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2019年8月16日 (金)

曽田本その2を読み解く24スクラップ居合英信流の恩人林六太夫守政先生24の6中西岩樹の3

曽田本その2を読み解く
24、スクラップ居合英信流の恩人
林六太夫守政先生
24の6居合術教士剣道錬士中西岩樹
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 先生は天資英才にして器量非凡故実礼節を伊勢兵庫に学び到底し剣道居合は荒井二代目の勢理直伝にて意を極め書は佐々木文山に就いて之を能くする等和術砲術伎謡俗楽をはじめ凡そ人の師と為るに足る伎芸16を得ていたといふから大したものである。
 而して先生は宝永3年(1707年)12月22日御料理頭より第扈扈従役に進められ礼節方を兼ねられ正徳3年(1714年)8月病の為め拝辞し同月24日大扈従役を免ぜられ礼節指南は旧の儘御馬廻りとなり山内第8代豊敷公の時享保17年(1733年)7月17日71才で八軒町の邸に病没せられたが其間第4代藩主豊昌公、第5代豊房公、第6代豊隆公と3代の藩主に仕へ貞享3年(1687年)6月君主より故実の御下問あった時詳細記述して之を奉り殊の外の御褒辞と共に白銀若干を賜ふた外元禄20年(1708年)12月12日禄20石を加増され更に同16年(1704年)9月4日故実礼節究極の功労旁々又も50石を加増されて旧禄に合し150石となりたる等名誉を重ね御羽織其他下賜品を受けた事も多い。
 斯くの如く3代の君主に仕へて寵衰へず然も太平の代数度の加増を以て厚遇されたといふことは容易の事ではない之を以て観ても先生が常人でなかった事が窺はれる。
 先生の居合は其表芸ではなかった従って特別に子弟を養ふやうな事はせられなかったがそれでも藩中弟子の礼を執る者が有って当時水野流田宮流等の居合が有ったにも拘わらず断然此の英信流が重用されるに至り数代後の徳川氏末期には土州武士にして居合を知らざるものは真の土州武士に非ずとせられた程八釜間敷い(やかましい)ものになり彼の有名なる山内容堂公は谷村亀之丞先生に就て一人熱心に練磨され藩主文武館に居合科を設けて藩の子弟に之を伝習せしめられたのである。
 当流の伝統は既に発表されてある通り六太夫先生の没後其の養子安太夫政詡先生が嗣がれて後林氏が二人迄嗣がれている、六太夫先生の逸話は数々あれど私は古記録に残る其ニ三をご紹介して筆を擱くことにする。
 先生は前述の如く幼にして家を嗣がれたそして初めは専ら武道に没頭され文字に疎かったが為15歳の時君主の参勤交替に従って江戸に上るに際し其母は先生の無学を嘆じて無筆に同じくして他郷に於ける勤事に当り不自由ならんことを愁ふと言ったを甚だ尤至極と考へ江戸に上るや間もなく当時の学者佐々木文山の門に入りいろは文字より習ひ始めた文山は驚いて余の門人一千人に及ぶと雖いろはより始めるは小一人なりと呆れたが其年より在府3年間精力を盡し遂に能書となり藩邸中弟子の礼を執る者が多かったといふ。

 中西岩樹先生の林六太夫の解説で、「剣道居合は荒井二代目の勢理直伝にて意を極め」と有るのですが、第8代荒井勢哲の二代目は荒井勢理だそうです。この荒井勢理とはどの様な人物なのか、どの様な文献もしくは説話から出されたものなのか、私は知りません。中西岩樹先生が昭和8年1933年土佐史談会発行の冊子に無雙直傳英信流居合に就いてと云う論文を書かれています、其処に「南路志は、守政の養子10代林安太夫の物語りとして、守政の居合剣術は荒井二代の勢哲より直伝なりと記し・・。」とあります。荒井勢哲の後は荒井勢理なのかは見えません。南路志の原書に因って確認して見る方法も有ろうかと思いますが、南路志自体も信頼できるものかは疑わしいものでしょう。土佐のお国自慢の裏附けの一つぐらいで良いのでしょう。

 林六太夫守政は平尾道夫氏の土佐武道史話では享保17年(1732年)7月7日70歳で没したとされています。土佐史談では7月17日なので土佐武道史話が誤植かも知れませんが亡くなった月はともかく日にちはどうでもいいでしょう。

 平尾先生の土佐武道史話では山内5代に仕えたとされています「豊昌・豊房・豊隆・豊常・豊敷」ですが中西岩樹先生は「第4代藩主豊昌・第5代豊房・第6代豊隆公三代の藩主に仕へ」とされています。第7代豊常の時には隠居し第8代豊敷の時に亡くなったと解釈するのかも知れません。

 水野流、田宮流居合が土佐ではすでにあった所に林六太夫の居合が広まった様に書かれていますが、之も英信流を引き立てるだけの挿入かも知れません。江戸に参勤交代のお供で出れば江戸の剣術道場は幾つもあったのでしょうから特に藩として取り上げなければ個人の自由だったかもしれません。
  

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