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2019年7月22日 (月)

曽田本その2を読み解く23スクラップ無雙直傳英信流居合術英信流居合形23の1作法

曽田本その2を読み解く
23、スクラップ無雙直傳英信流居合術(其十一)
英信流居合形
大阪居合術八重垣会
剣道錬士河野稔
23の1大江正治先生述
作法

 居合の時の同要領にて、神殿に向ひ立礼をなし、後互に十尺位ひの所に対向し(此時刀は左手に)拇指にて鍔を支へ其の握りを腰部に着け四十五度位ひの傾斜に刀を下げ、右手は横腹に着け不動の姿勢となり、更に約五尺程の距離に進みて向ひ合ひ静かに正座す、刀を右手に持ち替へ前に五寸程離して置き互に両手を板の間に着け礼を行ふ。
 次に一応両手を膝の上に置き、右手にて刀を持ち腰に差し、再び両手を膝の上に置き、更に左手にて鞘を握り拇指を鍔に添へ右手を膝の上に置きたるまゝ右足を前に出し其の足を左足に退き揃へて直立す。直立したる姿勢にて後に退く事左足より互に五歩とす。
 止まる時は、右足を前に左足を稍や五寸程退きて踏む、此の構にて互に進み出でて第一本目を行ふ。

 大江正治述と有りますが大江正路の誤植でしょう。
 このスクラップの出処は大阪八重垣会の会誌か何かでしょうが不明です。縦13文字で組まれています。それを切り取って曽田本その2に張り付けられたものです。
 内容は、この作法に見られる記述は河野先生の無雙直伝英信流居合術全昭和8年1933年の冊子の26~30ページンのものとそっくり同じです。
 河野先生の無雙直伝英信流居合道昭和13年1938年では「第五節居合形之部 第1、無雙直傳英信流居合之形 當流第十七代宗家範士大江正路先生述」から始まり、「其1、作法」略同じ文章です。部分的には例えば「・・右足を前に出し其の足を左足に退き揃へて直立す・・」が「・・右足を前に踏み込み其の足を左足に退き揃へて直立す・・」と変えています。

 大日本居合道図譜では河野流が頭を持ち上げてしまい独創に依る幾つかの問題を残しています。
 表題で大江正路先生の独創された組太刀7本を「第七章 無雙直伝英信流居合道形太刀打の位)」としてしまい、古伝神傳流秘書に云う11本の組太刀である「太刀打之事」及び曽田先生による五藤正亮先生・谷村樵夫先生の業附口伝の古伝「太刀打之位」と 混同させてしまいました。

 組太刀の構えについては、高野佐三郎先生の「剣道」を踏襲されてしまい、当時の帝国剣道形をそれとしています。礼法については以下の通りです。:「相互の礼-道場の末座にて約五尺を隔てゝ対座す。(註 正座の姿勢と同様に端坐して刀は右脇に刃を内に向け鍔を膝の線に置く)次に礼をなす。
 神傳に礼-居合と同要領にて刀を左手に提げて立ち、静かに道場の中央に進み互に十尺を隔てゝ神前に向ひ右手に刀を取替えて神坐に最敬礼を行ふ。
 坐礼-立礼の所にて向ひ合ひて黙礼し静かに進み約五尺を隔てゝ体座す。刀を前に置き居合の要領にて坐礼をなす。
 帯刀-帯刀す。次に左手の拇指を鍔にかけて鞘を握り右足を踏み込みて立ち上がり其足を左足に退きつけて直立し、互に左足より五歩後進して対向す。之より業に移る。」
 河野先生は時節柄大日本帝国剣道形の構えの形に合わせざるを得なかったのは止むおえなかったかも知れませんが、大江先生および河野先生に依って、第9代林六太夫守政が土佐に持ち込んだ無雙神傳英信流居合兵法の多くが失伝する事になったのは否定できないでしょう。

 大江先生の剣道手ほどきによる英信流居合の型 1、作法:「刀は左手に鞘を持ち、親指にて鍔を支へ、其握りを腰部に着け、四十五度の傾斜に下げ、右手は横腹に着け不動の姿勢となり、互に十尺程の距離を取り対向し、一礼を行ひ、更に五尺程の距離に進み、神殿に向ひ黙礼をなす、更に向ひ合ひ静かに正座す、刀を右手に持ち変へ、前に五寸程離して置き、互に両手を板の間に着けて礼を行ふ、一応両手を膝上に置き、右手に刀を持ち、腰に差し、再び両手を膝上に置き、更に左手にて鞘を握り、拇指を鍔に添へ、右手を膝上に置きたるまゝ、右足を前に出し、その足を左足に引き揃へて、直立す、直立したる姿勢にて後へ退くこと左足より互に五歩とす、止まる時は右足を前に左足は稍や五寸程引き踏む、此構にて互に進み出でて第一本目を行ふ。」

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