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2019年10月13日 (日)

曾田本その2を読み解く45長州藩相伝神道無念流居合と曾田本神道無念流居合礼式

曾田本その2を読み解く
45、長州藩相伝神道無念流立居合12剣の業と
曾田本神道無念流立居合12本
礼式

 曽田本神道無念流立居合
敬礼
1、開始の場合と帯刀
第1、右手に刀を提げ正面に対し立礼し、堤刀は刀刃を上方にし栗形の下方を持ち(此際指は鍔に掛けざるものとす)体に並行して約45度の位置にする。
第2、右足より三歩前進し、両踵を揃え蹲踞し(此際刀を右腰にし鍔を体の中心前とす左手を地につく如くして敬礼す

木村高士著「長州藩相伝神道無念流」立居合
礼式
立礼 まず刀を右手に持ち提げ(刃部を上に、下緒をたぐって栗形の上部を握る)、上座に向かって立礼する。
始礼 刀を右腰にとり、右足から演武の位置に進み、両足を揃えてその場所に蹲踞する。刀を右腰に持ったまま左手の甲を前にして指先を下座について始礼をする

 曽田本その2に曽田先生の手書きで記載されている神道無念流居合立業12本を前回までに読み解いて稽古をしてみました。
 神道無念流居合を、師匠について稽古をつけていただいたことは無いので、習い覚えた無双直伝英信流を基にして居りました、神道無念流ではその様にはしないものだと仰られる事はあるだろうことは充分承知しています。
 手元には中山善道・稲村栄一先生原著で堂本明彦先生編著の「中山博道剣道口述集」、香山会の「幽芳録」、堂本明彦先生の「中山博道有信館」を参考にしようとしたのですが、居合は「中山博道「中山博道剣道口述集」に立居合初伝伝10本と上伝
20本の手附は或るのですが、曽田本その2にある立居合12本は見当たらず、其の上運剣動作にも「一足大きく出て抜き付け即ち左から右に水辺に切り払う(人に依って左斜下から右斜上に切り上げる細田謙蔵先輩の如き人も居るが、これは正式ではないので注意されたい)」とあってどの流派でも経年による変化を認めないような書き出しがあったりして曽田先生の原本はどうやら東ではなく西にあろうかと思ってしまいました。
 神道無念流の業技法に関するものは無いかとネットで調べると、木村高士先生の長州藩相伝神道無念流居合が見つかりました、早速高額にプレミアがついたものを買い求め読んでみたのですが、神道無念流立居合12本は順番及び手附は同じ様なのですが、意義や動作の記述方法が異なります。礼式ですら部分的には異なるわけで、曽田先生の元となった資料は霞のかなたに隠れてしまいました。
 然し、大筋は変わらないと考え、此処に対比しながら稽古を仕直して見たいと思います。木村高士先生の長州藩相伝神道無念流立居合12本の手附を拝借させていただきたくお許しください。
 太平洋戦争直前の曽田先生が書き写された神道無念流立居合12本の曾田本その2の手附はこの対比によって生き返る事を信じています。無双直伝英信流を学ぶ者として他流の居合を知ることによってより深く自流を考える糸口を見つけられるかも知れないと思う次第です。
 また神道無念流を学ぶ方々の参考になれば、曽田先生の思いも伝わるのではないかと念じています。

 早速曾田本その2と長州藩相伝の比較に入ります。
 礼式の部分で赤字の部分に違いが見られます。
 右手に堤刀の際、栗形の下方を持つのが曽田本、下方を持てば指先は鍔に掛らないでしょう。栗形上部を持つのが長州藩ですがこの場合は指は鍔に届きます。鍔に手を掛ける事は戦闘意識を表すとするならば上座に向かう場合は掛けるべきではないでしょう。但し右手に堤刀ですから意識すべきかはその流の仕きたりに従うでよいのでしょう。
 ちなみに無双直伝英信流の大江居合では「場に入る時は鍔元を左手に持ち拇指にて鍔を抑へ、刃を上にして刀を下げ下座より玉座に向ひ直立体の侭刀を右手に持替へ(此時刃を後方に向け)右側に軽く接し立礼をなす。刀を左手に復して適当の位置に至りて正座す。」となります。正座してからは刀礼、帯刀となります。

 上座に一礼して演武の位置に歩み行くのですが曾田本は右足より三歩前進ですから、演武場への入場は下座から演武位置の三歩手前まで出場して立礼するのでしょう。
 長州藩は下座で入場の立礼をしてから演武位置まで進むのでしょう。
 演武位置で蹲踞し上座に礼をする場合の左手の所作で長州藩は左手の甲を前にして指先を下座(床・地)について、と指定しています。蹲踞した両膝の間で左手を地に着ければ自然に手の甲は前向きになります。

 神道無念流居合の読み解くでは、順序通りに記述していますが、同じ流の手附でも比較しながら進めていきますと、中々面白いものです。まして他流との対比をすると猶さらと思います。

 
 

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