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2019年9月 4日 (水)

曽田本その2を読み解く31スクラップ橿原神宮で古武道大会31の2

曽田本その2を読み解く
31スクラップ橿原神宮奉納武道各流大会
見よ、武道日本の誇り 
輝く五十八流派の奥義演武

 奈良県、日本古武道振興会共催本社後援の紀元ニ千六百年奉祝橿原神宮奉納全国古武道各流型大会は27日午前9時から橿原神宮苑建国会館で挙行、開会式に先だち日本古武道振興会会長小山松吉氏、同理事長松本学氏および宮村奈良県知事ら一同打揃って神宮神殿に参進、玉串を奉奠、参拝ののち宮村奈良県知事、松本理事長の開会挨拶あり、ついで、古武士の面影をしのばせる七十八歳の佐藤政五郎、羽口彦三両翁をはじめ十歳の杉野茂男、十一歳の勝瀬光安君や十八歳の乙女可皃睦子嬢ら百三十名が武道日本が古くから誇る各々五十八流派が開始された。
 劈頭まづ古来武道を奉納する際に四方の悪魔を蹴散らしたといはれる日置流弓術鳴弦、四方詰を東京府の浦上栄氏が静中動の秘儀を遺憾なく発揮し、ついで福島県の菅野武雄氏が牛渡八郎右衛門の武田流陣貝術、わづか十歳の杉野茂男君がわが国武道中興の祖飯篠長威斎の編み出した香取神刀流の居合術、手更(?)剣術、太刀術、棒術、長刀術の形をしめし、さらに無雙直傳英信流(曽田虎彦 メモ)諸賞流以下十流派の演技が行はれ午前の部を終り午後一時より現代講道館柔道の元祖ともいはれる磯又右衛門の天神真楊流七十六歳で矍鑠たる八木寅太郎翁ほか三名によって天地も裂けよの気合で行はれ、次いで往時の機銃を想はせる連続速射土居彦太郎氏の日置流石堂竹林派の弓術堂前形、また現代に珍しいチョン髷姿もいかめしい嘉納軍次、古賀栄作両氏の独特の掛声と八相の構を武蔵の二天一流剣術の型、笹森順造、小館俊雄両氏の物凄い切落し妙技を見せた小野派一刀流剣術の型、九尺の大太刀軽々と昔の弁慶の勇武を偲ばしめる直元流大長刀術の型、真の気合と精神の漲る古井亀太郎、福田彦平両翁の勇壮な伯耆流居合術、その他いづれの型もみな不惜身命の境地を偲ばしめ、観る者をいたく感動せしめた。
 演武の途中小山会長は「古武道の意義と必要」の題下に現代行はれつゝある武道の競技化を避けて真に気合のこもったわが国独特の皮を斬らして肉を斬り、肉を斬らして骨を斬るといった真に正しい古武道の精神を強調した約四十分にわたる講演があって再び柳生流居合術、大東流合気柔術はじめとして二十五流派の型は武道精神を遺憾なく発揮し祖先の勇武を昭和の今に観るの感を抱かせ盛会裡に五時過ぎ散会した。

 この新聞切り抜きは昭和15年5月28日(火曜日)に発行されたもので新聞社は不明です。高知新聞であればもう少し土佐の居合を書き込むと思われますが無雙直傳英信流7文字に終わっています。
 この記事を読みながら、5年後の昭和20年には、多くの国民が戦争で命を失い、国土は焦土と化して肉親を失い、無条件降伏に陥った得体のしれない扇動に引きずられていった時代を思い起こします。
 同じあやまちを繰返さない強い意志を持ち、同じ地球に生きるものとの愛に満ちてつながっていきたいと心から思います。
 土佐の居合を指導するものは神妙剣を学び伝えていくもので、安逸な居場所に胡坐をかいているものでは無いでしょう。「気を見て治むる事肝要中の肝要也、是戦に至らしめずして勝を得る也、さりながら我臆して誤り(謝り)ている事とは心得る時は大に相違する也、兎角して彼に負けざるの道也、止む事を得ざる時は彼を殺さぬ内は我も死なずの道也、亦我が誤りをも曲げて勝には非ず、誤る(謝る)べき筋なれば直ぐに誤る(謝る)も勝也、彼の気を先に知ってすぐに応ずるの道を神妙剣と名付けたる也」

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