« 曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐の於けるその普及について24の5平尾道夫の5 | トップページ | 曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐に於けるその普及に就いて24の5平尾道夫の7 »

2019年8月10日 (土)

曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐に於けるその普及に就いて24の5平尾道夫の6

曽田本その2を読み解く
24、スクラップ土佐史談雑録
長谷川流居合と土佐に於けるその普及に就いて
24の5平尾道夫の6

 林安太夫の門弟では、渋谷和平次勝壽と云ふ者が妙手であった。槍術家の新國彦九郎に一寸計の杭を二本指に挟ませて置いて、之に抜付けたのに、見事両断して唯の一度も彦九郎に疵をさせなかったので、見る人はいづれも「抜き手も抜きて、杭の持ち手も持ち手」と感賞せざるはなかったと云ふ。御小姓格渋谷彌五平勝胤の嫡子で、まだ相続しない内に明和9年5月10日を以て病死した。林彌太夫の門弟では、生駒彦八正持・棚橋左平太長序・谷村亀之丞自雄等が有名である。楠目成徳が此三人評したものがある。
 林彌太夫政敬先生の門弟に、生駒彦八、棚橋左平太、谷村亀之丞の三人は、抜群の抜き手也。皆大男にて、左平太が技前は業小なれども豪気なる居合也・彦八は業大きく行込み、強く錬熟したり。亀之丞先生も彦八氏と同じく上手也。彦八氏、亀之丞氏とは技前勁敵なるべきなれども、打見たる所は彦八氏の上に立たんことは難かるべきか。猶諸人の高評を俟つ。(手抄25)
 亀之丞は谷村久之丞自凞(じき)の二男で、居合の外に馬術にも達し、天保8年稽古扶持として三人扶持を賜った。同15年には同流の芸家として取立てられ、文久2年にはその導役となって居る。彦八の父生駒道之丞正脩之丞正脩も斯道で相当知られて居た。

 居合抜の妙について、「一寸ばかりの杭を二本指に挟ませて置いて、之に抜付けたのに、見事両断して」と有るのですが、現代居合でこんな事が出来る人はいるのでしょうか。一寸と云えば3cmそこそこ、杭とは楊枝のようなものと思えばいいのかも知れません。この様な芸当はともかく、抜き付けるべき部位にピタリと抜き付けるのは至難の業です。現代居合の抜き付けは正坐の部一本目前ですら、敵の右肩から首こめかみと相手の動作によって動く位置を特定していますが、抜き付けの動作では腰を延び切って、抜き付けた右拳の位置は右肩の高さで斬り付けた刀刃水平に走らせています。こんな抜き付けで動く高さの目標に斬り付けられる訳はありません。斬り付ける相手の部位など、据物同然の抜き付けです。形に拘り過ぎて役立たずの稽古法が問題なのかとも思えます。根元之巻では勝つ部位は敵の拳です。
 古流剣術の抜刀を稽古していますが、相方に小手を着けてもらい斬り込んでくる小手に抜き付ける稽古をしています。或は抜刀せんとする小手に下から抜き付けています。抜刀してからの剣術でも小手に斬り込むとか右面左面目標物に見事に斬り込むもので、動く相手の太刀をかわして小手に斬り込むわけで、現代居合の様に抜き付けたフィニッシュの決まった状況を優先してしまいますと目標など無いも同然なのかとも思います。
 この、雑録にある見事な両断は稽古次第で出来る様になれるかもしれません。出来ると思えない人には出来るわけはないでしょう。動かない仮想敵を相手に稽古している様では無理でしょう。ましてかって指導を受けた先生の様に仮想敵は修行の末に現れるなどの嘘つきには絶対に無理なことです。

|

« 曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐の於けるその普及について24の5平尾道夫の5 | トップページ | 曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐に於けるその普及に就いて24の5平尾道夫の7 »

曾田本その2を読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐の於けるその普及について24の5平尾道夫の5 | トップページ | 曽田本その2を読み解く24スクラップ土佐史談雑録長谷川流居合と土佐に於けるその普及に就いて24の5平尾道夫の7 »