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2019年10月16日 (水)

曾田本その2を読み解く45長州藩相伝神道無念流居合と曾田本神道無念流居合1 本目

曾田本その2を読み解く
45、長州藩相伝神道無念流立居合12剣の業と
曽田本神道無念流立居合12本
1本目

曾田本神道無念流立居合1本目
(意義)
数歩前方にある敵が▢に刀を抜んとする機に先ち敵の右前肘を下方より切るも▢いて敵前進し来るを以て後退して切り更らに敵の後退するを進んで切るのであって此の時敵の倒れたるものとする。
(動作)
第1、右足より前進し二歩目左足にて柄を握り三歩目右足を出すと同時に抜刀(此の時左手で鞘を前方に出す気持ちを加へ後方に振り上げ上体を左斜にして十文字形をなし左足は右足にるれ前方に送り左足先を左踵に接する如くする)敵の右前肘を下より切り上ぐ。
第2、次に右手を左肩より振り冠り左手を添へ右足を一歩引き敵の正面を切る
第3、更に右足一歩進め真向より正面を切る

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」立居合1本目
切上げ、右足後正面打、右足前正面打込、納刀
前敵抜付 右足より三歩進めて間に入る。前敵が我に抜刀しようとするので、左足が前に出た時(二歩目)刀の柄に右手をかけ、右足が出ると同時に前方の敵の右肘を下方より逆袈裟に切上げる。右手は切手で拳は相手の肩の高さとする。
前敵打込 なおも、敵は前進して来るので、切上げた右手の刀を左から大きく廻して上段に冠りながら右足を左足の後に引き敵の正面を打つ。(打つとは相手の咽の高さまで斬る。以下、参照のこと)怯んで後退する敵に右足を踏み出して正面に打込む。(打込むとは水月まで斬り下す。以下、参照のこと)

参考
「中山博道剣道口述集」堂本明彦編著 神道無念流立居合初伝1本目
自然体で左手を鯉口にかけ右手を柄につけて、左足右足で刀尖三寸まで抜き、一足大きく出て抜き付け即ち左から右に水平に切り払う(人に依って左斜め下から右斜上に切り上げる細田謙蔵先輩の如き人も居るが、これは正式ではないので注意されたい)。左足を右足につけて左から振り上げ、右足を出し左手を柄につけて諸手真向を切りおろす、刀尖は地上一尺位のところで止める。次に体を左に向け霞の構えとなって左足を出し、できるだけ水平に左から右に切り払う(これに就いても一本目は水平であるが、切り上げる事もあるので注意されたい)。納刀

参考
「中山博道剣道口述集」堂本明彦編著 神道無念流立居合上伝1本目
左足右足と出しながら三歩目に右横に左足を踏出す。勿論右足はその左足の前に踏出すので、この点練習を要する。其の間右手で徐々に抜刀し、最後、右横に体を向けた時に右片手で上から下に切りおろし、一足に踏み出しながら刃を左に返し右片手で切り上げ、左から刀を振り上げて左手を柄につけて諸手で切りおろし、納刀は初伝同様にして終る。是は最初の足取りが難しい事を考えに置いて努むる事。

参考とした初伝、上伝とも曾田本とは業としては異なるので一本目のみで業稽古を省きます、いずれ資料などが集まり稽古されておられる方がおればご指導仰ぎたいと思います。

 曽田本と長州藩相伝とは略同じでしょう、長州藩相伝の「打つはのどの高さまで斬る、打込むは水月まで斬り下す」という違いは、曽田本では「正面を切る」で何処まで振り下すのか指定されない。
 参考の初伝では「諸手真向を切りおろす、刀尖は地上一尺位のところで止める」とありますから、これは無双直伝英信流の現代居合の真向打ち下しと同じでしょう。
 上伝にも見られるのですが、「右片手で上から下へ切りおろし」です、片手真向で無双直伝英信流には無い動作です。「諸手で切りおろし」も「おろす」を解釈すれば「刀尖一尺位のところで止める」が妥当でしょう。解説は文章上では見当たりません。
 無双直伝英信流では一刀目で充分効果を出し、二刀目で止めの両断を目指して稽古するのですが、神道無念流の場合は抜打ちでは斬られても敵は怯まず、攻撃してくるのを下がりながら牽制の正面打ち、敵怯んで体勢を整え下る処に踏み込んで止めの打込み残心、納刀する。
 他流の動作を促す手附だけでは、仮想敵の状況を如何様に描くのか思いめぐらせるところです。
 自流の考え方のみで他流を思い描くことは出来ても、本質に至るには入門するなり、公開の講習会などが有れば参加して学ぶ事が必要でしょう。連盟と称して幾つもの流派を一まとめに審査したり優劣の判定をしたりしている様ですが、自流しか知らない者の審査ではどこまで正しくできることでしょう。其の為審査は連盟の制定した居合のかたちのみを対象にするのでは連盟である意味は無く連盟流になってしまいそうです。
 審査員対象は各地区にも必要なのですから、連盟に所属する各流派のポイントだけでも講習会を開くべきかと思ってしまいます。
 
 
 

 

 

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