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2019年11月 4日 (月)

曾田本その2を読み解く46行宗先生より中村虎猪氏に授与したる中傳書写46の8長谷川流居合術瀧落

曾田本その2を読み解く
46、行宗先生より中村虎猪氏に授与したる中傳書写
46の8長谷川流居合術
1、瀧落 敵我鐺を取り上へおしあげる所を前へたち抜くひょうしに鐺にて突く

神傳流秘書:刀の鞘と共に左の足を一拍子に出して抜て後を突きすぐに右の足を踏込み打込み開き納る此事は後よりこじりをおっ取りたる処也故に抜時こじりを以て當心持有り。
大江居合:後を向き、徐ろに立ちて左足を後へ、一歩引き鞘を握りたる左手を其儘膝下真直に下げ、鐺を上げ後方を顧み、右手を膝上に置き同体にて左足を出し、右手を柄に掛け胸に當て右足を前に進むと同時に抜き、刀峯を胸部に當て、同体の儘左へ転旋して、体を後向け左足を前となし、其体の儘胸に當てたる刀を右手を伸ばし刀は刃を右横に平として突き左足を出しつゝ上段に取り、左膝を着き座しつゝ頭上を斬る、血拭い刀を納む。
細川居合:(後に座して居る者を斬る)正面より(左廻りに)後向き居合膝に座し、左手にて鯉口を握り立上がり(後者が右膝を立て鐺を握り引き止る)右足を踏出し柄を左へ突出し、左後へ振向き対手を見つつ急に左足を前へ踏越す、同時に柄を右肩の前へ引上げ右手を掛け、更に右足を前へ踏出すなり刀を引抜き鞘は後へ突込み鐺で対手を突き、刀の棟を胸部へ引付け(左より)後へ向くなり左足右足と踏み込み対手の胸部へ突込み、更に右足踏込みつつ諸手上段に冠り大きく斬込み、刀を開き納めつつ蹲踞し左足踵上へ臀部を下すなり右脛を引付け納め終る。

 後に座す敵が、我が鐺を握り上へ押し上げるなり、操作できない様に引くなりする、大江居合は我が動作のみを記述し、この業は何の為に行うのかが見えないのはどうも対敵意識が乏しい気がしてしまいます。右手で握られた、左手で握られた、強く握られた、軽く握られたなどの状況も有ろうかと思いますが、あらゆる状況での握りに応じて振り捥ぐにはどうすれば有効かを研究して置きませんと厄介な想定です。
 神傳流秘書は文章通り演じれば、敵に鐺を握られたならば、すっと立ち上がり、左足を前に踏み出すと同時に柄を胸に引き当て鞘を左足に添わせ(刀の鞘と共に左の足を一拍子に出して)敵手を振り払う、柄を水平に引き戻す際敵の小手なりに鐺を打ち当てて、刀を抜き放ち同時に右足を前に踏み込む。敵退かんとするに乗じて刀の峰を胸に当て、其の足の儘左廻りに振り向き、刃を右にして右片手で敵の胸部へ突き込む。
 敵退く所を更に追い込んで右足を踏み込み上段から真向に斬り下し血振り納刀。

 細川居合の足裁きがやや多く複雑です。座した足の儘左足後ろで立ち上がり、右足を踏み出し柄を左に向け相手を見て、急に左足を前に踏み出し柄を右肩上に引き上げ、敵の握る手を外し、右足を前に踏み出し刀を抜き出し棟を胸に付けるや振り向くや左足を踏み込み右足を踏み込んで相手の胸部を刺突する。更に右足を踏み込んで上段から斬りこむ。鐺を握られた状況や、相手との間合いに依って足捌きは変わるわけで、演武会の踊りは兎も角頭は柔らかくしていたいものです。

 刀を抜き出す際、鐺で相手を打つ或いは突く教えが神傳流秘書にある訳で、現代居合では無視した様な動作、或いは過度の協調した動作など見られます。敵との間を拡げない様に足捌きは研究しませんと、形は出来ていても術が有効でない場合があるものです。形だからなどと嘯く輩とは一緒に居ても意味は無しです。

以上で、長谷川流居合の各業の行宗居合からの解説を終ります。中傳の伝書に戻ります。
 

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