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2019年7月27日 (土)

曽田本その2を読み解く23スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形23の3業書4独妙剣

曽田本その2を読み解く
23、スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形
23の3業書
4、独妙剣

 打太刀は其のまゝにて八相となり、仕太刀は青眼にて五歩退りて八相となる、仕太刀は左足より三歩出で右足を踏出し、打太刀は左足を引きて三本目の如く打合せ左右と二度打合せ、三度目に左足より右足と、追足にて一歩づゝ退き刀を青眼とす。打太刀は右足より追足にて仕太刀の刀を摺込みて突きを施し上体を前に屈む、仕太刀は突き来ると同時に左足を左斜に変じ上段に取り、右足を踏み替へて打太刀の首を斬る、互に青眼となりて打太刀は三歩出で、仕太刀は三歩退き互に構ゆ。

 河野居合はこの頃、独りよがりでこれだけ読んでもどうしたらよいか分かりません。三本目の如くとは「仕太刀は右足を踏み出し打太刀の左面を斬る、打太刀は左足を退きて仕太刀の太刀と打合はす。仕太刀は左足を出し打太刀の右面を斬る打太刀は右足を退きて仕太刀の刀と打ち合わす。仕太刀は右足を出して打太刀の左面を再び斬る打太刀は左足を退きて仕太刀の刀と打ち合わす。」この三度の打ち合わせを、実技で教える場合はともかく文章で省かれては困ります。
 次に「双方右足前で刀を打ち合わせて居ますから、後足の左足から一歩下がり右足を追足し、一足一刀の間に取って切先を合わせ互に青眼となる」。
 「打太刀は右足を一歩踏み込み上体を倒し刀刃を左に向け仕太刀の刀を摺り込んで仕太刀の水月を突く」。「仕太刀は左足を左斜め前に変じ上段となり、右足を左足と踏み変えて打太刀の首を斬る」河野先生の突きは上体を倒して体が伸びた突きですが、刺突の部位の指定がありません。打は低い態勢ですが仕は青眼の直立です、部位は水月にしましたが咽から水月あたり、刃は下向きなのか左右なのかの指定もありません。仕の刀を摺り込むとだけです。仕打共に青眼ですから双方相手の喉に切先をつけた中正眼とします。打は仕の刀の狙いを外す様に摺り込むとすれば刃を左に向けて刀の反りを使って摺り込む様に突くのでしょう。


 河野先生の独妙剣の手附は大江先生の剣道手ほどき其の儘の文章ですから、大江先生の居合の不備はおおらかさと捉えて自得する事になります。
 大江先生の剣道手ほどきに依る英信流居合の型四本目独妙剣:「打太刀は、其のまゝにて八相となり、仕太刀は青眼にて五歩下りて八相となる、仕太刀は左足より三歩出で、右足を踏み出し、打太刀は左足を引きて三本目の如く打合せ、左右と二度打合せ、三度目に左足より右足と追い足にて一歩づゝ退き、刀を青眼とす、打太刀は右足より追足にて仕太刀の刀を摺り込みて突きを施し、上体を前に屈む、仕太刀は突き来ると同時に左足を左斜へ変じ上段に取り、右足を踏み変えて打太刀の首を斬る、互に青眼となり、打太刀は三歩出で、仕太刀は三歩退り、互に構へるなり。」

 曽田先生の業附口伝によるこの業はありません、当然の事ですが古伝神傳流秘書太刀打之事にも此の独妙剣に相当する業はありません。曽田先生は「之は請流のことを記セリ」と解説していますが、古伝神傳流秘書の抜刀心持之事請流の雰囲気とイメージが合いません。太刀打之事請流:「遣方も高山相手も高山或は肩へかまへるかの中也待処へ遣方歩行右の足にて出合ふ打込を打太刀請扨打太刀の方より少し引て裏を八相に打を左足にて出合ふて留め相手又打たんと冠るを直に其侭面へ突込み相手八相に払ふをしたがって上へ取り右足にて真甲へ勝」

 河野先生の大日本居合道図譜の独妙剣:「打太刀、仕太刀相八相より前進し間に至るや、絶妙剣と同理合ひにて、二度斬結び三度目に仕太刀は打太刀の退く所を其の左面に斬込む、打太刀は二刀目と同様之を受け、互に左足を退きて十分なる同等の気位にて中段となる。打太刀は機を見て右足左足と追足にて、剣を左に傾け摺り込みて仕太刀の胸部を刺突す。仕太刀は左足を左に踏出し(右足の左斜前)体を右に披きつゝ手元を上げて敵刀を捲き返す。(敵剣を己が右斜め下に裏鎬にて摺り落す)仕太刀は、打太刀の刀を右斜め下に摺落しながら右足を左足の方向に退きつゝ上段となるや右足を踏込みて打太刀の首より肩にかけて斬下す。・・」
 大正7年1918年から昭和17年1942年まで四半世紀掛けてこの独妙剣が成立しました。相変わらず打ち合う部位が判らず真向を打ち合って見たり、打が刺突の際上体を過度に倒して延び切って見たり、仕は摺り込んで来る打の刀を摺り落す業を研究せずに左に避けているばかりの獨妙剣を指導して居たり、打の突きは刃を下にして水月を突くなどと云っためちゃくちゃが横行しています。
 まず指定された事を其の儘動作に転換してその意義を悟ってより優れた動作を研究したり、変化に応ずる工夫を心がけるべきものでしょう。組太刀を奉納演武や演武会の出し物として演舞する事に稽古時間を費やすなど無駄な上に情けないことです。

 

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