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2019年7月17日 (水)

曽田本その2を読み解く22スクラップ居合の疑義につきての解説22の6抜付の足

曽田本その2を読み解く
22、スクラップ居合の疑義につきての解説
22の6抜付に於ける前方に踏出す足に就いて

 答、前に踏出したる時の足の内方角度(膝の内側)は、九十度よりは少しく小さく上体を前に倒すにあらずして、下腹に力を入れて前に押し出す気味にて、少しく前に掛る方宜敷候、後方の脚は上体の延線よりずっと後方に開き、上体の重心は凡そ前足先と後足膝頭の中間に落ちる位ひを適当と考へられ候、尚又此場合体を前がゝるは不可にして、只下腹を前に押出して上体は垂直呑まゝ少しく前懸りとなるを可と致し候。

 正座の部一本目前の抜き付けの際の、前に「踏み出した(右足の)膝の内側の角度は九十度より少し小さく」と云うのですから、九十度の位置になる様に踏出しても、「下腹に力を入れて前に押し出す気味にて」する事で膝頭が前に出た方が良いと云います。従って左足は真直ぐに立てた上体の延線(正中線、重心の位置)より「ずっと後方に開き」ですから左足膝の内側の角度は九十度より鈍角になる様にして、「上体の重心は凡そ前足先と後足膝頭の中間に落ちる位ひを適当」と考えるのだそうです。前足先及び後足膝頭は踏み出した位置から変わっていないので、前足の膝を突き出すとすれば重心位置もその分ズレるはずです。
 「体を前がゝるは不可」は当然とすると、腑に落ちない答えになる様です。「押し出す気味」は心持ち、あるいは平行移動させる、のですが右足の膝の内角を九十度より小さくせよ、左足の膝の内角は九十度より広くと云っています。
 恐らく、重心の位置を右足爪先と左足膝頭の中心に置くよりもグット前を責める意識が強く出るはずですからヒシャゲタ脚のカッコウになる人が多かったと思います。

山田次郎吉先生の身心修養続剣道集義形状記
居合かゝりの足形

Img_0670

1、居合かゝりに足立ては、右を立て左を引きながら抜き払ふを習とす。
1、此の左の膝の所に足を踏めば則ち立ち構への立足一間の幅となる。
1、足幅は広からず又狭からず、一間三足の格たるべし、其の格は一間を三足に歩する程度の所に左の膝を著くるを謂ふ。足を立て替えて右を引くときも是れに同じ。唯足の左右を差ふのみ。
1、立てたる足は右へも左へも偏るべからず、又かゝるべからず。控ゆべからず。指先も亦左を斜に踏むべからず。


 形状記の歩幅は足三足分を一間としています。即ち左足一足、右足一足、左足先と右足踵に一足分開けることで三足一間とされています。立って構えた時の足となります。

 形状記は窪田清音の著述によるもので、清音(すがね)は徳川幕府の旗本、兵学者、武術家で講武所の頭取、兵学師範でもあった。居合、剣術は田宮流とされています。
 この図は居合の抜き付けの足で、右膝は出ない引かない「足首と平」と云っています。

 河野先生の大日本居合道図譜から居合道基本抜き付け「上体は下腹をだし、腰骨に(丹田に)十分なる気力を注ぎて真直に、而て踏出したる右足の膝の内法角度は九十度を超えざる事。後足の膝と上体とは大体一直線をなす事。」とされています。
 穂岐山先生とは一見異なる脚だろうと思われます。但し「抜き付けは腹を後ろに退かずすべて前進する心持を失わぬ事肝要なり」の心持ちは守られています。土佐人の幕府を倒して明治維新に寄与した気が過度に影響しているのかとも思える処です。
 

 

 

 

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