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2019年10月27日 (日)

曾田本その2を読み解く45長州藩相伝神道無念流立居合と曾田本神道無念流立居合12本目

曾田本その2を読み解く
45、長州藩相伝神道無念流立居合12剣の業と
曾田本神道無念流立居合12本
12本目

曾田本神道無念流立居合
12本目
(意義)
前進中敵先に抜打をなし敵の之れに応ずるを切り返し倒す也
(動作)
第1、右足より二つ進二歩目左足にて刀を抜き三歩目に敵の正面を切る。
第2、切り返をなす2本目第4動に同じ。
 2本目第4動:両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵の刀を払流し(此時刀尖は其位置にて左拳を刀尖より稍上ぐ)同時に左手を中心に右肩より冠りつゝ左足を左前に踏み右足を左足の後に引き敵の右肩より八相に切下ぐ。
第3、納刀
刀の納め方
1、前の足を後足に引き付ると同時に刀を左肩に擔ぐ如く持ち来り左手は鯉口を持ち鞘を正しくす。
2、左手の拇指と食指とにて「ハバキ」の近くを挟み右手の拇指は縁頭の近くを其の他の指は下より鍔及び柄を持つ
3、左足を後方に一歩引くと同時に右手を以て刀身を前下方に引き刀尖を鯉口の処に持ち来る。
4、右足を左足に引付つゝ刀身を鞘に納める。

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」立居合12剣の業
12本目
三歩前進正面打込、霞切返し、納刀
前敵抜付 歩行中、左足が前に出たとき刀に右手をかけ頭上に抜刀、右足を踏み出して諸手で前敵の正面に打込む。
霞切返し 前に同じ。
 前は2本目霞切返し:またしても敵が反撃して来る気配に一歩進めて霞に攻める。敵は我の正面を打って来るので、左足を左斜前に踏み出し、切返しのごとく敵刀を右にすり落し、刀を右から頭上に回転させ、右足を左足の後方に引くと同時に左斜上段から敵の右肩に強く袈裟に打込む。
 霞の構えが立居合では記載されていません。
 刀法の終りに霞の解説がありますのでそれを採用して見ます。右足前で水月迄切り下ろした後ですから、右霞で良いでしょう。
 右霞:刀柄を握った右手の甲を下に左手の甲を上にして刀刃を左にし、切先を前敵に向ける。 
 曾田本の構えと同じ様ですが、刀刃の向きが曾田本は上、長州藩相伝は左と異なります。
 此の構で、敵が我が頭上に打ち込んで来るのを払い受ける様にして摺り落すのでしょう。
納刀 前に同じ
 1本目納刀:正眼に構えてから、切先を敵の胸元、喉元、眉間の高さにと徐々に前に大きく円を描くように出し、残心を示しながら右足を左足に引き揃えて刀身を左肩にとり、左手は鯉口を握り僅かに鞘を引き出す。刀身は肩にとったまま鎺を鯉口を握った左手の人差指に支える。と同時に、左足を右足の後方に引き、右手の柄を前下に伸ばし刀背を引いて切先を鯉口に入れ、ゆっくりと刀身を鞘に納める。左足を右足に引き揃え、直立して右手を柄から放し、左手は親指を鍔にかけて当初の演武の位置に復する。なお、各業とも納刀の動作は同じであるが、逆足(左前足)で終了した場合(2、3、8、9、12本目)は左足を右足の後方に引き納刀する。

 神道無念流立居合12本の最終です。
 曾田本の12本目の意義の書き出しは「前進中敵先に抜刀をなし」とあります。敵は前進しながら我より先に抜刀して、(正眼に構え)前進して来るわけで、之に応じて右足、左足と進めて刀を上に抜き上げ上段に振り冠って敵の正面に右足を踏み込んで打込む。
 敵之を外し、上段に振り冠って打ち込まんとするを、我切先を敵の左目に付け(水月まで打込んだ切先を)、左霞の構えとなり、敵が真向に打込んで来るや左手を稍々高く刀刃を上に向け敵刀を受け払う様に右に受け流す。
 同時に左足を左斜め前に踏み込み刀を右肩から振り冠リ、右足を左足の後方に引くや左から敵の右肩に逆袈裟に打ち込む。


 神道無念流立居合12本の曾田本と長州藩相伝を並べて、曽田本の出典を求めたのですが、曾田本との違いもいくつかあっても曾田本の立居合12本は、西日本の何処かの手附、若しくは明治以降に曽田先生が神道無念流の誰かから指導されたメモ、又は神道無念流伝書を写されたものでしょう。

 木村高士先生の長州藩相伝神道無念流には、長州藩相伝に依る神道無念流立居合の大村藩無念流立居合業手付が掲載され長州藩無念流との違いを述べられています。其の外に戸賀崎宗家に依る神道無念流12本が記載されています。堂本明彦編著の「中山博道剣道口述集」には立居合初伝10本、上伝20本が納められています、いずれそれらを読み込んで曾田本の神道無念流を稽古して見たいと思います。

 曾田本その2にある「神道無念流立居合12本」の出処が判りません、曾田本にあります神道無念流立居合12本についてをご存知でしたら御教示いただきたいと思います。 

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