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2019年7月25日 (木)

曽田本その2を読み解く23スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形23の3業書2拳取

曽田本その2を読み解く
23、スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形
23の3業書
2、拳取

 一本目と同じく虎走りに出で、膝にて抜き合わせ仕太刀は左足を打太刀の右足の側面に踏み込み、左手にて打太刀の右手頸を逆に持ち下に引き下げる、打太刀は其のまま上体を稍や前に出し仕太刀は其れと同時に右手の拳を腰部に當て刀尖を胸につけ残心を示す仕太刀は一歩退き打太刀は一歩出でて青眼か前となる(仕太刀は五歩青眼にて退く、打太刀は其まゝにて位置を占む)

 大江先生の剣道手ほどきによる拳取:「一本目と同じく、虎走りにて出で、膝にて抜き合せ、仕太刀は、左足を打太刀の右足の側面に踏み込み、左手にて打太刀の右手頸を逆に持ち下に下げる、打太刀は其まゝにて上体を稍や前に出し、仕太刀は其れと同時に右手の拳を腰部に當て、刀尖を胸に着け、残心を示す、仕太刀は一歩退り、打太刀は一歩出でて、青眼構となる、(仕太刀は五歩青眼にて退り打太刀は其まゝにて位置を占む)

 河野先生の文章と大江先生の文章はそっくり同じです。此の業も古伝神傳流秘書太刀打打之事二本目附入の業になります。大江先生の一本目出合、二本目拳取共に古伝を引用しています。
 古伝の附入:「前の通り抜合せ相手後へ引かむとするを附入左の手にて拳を取る右の足なれども拳を取る時は左の足也」
 古伝と大江先生、河野先生との違いは、古伝は「抜合せ相手後へ引かむとするを附入り左の手にて拳を取る」と相手が抜き付けを留められた圧せられたので一旦下がって建て直す隙に附け込む武術の根幹を大江先生は置き去りにして、仕太刀に一方的に攻め込ませている処でしょう。

 穂岐山先生の直弟子野村條吉先生の無雙直傳英信流居合道能参考による拳取:「仕・左足を踏みだすと同時に両足の前後も同時踏み換え、而して左手にて敵の右手首を取り稍手前に引く・・打・仕太刀より手首を取られ胸に刀を擬せらる・・」であって、仕の一方的な攻撃です、打が退くそぶりもありません。

 河野先生の大日本居合道図譜の拳取:「・・打太刀は圧せられて後に退かんとするを仕太刀はすかさず左足を打太刀の右足の斜め右前に踏込み右足を大きく後ろに、体を右に披くや打太刀の右手首を左手にて上より逆に握り(中指は手首関節部に、拇指は拳中に)左下方に引きて敵の体勢を右に崩し右手の自由を奪ひ右手の刀を刃を外に向けて腰部に把り剣先を打太刀の胸部につくる。・・」
 大江居合の修正をされて、打が退かんとするのに附けこんでいます。打の右手の制し方はここまで複雑にする意味はないので、右手首を握って、右下に相手を崩せば充分足ります。武術はいたずらに複雑な業を用いる必要は無く最小限の方法で制してしまう事を学ぶべきです。

 河野先生の修正を助けた資料は、曽田先生に依る業附口伝附込と思われます。:「・・敵のひかんとする処を我左の足を一足付込左の手にて敵の右の手首を取る此の時は左下に引きて敵の体勢を崩す心持にてなすべし・・」
 この業附口伝は昭和の10年頃には曽田先生から教えを受けた土佐の方々によって稽古されていた様で、第19代福井春政先生も引用されています。
 嶋専吉先生の無雙直傳英信流居合術形乾の太刀打之位二本目附込:「・・打太刀の退かんとするところを仕太刀跳込むが如く左足を相手の右側に深く一歩踏込み右足をその後方に踏み添へて体を開き、相手の右手首を左手にて逆に捉へ之れを己が左下方に引きて打太刀の水月に擬し之れを刺突の姿勢となる・・」
 付け足されたのが赤字の部分です。福井春政先生は柔術の先生だったとか聞きますがそれが余分な業を持ち込んでしまう原因となるのでしょう。河野先生は福井先生に指導を受けたかもしれません。

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