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2019年8月18日 (日)

曽田本その2を読み解く24スクラップ無雙直傳英信流之形に就いて24の7河野稔

曽田本その2を読み解く
24、スクラップ無雙直傳英信流之形に就いて(其13)
24の7大阪居合術八重垣会
剣道錬士河野稔

 當流には左に掲ぐる形7種(66本)を承伝され居るも其詳細説明は後日の機会に是を述べん
1、太刀打ノ位
 1、出合 2、拳取(附込)3、請流 4、絶妙剣(請込) 5、鍔留(月影)
 6、水月刀 7、絶妙剣(當身ヲ行フ)8、独妙剣 9、心明剣 10、打込

2、詰合ノ位
 1、八相(口伝に發早トアリ) 2、拳取 3、岩浪 4、八重垣 5、鱗形
 6、位弛 7、燕返 8、眼関落 9、水月刀 10、霞剣 11、打込(留ノ打也)

3、大小詰
 1、抱詰 2、骨亡 3、柄留 4、小手留 5、胸捕 
 6、右伏 7、左伏 8、山影詰

4、大小立詰
 1、〆捕 2、袖摺返 3、鍔打返 4、骨防返 5、蜻蜒返 6、乱曲

5、外ノ物ノ大事(奥居合ノ事)
 1、行連 2、連達 3、遂懸切 4、惣捲 5、雷電 6、霞

6、上意ノ大事(奥居合ノ事)
 1、虎走 2、両詰 3、三角 4、四角 5、門入 6、戸詰 7、戸脇 
 (8、壁添 抜け)9、棚下 10、鐺返 11、行違 12、手ノ内
 13、輪ノ内 14、十文字

7、極意ノ大事
 1、暇乞 2、獅子洞入 3、地獄捜 4、野中ノ幕 5、逢意時雨
 6、火村風 7、鉄石 8、遠方近所 9、外之剱 10、釣瓶返シ
 11、智羅離風車  以上


 無雙直傳英信流之形に就てと題して、ここでは形の区分と業名の羅列です。「後日の機会に是を述べん」と云っていますから後日に解説があるのでしょう。
 ここに掲載された業名形7種(66本)ですが、河野先生はこの時(曽田先生と交流して資料をもらった戦前の事と思います)まだ古伝神傳流秘書の存在を知らなかったかも知れません。
 この業名の目録の出典はどうやら曽田本その1にある「谷村樵夫自庸先生相伝 免許皆伝目録 従実兄小藤亀江(後に復帰して土居姓)傳来」のもので「明治34年(1901年)6月15日 谷村樵夫自庸 小藤亀江殿」という目録があります。そこには「居合根元之巻」に続き「無雙直傳英信流居合目録」が附随しています。
 目録の書き出しには現在の立膝の部に相当する業名が書かれ、その後に太刀打之位から始まり極意ノ大事が掲載され、その後に「居合心持肝要之大事」9項目書き込まれ、奥書となって居ます。
 残念ながら、この小藤亀江に谷村樵夫自庸からの根元之巻及び目録は「本目録は昭和20年7月4日偽善2時高知市爆撃の際家財一切と共に焼失す」と前書きされています。

 此の目録を授与した谷村亀樵夫自庸は、谷村派の第15代谷村亀之丞自由ー楠目繁次成栄ー谷村樵夫自庸ー小藤亀江の系統になります。
 現在無雙直傳英信流居合の系譜として知られるのは、第15代谷村亀之丞自由ー第16代五藤孫兵衛正亮ー(第17代大江正路子敬)が正統正流であるならば傍系と云う事になるでしょう。

 いずれにしても、江戸期の谷村派の伝書はこの根元之巻と目録に依るのでしょう。此処には大剣取も坂橋流之棒も夏原流和もありません。大森流も無いと云う事になります。
 谷村派には林六太夫が江戸から土佐に持ち込んだ無雙神傳英信流居合兵法はどの時期かに省略された残りの業だけが伝わって来たと云えるかもしれません。それでは下村派は如何にと云う事になるのですが山川久蔵幸雅が書き写した神傳流秘書が引き継がれた細川義昌先生の家に残るのだろうと思います。但し業技法の経年変化は細川先生から香川の植田平太郎先生から広島に伝わった梅本三男先生の業手附に現れています。

              

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