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2019年10月17日 (木)

曾田本その2を読み解く45長州藩相伝神道無念流居合と曾田本神道無念流居合2本目

曾田本その2を読み解く45長州藩相伝神道無念流居合と
曾田本神道無念流立居合12本
2本目

曾田本神道無念流立居合12本
(意義)
敵我正面を切り来るを以て払ひ流し体を左前方に替し敵の右肩より切り下ぐ
(動作)
第1、1本目の第2動に同じ
 一本目第2:次に右手を左肩より振り冠り左手を添へ右足を一歩引き敵の正面を切る。
第2、上段より右、左と二歩退き敵の正面を切る。
第3、左足より二歩前進し敵の正面を切る。
第4、両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵の刀を払流し(此の時刀尖は其位置にて左拳を刀尖より稍上ぐ)同時に左手を中心に右肩より冠りつゝ左足を左前に踏み右足を左足の後に引き敵の右肩より八相に切下ぐ。
第5、次に納刀

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」立居合2本目
 敵の右肩から八相に切上げ、二歩後正面打、二歩前正面打込、霞切返し、納刀
前敵抜付 前方の敵に抜付けるまでの動作は一本目に同じ
前敵打込 前進して来る敵に右、左足と二歩後退して左から上段に冠り正面を打つ。
更に、後退する敵を追って二足一刀に攻め入り正面に打込む。
霞切返し またしても敵が反撃して来る気配に一歩進めて霞に攻める。敵は我の正面を打って来るので、左足を左斜前に踏み出し、切返しのごとく敵刀を右にすり落し、刀を右から頭上に回転させ、右足を左足の後方に引くと同時に左斜め上段から敵の右肩に強く袈裟に打込む。

参考
堂本明彦編著中山善導・稲村栄一原著中山博道剣道口述集より
立居合初伝2本目
右左右で右片手で前面を左から右に水平に払い切り、左から刀を振り上げ右足を引いて諸手切り下げをなし、又右足を出して諸手切り下げをして、左霞をとって、左足を出して前面を切り払って終る。

 曽田本の神道無念流居合の2本目の意義では「敵我正面を切り来る」から始まっているのですが第1動では一本目の第2に同じだと云います。一本目の第2は、敵の右前肘を下から切り上げたのですが、敵不充分で攻め込んで来るので右足を引いて後退しながら攻め込んで来る敵の正面を切るのです。
 長州藩相伝は少しも違和感がないので、曽田先生の誤写若しくは原本の誤りでしょう。長州藩相伝に従ってここは稽古しないと業が成立しません。
 従って、第1は切上げ、第2は原本通り「上段より右、左と二歩退き敵の正面を切る」、
第3も原本通り「左足より二歩前進し敵の正面を切る」、
第4は「両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵の刀を払流し」・・。
でしょう。そこで曾田本の不十分はこの「払流し」の技でしょう。
 長州藩相伝では「霞切返し」という神道無念流の技を要求しています。無双直伝英信流の「受流」では、真向に打込んで来る敵刀を受けるや摺り落すのですが、此処では「受」ではなく「払」の文字が使われています。
 長州藩相伝では「霞切返し」の技を学ばなければなりません。曾田本の「両手で刀刃を上にし刀刃を以て敵刀を払流し」、ですから、第3で切り下ろした右足前の正面で切先を敵の咽に附け、刀刃を上にし左手を稍々高くして構える。
 敵が真向に打込んで来るので両手を頭上に上げて受払うと同時に左足を左前に踏込み、右足を左足の後方に踏み左半身となって摺り落し、同時に右肩から上段に振り冠って、長州藩相伝の「敵の右肩に強く袈裟に打込む」
 長州藩の霞の構えですが、この場合は「右霞」でしょう。「右霞とは刀柄を握った右手の甲を下に左手の甲を上にして刀刃を左にして、切先を前敵に向ける」この刀刃を上に向けるのでしょう。

参考の中山博道剣道口述集の立居合初伝2本目は、下から切り上げないで右足を踏出し水平に切り払っています、次に右足を引き切り下げ、右足を出して切り下げ、左霞をとって打ち込んで来るのを左足を出して前面を切り払う。
 ここで云う左霞の構えが判りませんが、長州藩相伝に依れば「左霞とは右手の甲を上に、左手の甲を下にして刀刃を右に向ける」とあります。
 曽田先生はこの神道無念流の立居合をどの様に解釈され、稽古されたのか興味が湧いてきます。無双直伝英信流には無い構えであり、真向に打ち込まれた時、此の構えから「左足を出して前面を切り払って終る」神道無念流の手ほどきを受けなければ、無双直伝英信流の「受流」に依って右霞から十文字受けして受け流す、自流の範囲を越えられそうもありません。
 敵の切り込みを刀の刃で請け、受け流すのは初心の頃の稽古としては良いでしょうが、体を躱して同時に切り付ける極意を要求していると理解したいものです。
 

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