鍔留の手附の内容に対し、河野先生の鍔留は抜けが見られます。:「互に青眼のまゝ小さく、五歩を左足より引き、打太刀は中段となり、仕太刀は其まゝ下段となる、互に右足より三歩出で、打太刀は右足を左足に引き上段に冠り真直に打下し、仕太刀は右足を左足へ引き上段となり、右足を出して打下して互に刀合す仕打鍔元を押合ひ双方右足を後へ引き左半身となり、刀は脇構として刀尖を低くす、打太刀は直に上段より右足を踏み込み仕太刀の左向脛を切る、仕太刀は左足を充分引き上段となり空を打たせ上段より頭を斬る、打は二歩出で、仕は二歩退り青眼となり互に小さく五歩退り、血振ひ刀を納む(打太刀は仕太刀の左膝を打つときは、中腰となり上体を前に流す)

 河野先生の一刀目は、どの様に打ち込んで相打ちなのか判りません。大江先生は双方上段から真直に打ち下す真向打ち合いですから、ここで合し打ちの勝負がつくわけですが、双方刃を返して請け太刀になるか、高い位置で鍔留となって鍔競り合いの押し合いとなるのでしょう。或は打が真向に打込んで来るのを仕は同様に真直に打たずに請け太刀となって摺り込み鍔止めとなる。
 車に別れた場合の打込む部位は、仕の左肩、左腰、左膝、左脛でしょう。大江先生は左向脛を指定しています。河野先生は肩口です、左肩口です。従って大江先生は敢えて上体を前に倒さなくともよいのに「上体を前に流す」と添え書きしています。河野先生の場合は肩口ですから外されれば刀が流れやや前がかりになります。子供向けの稽古形ですから打の体を屈めて仕の打込みを容易にさせている様です。

 この業は古伝神傳流秘書の太刀打之事五本目月影が相当します。:「打太刀冠り待つ所へ遣方右の脇に切先を下げて構へ行て打太刀八相に打つを切先を上て真甲へ上て突付て留め互に押相て別れ両方共車に取り相手打つをはづす上へ冠り打込み勝」
 古伝は打が八相に左面に斬り込んで来るのを右下段の構えから切先を上げ相手の喉を突く様にして摺り上げて鍔競り合いに持ち込んでいます。意味不明な真向打ち合いより稽古としては良い動作でしょう。

 曽田先生の業附口伝は古伝に忠実ですが参考の為に月影:「是も同じく抜て居る也相掛りにても敵待かけても苦からず敵八相にかたきて待ちかくる也敵八相に打処を出合て互に押合又互に開き敵打込む処を我左足を引き立ち直りて打込み勝也」
 此の業付口伝のは「月影仕下打八」と添え書きが施されていますから仕は下段、打は八相の構えとなります。

 第19代福井春政先生の月影:「仕下段、打八相 八相に構へて互に前進、間合を取り(この場合稍々間合を近くとる)、打太刀八相より仕太刀の頭上に打込み来るを仕太刀之に応じて同じく打合はせ拳が行き合ふ瞬間鍔元にて押合ひ更に双方右足を大きく退きて稍々左半身に体を開き剣尖を低くして脇構へとなり続いて打太刀は右足を一歩踏込み上段より仕太刀の左股に斬り込むを仕太刀充分に左足を退きて空を打たせ、立直りて右足を一歩踏出し上段より打太刀の頭上に打下す。・・」
 せっかく仕は下段、打はハ相に構えていても双方八相に構えて前進し上段に構え直して頭上に打込んでいます。是は竹刀剣道の統一された運剣ですが批判の有る所です、竹刀剣道では形は重要視している様に言っていますが疑問です。ついでに脇構からの打込みも一旦上段に振り冠ってから打ち込むのですがこれも疑問です。武的演舞ならばそれも良しでしょう。
 

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