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2019年10月30日 (水)

曾田本その2を読み解く46行宗先生より中村虎猪氏に授与したる中傳書写46の3長谷川流居合術浮雲

曾田本その2を読み解く
46、行宗先生より中村虎猪氏に授与したる中傳書写
46の3長谷川流居合術
1、浮雲 右脇より我柄を取来る時。

 前回に置いて横雲・虎一足・稲妻の3本について、古伝神傳流秘書・大江居合・細川居合から行宗居合の意義を考えて来ました。今回は浮雲・颪・稲妻の三本を同様に稽古して見ます。

1、浮雲:右脇より我柄を取来る時。
 神傳流秘書:右へ振り向き足を踏みもぢ彳腰をひねり抜付左の手を添へて敵を突倒す心にて右の足上拍子に刀をすねへ引切先を後へはね扨上へ冠り膝の外へ打込み後同前又刀を引て切先を後へはねずして取って打込事も有。
 大江居合:左向き静かに立ち、中腰となりて左足を後へ少し引き、刀を左手にて左横に開き、右手を頭上に乗せて力を入れる、其開きたる状態より左足を右足前方へ一文字となし刀は柄を右手に握り、胸に当て右の下へ抜きつつ体を右へ廻し、刀尖の三寸残りし時、中腰となり右横より左へひねり正面にむけ抜付け折り返して打ち左手の内にて刀峯を押へ伸ばし右手は弓張とし、右左を右斜めへ引き、其膝をつき、敵を引き倒し、直に刀を肩上にてかざし、上段にて正面に直り左斜めを斬る、此時膝頭外にて両手を止む、血拭い刀を納む(敵三人並び一人の敵を置き先の敵を斬る時)。
 細川居合:(右側に座して居る者を斬る)・・立上り、柄諸共左足を前に踏出し(視線は右正面の対手に注ぐ)、体を右へ廻し正面へ向きつつ柄を上げ対手の頭上を越さすようにして刀を前腹へ横たへると同時に左足の裏を上に向け右足の前を越させ足を交叉し、膝頭を左右へ割り腰を下げ刀を右真横へ引抜き切先放れ際に体を左へ捻り正面より左向きとなりつつ対手の胸元へ斜に(切先き上りに手元下りに)抜付け、体を右へ捻り戻しつつ刀の腰に左手の四指を添へ体は正面より右向きとなりながら刀尖を下げ柄頭を右後へ引上げ対手の体を押し倒すなり、右膝を跪き刀尖を上より後へ振返し双手を向へ突出し横一文字に構へ(視線は正面の対手に注ぐ)右膝を正面へ進ませつつ左上段に振り冠り左足を踏出し其脛を少し右へ倒し膝の外側へ(胴体に)斬込み刀を開き納め終る。

 右側の敵が刀の柄を取ろうと手を伸ばして来るのを、柄を左に開き立ち上って外すや、柄を上げて右手を柄に掛け同時に左足を右足前に踏み込み、体を相手に向けるや相手の胸に切先下がりに抜き付ける、左手で刀の棟を押さえ膝を着いて相手を右に押し倒す、刀尖を振り上げて上段に振り冠り左膝の外側に斬り下し刀を納める。ざっとこんな動作でしょう。大江先生の浮雲の動作は、まず敵は右に居並ぶ一人置いて二人目の敵が柄を取りに来るそうです。古伝にはその様な事は掛れていないのに何故そうするのか、古伝の手附と違うより先にその動作が読み取れません。右脇の敵が仕掛けても、其の右隣でも動作は大して変わらない書き方です。一人置いた二人目の敵ならば、一人目を押し退けるか、その前から越して来るかに依ります、越して来るならば我が座した右前から手を伸ばして来る筈です。
 刀を左に開いて敵手を外した時、右手を頭上に乗せる意味が不明です。特に「頭上に乗せて力を入れる」と何の効果があるのでしょう。体を左に捻ってから正面に向けて抜き付ける、軌道は横一線なのか、次の「折り返して打ち」の意味する所も疑問です。大江居合の筆者は大江先生の居合を見て其の動作を記述したであろうと思われ大江先生の監修を受けていたか疑問です。
 大江居合、細川居合とも夫々有効な動作であるならばそれを稽古すればよいのですが、此の業の動作は文章が複雑すぎて手附から稽古するのは厄介です。何故そうするの何故が抜け落ちた手附けといえると思います。当然その道統の方には口伝口授師匠の演武があって演じられるのでしょう。

以下次号とします。 
 

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