« 曽田本その2を読み解く37三つの声と云事 | トップページ | 曽田本その2を読み解く39大詰 »

2019年9月18日 (水)

曽田本その2を読み解く38小詰(獅子洞出、獅子洞入ノ事)

曽田本その2を読み解く
38、小詰(獅子洞出、獅子入ノ事)

 1、小詰は尖(するど)になじると云うことなり、相手の右手の膝に太刀を押當るが如くに鋒先をさゝえて構ふるなり、此の形を獅子の洞出と云ひ、洞穴より猛獣のたけって出るに喩ゆ、此太刀さき三寸へつけて弓手の肘を捧げ相手の太刀さきを押ゆる、相手拳を払ふ時、太刀を摺り込んで両腕を押へ詰めて勝つなり、此の有様を獅子の洞入とも云ひ、峰をもって敵の胸板をつらぬくことを小詰と云ふ。

 小詰の出典が書かれていません、これは柳生新陰流の「柳生流新秘抄」の九箇の太刀六本目小詰そのものです。此の出典も早川順三郎の武術叢書に間違いありません。
 曾田先生は、この小詰を英信流居合目録秘訣にある「獅子洞入、獅子洞出」の事だろうとされています。
 獅子洞入、獅子洞出:「是以戸口抔を入る習也、其の外とても心得有るべし、或は取籠者抔戸口の内に刀を振上て居るときは容易に入る事能わず、其時刀を抜て背に負たる如くに右の手にて振り上げ左の手にて脇指を提げうつむきて戸口を入るべし、上より打込めば刀にてふせぎ下をなぐれば脇差にて留る、向ふの足をなぐ可し、獅子洞出是以て洞出入の心得を知らする也。」
Img_0690
 第9代林六太夫が江戸から土佐に持ち帰った無雙神傳英信流居合兵法の教えの中にある獅子洞入、獅子洞出の図と解説ですがこれでは、柳生新陰流の小詰には程遠いものです。
 あえて言えば、柳生新陰流の小詰は天上の低い場所での勝負に向く太刀でもあると「江戸武士の身体操作柳生新陰流を学ぶ」の著者赤羽根龍夫先生はその著書の小詰に書かれていますので、上の低い洞からの出入りの業として第9代は江戸で長谷川英信か荒井勢哲かに指導を受けたのでしょう。
当時柳生新陰流は将軍家及び大名家に師事されていましたから、英信や勢哲の様な市井の浪人若しくは武士と農民の境目の所属不明の剣士には柳生新陰流は遠い存在だったでしょう。
 小詰の柳生新陰流は、赤羽根瀧夫先生の解説により、打太刀は右膝上に刀を斜め上に向けて立てて構え、仕太刀は打太刀の左胸を切先で突く様に刃を上に向け右手を上向けて刀を捧げ持つようにして間に致る、打太刀は仕太刀の刀を刺突せんと捧げ持つ左柄手を小さく打って行く、仕太刀は拳を打たれる寸前に、打太刀の太刀を刃を上にしたまま左斜め下に打ち落す、仕太刀は刃を下にして打太刀の中心に詰め残心。
 

|

« 曽田本その2を読み解く37三つの声と云事 | トップページ | 曽田本その2を読み解く39大詰 »

曾田本その2を読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その2を読み解く37三つの声と云事 | トップページ | 曽田本その2を読み解く39大詰 »