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2019年7月 2日 (火)

曽田本その2を読み解く20スクラップ無雙直傳英信流居合術20の5居合術業書奥居合立業之部7袖摺返

曽田本その2を読み解く
20スクラップ無雙直傳英信流居合術
20の5居合術業書
奥居合立業之部7袖摺返

 正面に進みつゝ例に依りて鯉口を切り右手を柄に掛け右足を踏出すと同時に刀を抜き出し、右足を左足にひきつけつゝ両腕を前に組み、右足を進めて両腕を左右に大きく広げ、左足を出したる時双手上段に振冠り更に右足を踏み込みて打下す。敵と我との間に他人があり其れを押し除けて敵を斬るの意。

 大江先生の剣道手ほどきより袖摺返:「(進行中抜放ち、刀を左の身に添へ群集を押開き進みつゝ斬る)右足の出でたる時、刀を静に抜き、直ちに右手は上へ左手は下へ胸の處にて組見合せ、足は左右と交叉的に数歩出しつゝ、両手肘に力を入れて、多数の人を押し分ける如くして、左右に開き、直に上段に取りて、中腰にて右足の出でたるとき、前面を斬る、(両手を開く特は、両手を伸ばす、肘の處を開くこと)

 この大江先生の袖摺返は古伝神傳流秘書の行違の変形です。替え業と云った方が良いかも知れません。業名の袖摺返は大小立詰の一本目にある袖摺返から盗んだものでしょう。

 大江居合の袖摺返の方法で群集をかき分けて、かき分けた人に疵を負はせずに敵と向い合えるか疑問です、然も抜刀しての動作ですから居合とは言えそうにもありませんが、現代居合ですから現代の手附の儘に演じるばかりです。

 古伝神傳流秘書抜刀心持之事行違:「行違に左の脇に添へて拂ひ捨冠って打込なり。」
 この行違は、しっかり稽古して置きたい業の一つでしょう。特にすれ違う寸前に抜刀して刃を左外向きに左腕外に添えて、すれ違いざまに引き切る様に摺り切ってすり抜け、即座に左回りに振り返って振り冠り後ろから打ち込む。

 古伝神傳流秘書大小立詰袖摺返:「我が立て居る處へ相手右脇より来り我が刀の柄と鐺を取り抜かせじとする時其儘踏みしさり柄を相手の左の足のかゞみに懸け中に入り又我右より来り組付をひじを張り体を下り中に入る。」

 行き違うのですから敵は我が正面より歩み来って我が左脇を摺れ違って行こうとする、我は刀を抜き放ち刃を外に向け左脇に添えて行き違い様に敵に斬り付けてすれ違うや、刀を右肩から上段に振り冠りながら左廻りに斬り付けた敵に振り向きざま真向より斬り下す、と言う大技です。

 細川義昌先生伝の梅本三男先生居合兵法無雙神伝抜刀術の行違:「(摺違ひに左側の者を斬る)正面へ歩み往きつつ(右側を通り)鯉口を切り、左足踏み出しながら右手を柄に掛け、右足を踏出すなり刀を向ふへ引抜き、左足踏出しつつ(刃部を外へ向け)左腕外へ突込み、更に右足踏出すと共に摺違ひに刀を向ふへ摺抜き(対手の左側を軽く斬り)直ぐ左斜に振返へりつつ、諸手上段に振冠り右足踏込んで斬込み刀を開き納め終る。」

 細川先生は大江先生の兄弟子に当たります。大江先生は業の内容について十分学んだかどうか疑われるものです。良く解釈すれば、古伝の業は、不意打ちのきらいがありますから、中学生向きには古伝を改変して、群衆を押し退けて前面の敵を斬る業にした、とも取れそうですが、さて如何なものでしょう。
 上意打ちであれば、いかなる理由があろうとも、役目は果たさなければなりません。又相手との思想の違いから最後の手段として戦わざるを得ない状況下での闘争であれば、相手も使い手である事もありそうです。そこまで業の意義をとやかくする前に、その状況下での行違う場合の業技法の修得はすべきものでしょう。
 ポイントは、行き違う何処で抜刀するのか、どの様に相手の何処を拂い捨てるのか。仮想敵も描けない者には古伝を学ぶ事も出来そうにありません。

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