« 曽田本その2を読み解く39大詰 | トップページ | 曽田本その2を読み解く40居合術根元之巻40の2 »

2019年9月20日 (金)

曽田本その2を読み解く40居合術根元之巻40の1

曽田本その2を読み解く
40、居合術根元之巻
大江正路先生より鈴江吉重先生に伝授したる伝書の写也
40の1

抑此居合と申者日本奥州林之従大明神夢相〆奉伝
夫兵術者上古中古雖有数多之違佗流大人小人無力剛力不嫌合兵用云々末代為相応之太刀云々
手近勝一命有無の極此居合恐者栗散邊土堺不審之儀不可有之唯依霊夢処也
此始尋奥州林崎神助重信云者因有兵術望之林之明神一百有日令参籠其満暁夢中老翁重信云曰
汝以此太刀常胸中憶持者勝怨敵云々
則如霊夢有得大利以腰刀三尺三寸勝九寸五分事柄口六寸勝之妙不思議之極意一国一人之相伝也
腰刀三尺三寸三毎(毒 か)則三部尓但脇差九寸五分九曜五鈷之内証也
敵味方成事是亦前生之業感也生死一体戦場浄土也
如此観則現世蒙大聖摩利支尊天加護来世成仏成縁之事豈有疑哉
此居合雖積千金不真実人者不可授之
可恐天罰唯授一人伝之云々

古語曰
其進疾者 其退速云々
此意貴賤尊卑無隔不謂前後輩其所者許目録印可等無相違

又古語曰
夫百錬之構在則茅茨荘鄙興兵利心懸者夜自思之
神明仏陀祈者則忽得利方
是依心済身事燦然


大江正路先生から大正10年1921年に鈴江吉重宛に授与した無雙直傳英信流居合術の根元之巻及び業目録となります。
原文は漢文調ですから読み下し文にします。
 
居合術根元之巻
抑も此の居合と申すは日本奥州林之従、大明神の夢想に之を奉伝せしめる、
夫れ兵術は上古中古数多の違い有ると雖も、他流大人小人無力剛力嫌わず兵の用に合う云々、末代相応の太刀と為る云々、
手近く勝は一命の有無の極み、此の居合恐れるは粟散邊土の堺、不審の儀之有るべからず、唯霊夢に依る処也、
此の始めを尋ねれば、奥州林崎神助重信と云う者、兵術を望み有りて之を林の明神に一百有日参籠せしめ其満暁の夢中、老翁重信に伝えて曰く、
汝此の太刀を以て、常に胸中憶持は怨敵に勝を得る云々、
則霊夢の如く、腰刀三尺三寸を以て大利の有得す、九寸五分に勝つ事、柄口六寸の勝の妙不思議の極意、一国一人の相伝也、
腰刀三尺三寸、三毒三部に但脇差九寸五分、九曜五鈷の内証也、
敵味方に成る事、是のところ前生の業感也、生死一体戦場浄土也
此の如く観るは、則現世大聖摩利支尊天の加護を蒙り、来世の成仏成縁の事、豈疑い有らんや、
この居合千金を積むと雖も不真実の人には堅く之を授くべからず、
天罰を恐るべし、唯一人に授く云々

古語に曰く 其の迅く進は 其の退くこと速し云々
此の意を以て、貴賤尊卑、前後の輩と謂わず隔てなく、其の所を達せし者には目録印可等相違なく許す。
又古語に曰く 夫れ百錬の構え、則茅や茨の装鄙の構え在り、と、兵利を心懸けるは、夜自ずから之を思い、神明仏陀に祈る者は則忽ち利方を得る、是に依り心済み身事燦然。

 根元之巻の要点は林の神明の霊夢に依って奥州の人林崎神助(甚助の誤りか)重信が居合の神傳を得た、その極意は柄口六寸に勝つことで、一国一人の真実の人への相伝である、金を積まれても不真実の者には天罰を恐れ堅く授べからず。貴賤尊卑や立場の違いに拘わらず、兵利を心懸け、寝る間も是を思い、神明仏陀に祈る心掛けのある者は忽ち利方を得る、是に依って心は済み、燦然と輝くであろう。

 

 

|

« 曽田本その2を読み解く39大詰 | トップページ | 曽田本その2を読み解く40居合術根元之巻40の2 »

曾田本その2を読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その2を読み解く39大詰 | トップページ | 曽田本その2を読み解く40居合術根元之巻40の2 »